なぜPUACL2026は“過去最大の盛り上がり”なのか? 公式キャスター篠原光さん・Refuさんに聞いた本音
一般のプレイヤーが1ヵ月で体感することが
プロの戦いでは一つのゲームごとに展開していく
——Day4からDay5にかけて、マップやがくしゅうそうちの仕様が変更されたことで*2、戦い方が大きく変わりました。Day4では近接ポケモンが優勢かと思われましたが、Day5ではその傾向が一周し、変化が見られた印象です。現時点での環境の変化について、どのように分析されていますか。
*2 :味方と一緒に野生ポケモンをKOした場合の経験値分配のルールが変更になったことにともない、「がくしゅうそうち」の野生ポケモンや相手ポケモンのKOによる経験値分配がなくなった
Refu 篠原さん、好きなだけしゃべってもらっていいですよ(笑)。僕はいっぱいあります。
篠原 じゃあ、手札が少ない自分から(笑)。環境の変化で言うと、もう本当におっしゃる通りで。マップが変わった、がくしゅうそうちの仕様が変わったという大きい変化がある。ただ、結局、アップデート直後はどうなるかは想像がつかないじゃないですか。
実況陣が注目するポイントって、半分は観戦目線というか、「コメント欄と心を重ね合わせながらやりたい」「新しい戦術に驚きたい」というところがあったんですよ。
フタを開けてみたDay4からDay5で、一番見ているのが「1週間でどう変わるか」というところなんですけど。そうしたら、まずDay4で遠距離アタッカーが強くなって、その次のDay5では遠距離アタッカー対策のポケモンたちもすでに出始めているなという印象がある。
目の前で、一般のプレイヤーが1ヵ月ぐらいで体感するような環境の変化が、一ゲームごとに出ててるなというのをひしひしと感じました、あと、くさむらがめっちゃ楽しいですね*3。
*3 :カイオーガマップは、Day3までの環境(いわゆる「グラードンマップ」)より、ポケモンが隠れられるくさむらが多い
Refu そうですね。小さいくさむらにぎゅっと入って。わかりやすいですからね、何かが起きそうという。
篠原 そうそうそう。四畳半を3人でルームシェアしてるみたいな(笑)。そういうところが結構見られるようになったのが、観戦面ではだいぶ盛り上がるなと。
練習で辿り着かない領域が
試合中で生まれることがある
Refu 自分としては、まず環境が変わったというところで、いろいろ選手が考えてるなと感じる部分はありました。その上で、やっぱり知識量というのがあるチーム、手札が多いチームがすごく有利になってるなというイメージがあって。
わかりやすかったのが、Day4のときに、DetonatioN FocusMeが相手のポケモンを捕まえるのが得意な編成をやった。そうしたら、対策として、妨害耐性、妨害を無効化するような技を持ったポケモンたちを一気に集めてきたチームが出るとか。
普段なら、ギャラドスが使うのは「たきのぼり」ばっかりじゃないですか。でも、「あ、妨害が多いから『とびはねる』にしよう」とか*4、妨害耐性をつけるとか。その他の例でいえば、INSOMNIAがパーモットで「サンダーダイブ」を選んだ*5、みたいな戦略を取ったのも印象的で。
*4 :「とびはねる」は力を溜めて、指定した場所に飛びかかって攻撃する。溜めている間は妨害無効状態になる
*5 :「サンダーダイブ」は指定した範囲に体を帯電させて飛びかかり、相手のポケモンにダメージと減速効果を与える。強化・チャージ中に妨害無効状態になる
「これに対してはこれが出せるな」という手札を多く持ってるチーム、ポケモンユナイトを本当に好きでずっとやってきたチームがすごく有利になってるなあと、Day4の前半で思っていたんです。その上で、最後の方で急にラプラスが出てきた。
篠原 はいはい。
Refu 多分、相手のラプラスが思ったより嫌だから、取り上げる意味でドラフトで選択したんですよ。そうしたチームが、「あれ、ラプラス、思ったより強くない?」みたいなことを、確かボイスチャットで言ってたなと。選手が準備で辿り着いていない領域が、試合中で急に生まれている。
それって、要はどこかのチームが気づいて出してきたものを、その場で見て、その瞬間に吸収したわけじゃないですか。
篠原 すごいなあ……。
Refu それが今後も、なんなら今この瞬間も続いてると思うと……。だから、本当にDay6、Day7と行くにつれて、そのギュギュッとなったすごいところが見れると思うと楽しみですね。もっともっと、激しく難しく楽しくなっていくと思います。
実況は「言語化する」、解説は「プレイの理由に気付く」
——自分はお2人ほどの知識はありませんが、リーグが進むごとに戦い方が刻々と変化していく様子は、肌で感じるところで。Day4〜Day5の変化を踏まえると、Day6以降やプレイオフに向けてPUACL2026 FINALSに向けて選手たちのさらなる進化が期待できるというか、ワクワクするんですよね。
グループステージ日程はこのようになっています
篠原 それって、結構大事な実況ポイントなんです。そういうところは、ライト層はすぐには気づかないんですけど、言語化するとわかるんですよ。そこを伝えることで全員のスタートラインが同じになって、ドラフト選択から楽しめるようにしなきゃいけないなというのが僕らの仕事だと思っています。
Refu ピックやプレイの理由とかは、解説がやっぱり気づかないといけないんで。なんでこうなったかをわかった上でやれると、伝えていても楽しいですよね。
篠原 目の前で起きている、スーパープレイ以上の超人プレイというか、シンプルに「選手ってものすごい人たちなんだよ」というのを伝えるのが実況と解説の時間だと思っているんです。心理戦の面でも、それを伝えられるといいですよね。
Refu ドラフトに関しては……Day5も、ZETA DIVISIONのVitoppo選手のゾロアーク、出ましたからね*6。
*6 :Day5で、ZETA DIVISIONのVitoppo選手が得意なポケモンとして知られるゾロアークをピック。ZETA DIVISIONが勝ち星に恵まれない試合が続いていた中、「得意のポケモンを積極的にピックし、状況を打開する」意志を感じるような姿勢に、視聴者だけでなくキャスター陣も盛り上がった
篠原 めっちゃ良かったよ。熱かった。泣ける。
Refu “泣ける”ゾロアーク。ただあれは、キュワワーを禁止されると、明確に終わってしまうという戦術でもあって……*7。相手も当たり前のようにドラフトでピックを禁止しますよね、プロなんで。1試合ですぐ気づいて、もうそこから先はやらせない。
*7 :ゾロアークの高い攻撃力と機動力を、キュワワーの回復・シールドが補うことで、前線での生存率とキル能力が向上する戦術のため、キュワワーをピックできないとゾロアークの耐久性の弱さをカバーできなくなってしまう
篠原 対戦相手のENTER FORCE.36も、さすがでしたね。
Refu 二度と同じことはさせない。あの1試合だけでもね、プロの心理戦がわかるという……。面白かった。




