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<セミナーレポート>AI時代における「人的資本経営」とは トイトイ合同会社 代表 永島氏が語る、経営・人事・管理職が結ぶ新しい関係性

PR TIMES

ミイダス株式会社
「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループのミイダス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:後藤 喜悦、以下「当社」)は、2026年3月18日(水)に「人的資本経営×AI時代の組織変革」をテーマにトイトイ合同会社 代表 永島 寛之 氏をゲストにお迎えしたセミナーを開催しました。

登壇者(左):トイトイ合同会社 代表 永島 寛之 氏

▼セミナー概要
本セミナーは、トイトイ合同会社 代表 永島 寛之 氏をゲストに迎え、「AI時代における人的資本経営~経営・人事・管理職が結ぶ新しい関係性~」をテーマに開催しました。人的資本経営の重要性が高まる一方で、実践に悩む企業も多い中、経営と現場の視点からその本質を紐解き、3者(経営・人事・管理職)の連携のあり方を探りました。さらに、海外の最新動向も交えながら、AIを単なる効率化ではなく、人や組織の能力を拡張し、付加価値を生む存在としてどう活用すべきかについて解説しました。

▼登壇者


トイトイ合同会社 代表
永島 寛之 氏
「美しい問いが溢れる組織づくり」をミッションに、トイトイ合同会社を設立。経営者の経営課題に連動した人事戦略、組織設計、人材育成の構築を支援。「組織変革100本ノック」や「部長100本ノック」等の「問い」をベースとしたコーチングセッションが好評。創業前は、ソニーで海外マーケティングに従事。米国駐在を経て、ニトリ入社。2年間の店長経験後、似鳥昭雄会長の元で人事責任者として、組織変革を指揮。その後はレノバにて執行役員 / CHRO。



<開催概要>
日程:2026年3月18日(水)19:00~21:00(開場は18:30~)
会場:FabCafe Tokyo(住所:渋谷区道玄坂1丁目22−7 道玄坂ピア 1F)
参加費:無料

導入:「戦略人事」から「人的資本」、そして「マネージャーテック」へ            

近年、HRテクノロジーの位置づけは大きく変化しています。従来は、人事業務の効率化や高度化といった、人事機能そのものを支援する役割が中心でした。しかし現在は、その重心が徐々に変わりつつあります。

具体的には、テクノロジーが直接人事を支援するのではなく、現場の管理職によるマネジメントを支援する方向へとシフトしています。管理職が日々の意思決定や部下マネジメントをテクノロジーによって補完する一方で、人事はダッシュボードなどを通じて全体を俯瞰し、人が介在すべき領域に注力する。そのような役割分担が現実のものとなりつつあります。

この流れを大きく捉えると、「戦略人事」「人的資本経営」といった概念の延長線上に、「マネージャーテック」という新たなフェーズが立ち上がってきていると言えるでしょう。

本セミナーは、この変化の潮流を踏まえながら、これからの人事の役割がどのように変わっていくのかについて、順を追って紐解いていきます。



1. 人的資本経営とは何か(言葉の再定義

AIは人を置き換えるためではなく、人の能力を拡張するために使うべき
セミナー冒頭では、「AI」と「人的資本経営」の共通点として、どちらも人の能力を拡張するためのものだと整理されました。これまでのDXやAI活用は、業務削減や効率化など「代替」に寄りがちだった一方で、これからは挑戦や自発的な行動、学習、関係性の構築、意味づけといった付加価値を生む仕事に、人が集中できるようにすることが重要だと指摘しました。

また、「人的資本」とは、社員個人が有する能力、スキル、知識、経験であり、これが企業の経済的成果に直結するものとして捉えることが重要です。そして、「人的資本経営」とは、単なる開示対応や流行語ではなく、人的資本投資により人的資本を最大化し、中長期的に企業価値の向上を目指す経営手法であると説明されました。

そのうえで、必要なスキルを見極めて投資すること、そしてその力を発揮できる環境を整えることの重要性に言及。人的資本経営の目的は、見栄えのよい開示ではなく、人の成長が事業成長につながる「価値創造ストーリー」を描くことにあると述べました。


「人的資本」とは何か?3つのポイント

「人的資本経営」とは何か?(一般的解釈)

