このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

サッカーとテクノロジー〔FIFAワールドカップ2026〕 第8回

48チーム/約1250人の全選手の3Dモデル化には「技術のスケール」が大切だった

選手そっくり! サッカーW杯2026で初登場の3Dアバター、その舞台裏

2026年06月28日 12時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 FIFAワールドカップ2026も、いよいよ決勝トーナメントがスタートする。ここから先は“ノックアウトステージ”、つまり一発勝負の勝ち抜き戦だ。選手もサポーターも気の抜けない戦いが続く。

 ところでこの2週間、グループステージの試合をスクリーンで観戦してきたサッカーファンの皆さんは、もうお気づきだろうか。今回のワールドカップではVARが強化されており、リプレー映像には選手そっくりの3Dアバターが用いられている(上の画像)。これを使って、カメラが捉えられなかった角度からのリプレー映像を視聴者に見せているのだ。

 48チーム、約1250人分の3Dアバターを作成するために、FIFAとLenovoは今回、すべての選手の3Dスキャンを実施した。その裏側を見てみたい。

256台の4Kカメラで選手の全身を撮影、「ミリメートル」精度の3Dアバターを生成

 選手の3Dスキャンが行われたのは、ワールドカップの初戦が始まる前のこと。FIFAとLenovoが、3Dスキャン用ブースを持って48チームのベースキャンプを巡回し、約1250人の全選手をスキャンした。

 十二角形の3Dスキャン用ブースには、中央に立つ選手を取り囲むかたちで256台の4Kカメラが配置されており、すべてのカメラが同期して一斉に撮影を行う。そのため、撮影自体は選手1人あたりわずか1秒で終わる。

3Dスキャンブースの構造図。合計256台の4Kカメラが選手を取り囲むように設置され、全身を一瞬でスキャン(撮影)する

カメラは柱の上段/中段/下段に内蔵。さらに、身体に影ができないよう照明も内蔵している

撮影した256枚の画像を合成して3Dアバターを作成する

 筆者も4月、記者説明会の場でこの撮影を体験することができた。ブースの中央に立って両手を広げ、目線はやや上にして指定されたポイントを見るだけだ。ブースは組み立て式の簡易なものだが、選手がいる場所に持ち込んで3Dスキャンを行うためには、こうしたフットワークの良さが必要なのだという。

 256台のカメラが撮影した高精細画像は、Lenovoが開発したシステムに取り込まれ、3Dアバターへと変換される。この3Dスキャンの精度は「ミリメートル単位」に達するという。

筆者も3Dアバター化してもらった。撮影は一瞬でも、アバターはとてもリアルだ

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    実用化が楽しみすぎるスマート技術たち 「長距離ワイヤレス給電」から「室内向け太陽電池」「超音波センサー」まで

  2. 2位

    ITトピック

    IT技術者の約半数が「AIの進化で転職を意識」/これから起きるのは「SaaSの死ではなく変容」/バックアップ市場は堅調に成長、ほか

  3. 3位

    sponsored

    AIインフラ市場“一強体制”を崩せるか AMDが「Helios」で体現するオープン戦略とフィジカルAIのラストマイル

  4. 4位

    デジタル

    kintone MCP Server とは?現在提供されている3つの選択肢をフラットに比較

  5. 5位

    データセンター

    IOWNによるGPU分散インフラ「GPU over APN」実証環境を開放 NTTドコビジが全国8拠点をつなぎ提供

  6. 6位

    デジタル

    買い切り型クラウド「pCloud」がDX総合EXPOへ CEO来日で日本展開を加速

  7. 7位

    sponsored

    「IT機器が高すぎる」「熟練メンバー不在で分からない」… 情シスさんの“現場の悩み”をエンジニア3人に聞いてみた

  8. 8位

    Team Leaders

    「SaaSの死」現場の8割が実感も、半数が“年間10%以上成長”と危機感先行

  9. 9位

    Team Leaders

    AIエージェントが顧客対応から“恋愛相談”まで マッチングアプリwithのCSを変えたチャネルトーク

  10. 10位

    クラウド

    顧客企業のビジネスを動かす「基幹系AI」を実現する 日本オラクルの2027年度戦略

集計期間:
2026年07月11日~2026年07月17日
  • 角川アスキー総合研究所