このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

サッカーとテクノロジー〔FIFAワールドカップ2026〕 第4回

大会運営に必要なノートPC、タブレット、スマートフォンをトラブルなく届ける

FIFAの地下倉庫に潜入! ワールドカップの舞台裏を支える1.7万台のITデバイスはスイスから届く

2026年06月21日 11時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

機材は“使い捨て”ではなく“循環”させる

 昨年開催されたFIFAクラブワールドカップ2025において、Lenovoは1カ月半の大会期間中、全米12のスタジアムにノートPC/スマートフォン/タブレット/AV機器を含む合計7500台のIT機材を展開した。動員されたスタッフは150名以上。1スタジアムあたりに与えられた準備時間は平均で2.5日間、場合によっては48時間以下だったという。

 この大会で使った機材はその後、米国内のLenovo施設に回収され、定期的にセキュリティパッチや充電を行いながら保管された。現在開催されているFIFAワールドカップ2026では、これらの機材がふたたび使われている。使い捨てではなく循環させているのだ。

 この循環を支える仕組みのひとつが、Lenovoの「資産回収サービス(Asset Recovery Service)」だという。LenovoのグローバルCIO、アーサー・フー氏によると、これは「必要なときに、必要なぶんだけ」機材を利用できる仕組みで、大会後に機材を回収したら、その価値をクレジットとして還元するという。つまり、FIFAとしては、大会期間中しか使わない機材のコストを払い続けずに済むため、支出の最適化と炭素排出量の削減を同時に実現できる。

* * *

 今大会で、倉庫から旅立った機材が届く先は、3カ国16都市・39日間で行われる104試合の現場だ。Lenovoの最高コミュニケーション責任者兼コーポレートマーケティンググループ VP、ジェフ・シェファー氏は、「104試合の一つひとつが、いわば“ミニ・スーパーボウル”だ。求められるのは、104試合のすべてで、しっかりと動き続けること」と語った。Lenovoは全スタジアムに常駐スタッフを配置し、この緊張感に応える体制を敷く。

 ワールドカップ会場では、スタッフもサポーターもこのような準備が行われていることを意識することはないだろう。それこそがFIFAの願うことだ。「何もトラブルがなく、静かであればあるほど、うまく回っているということだ」(メツラフ氏)。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    PC価格高騰で4割の企業が「調達を延期」/“謎のExcelマクロ”は業務継続リスク/日本のデジタル行政、利用率・満足度とも最低レベル、ほか

  2. 2位

    ビジネス・開発

    「ドラクエXの世界観を壊さない」Gemini実装 プロンプトからセキュリティ、サーバー設計まで工夫の数々

  3. 3位

    ビジネス・開発

    首都高が「AIの高利用者」を1年で10倍に 非IT人材に刺さったGemini Notebookと“泥臭い”浸透策

  4. 4位

    TECH

    【提言】フロンティアAIが生む“脆弱性パッチの波” 企業はパッチ適用プロセスの見直しを

  5. 5位

    TECH

    「SCS評価制度」取得を目指す中堅・中小製造業のリアル 富士工業が考える「セキュリティは経営に役立つのか」の答え

  6. 6位

    TECH

    生命がわずかな熱を細胞内で維持する新しい原理を発見

  7. 7位

    デジタル

    約3000人のハッカーが侵入できなかったpCloud すべてはユーザー自身のデータを守るため

  8. 8位

    デジタル

    属人化の解消は多忙な“Aさん”を救うことから 切り札は「kintone×AI」を自然に使わせる仕組み

  9. 9位

    デジタル

    平均年齢60歳の現場を変えたZ世代女子 kintoneで電話・紙・入力をなくしたら、仕事が楽しくなった

  10. 10位

    デジタル

    大企業導入も順調なkintone AI時代の“市民開発×ガバナンス”基盤を目指す

集計期間:
2026年08月19日~2026年08月25日
  • 角川アスキー総合研究所