2. AI時代の衝撃~AIエージェントと組織変革~                      

海外に見る人材マネジメントの進化──ジョブからスキルへ、そしてAI活用の深化
海外の動向に目を向けると、人材マネジメントはすでに「ジョブ(職務)」から「スキル」を基軸とした考え方へと移行し始めています。アメリカ・ラスベガスのHRテックカンファレンスでも、ポジションありきではなく、個人のスキルや能力を起点に、どこで価値を発揮できるのかを捉える重要性が強調されました。

特に象徴的なのが、インターナルモビリティ(社内異動・育成)の高度化です。従来は経験や勘に





頼る部分が大きかった配置転換が、AIによるスキルの可視化によって「根拠ある意思決定」へと進化しつつあります。これにより、異動や配置に対する納得感が高まり、組織としても柔軟かつ戦略的な人材活用が可能になっているといいます。

また、AI活用のフェーズも変化しています。これまでは業務の効率化や自動化といった「代替」が中心でしたが、現在は「どの業務を人が担い、どの業務をAIに任せるのか」を見極める段階に入っています。なかでもAIエージェントは、複数のデータを横断的に取得・分析し、自律的に判断や提案を行う存在として、人材マネジメントや組織運営の在り方を変えつつあります。

一方で、その活用には前提条件があり、明確なゴール設定、質の高いデータの蓄積、そして部門を横断した情報連携が不可欠であり、これらが整わなければAIは十分に機能しません。

さらに、従来のジョブディスクリプション(職務記述書)を基軸とした管理に代わり、プロジェクト単位での役割や活動ログをもとに、AIが「その人がどのようなスキルを発揮できるのか」を推論する考え
方も広がっています。スキルを媒介とした配置や報酬設計など、いわゆる「スキルテック」の活用も進み、人材マネジメントはより動的でデータドリブンなものへと進化しています。

永島氏は、今後は「代替」ではなく「拡張」を前提に、人とAIの役割を再定義していくことが、組織変革の鍵になると述べました。




人とAIの役割りの再定義:代替ではなく「拡張」へ

3. 経営・人事・管理職が結ぶ新しい関係性                         

AI時代において人事や現場に求められるのは、「当事者意識」と「観察する力」


AI時代において、人間の役割がなくなるのではなく、むしろ人にしかできない役割がより重要になると述べました。その中核にあるのが、仕事の意味を捉える「当事者意識」と、現場の変化や違和感を捉える「観察力」です。

分析や判断はAIでも担えるようになる中で、何を



問題として捉え、何を目指すべきかを見極めるのは人間の役割です。当事者意識とは、単なる責任感や積極性ではなく、今、何が起きているのか(状況理解)、この状況で何をすべきか(役割理解)、組織はどこに向かっているのか(全体理解)を踏まえ、自らの役割を捉え続けることにあります。与えられた業務をこなすのではなく、「何のための仕事か」「どの価値に貢献しているのか」を問い続ける姿勢が求められます。
一方で、観察力も不可欠です。AIはデータから最適な選択肢を提示できますが、現場の変化や違和感を捉え、その意味を見出すことは人にしかできません。観察力とは、数値に表れない兆しや空気感を捉え、そこから課題を見出し、問いを立てる力です。

つまり、当事者意識が「問いを持つ姿勢」、観察力が「問いを見つける力」であり、この二つが組み合わさることで、AI時代における人の価値が発揮されます。

こうした変化は、時代の流れのなかで「人事の在り方の進化」とも深く関係しています。(右図参照)

この流れの中で、人事には従来の制度運用に加え、現場の管理職を支援しながら、経営と現場を




時代における「人事の在り方の進化」

つなぎ、人材の配置・育成を担う役割が求められます。マネージャーテックの進化により、AIが管理職の意思決定を補完し、人事は全体を俯瞰しながら必要な場面で関与する形へと変化していきます。

また、AIエージェントやスキルテックの進化によって、これまで分断されがちだった経営と現場の関係も補完されつつあり、人事の役割の実現可能性は高まっています。

このような変化の中で、「人事とは何を担う存在なのか」という問い自体が改めて問われています。今後は、AIが人の業務を代替するのではなく、人の意思決定や可能性を拡張する存在として機能する中で、人事・管理職・経営がそれぞれの役割を再定義しながら、組織全体の価値創造を高めていくことが求められます。

▼明日からのはじめやすいアクションプラン「人的資本経営ゲーム」
永島氏より、はじめやすいアクションプランの1つとして、ミイダスが提案する「人的資本経営ゲーム」(