キャスターだから語れる“熱いユナイトの裏側”に迫る
公式キャスター視点で見るPUACL2026 水上侑×ここあったが語るユナイトの熱気、そして“注目チームと選手”
Day3以降の展開はどうなる?
——今後の話も聞きたいです。たとえば、Day3がどうなるか、とか……。
水上 現状(※インタビュー収録は11月30日)、ダダリン以外の話はできないと思いますよ(笑)。そもそもどんなアップデートが入るかもわからないので。
ここあった さっきも、水上さんと「ダダリンは大会の環境でも相当強いんじゃないか」と話していました。このインタビューが記事として公開される頃には、どうなっているかわからないですけどね。
——開幕のDay1から次戦のDay2までは1週間しか空いていなかったので、大きなメタの変化というよりは、チームごとの細かい修正がメインになったのかなと思うんです。しかし、ここから2週間後のDay3では、チームの組み立て自体が変わってくるのかなと……。ここあったさんはPUACL2025での戦いを経験されていますが、ポケモンユナイトのリーグ戦において2週間という期間は長いんでしょうか?
ここあった 個人的には……短いです(笑)。ただ、試合が7日間あるグループリーグ全体では、比較的長めの合間ではあるのかな。
グループステージ日程はこのようになっています
水上 「リーグ全体のスケジュール的には長めの期間だが、一つの環境に適応する時間としては短い」というのが2週間という数字なのかなと。
大会が始まる前、この環境でDay1が始まるということがみんなわかっていて、1週間空いて同じ環境のDay2ですよね。ということは、このDay2までの環境は、おそらく一番練習時間があった環境になると思うんですよ。
リーグが始まる前から、しっかりチームとして自分たちの戦い方や得意な形を持ってこれたのが、このDay1〜Day2環境だと思います。
ただ、ここからはゲームのアップデートに付き合っていく時間になっていきます。リーグ内で他チームの戦力も研究しつつ、どれだけアップデートの環境に対応できるかという戦いになってくる。戦いの質が長期リーグならではのものに変わっていく……そこのきっかけになるのがDay3だと思うので、そういう部分の変化は楽しみですね。
「聞きづらい実況をしないことが大事」(水上さん)
「わかりやすい表現で解説する」(ここあったさん)
——最後になりますが、実況・解説として意識していることや気を付けていることがあれば、教えていただきたいです。
ここあった 水上さんはともかく、自分は気をつけることがたくさんあるんですけども……(笑)。
水上 いやいや、僕もありますよ(笑)。まず実況そのものに関していえば、どんな時も共通しているのは、解説とセリフを被らせないことが一番。セリフが被らなければ聞きやすいと思っています。
というのも、聞きづらい実況をしないことが、視聴率の継続に繋がると思っているんです。観ている人にできるだけ観続けてもらうのも実況の役割の一つだと思っていますし、「実況が聞きづらいから配信を閉じる」みたいなことは極力避けなければいけません。
その聞きづらさの最たるものが、実況と解説が同時にしゃべっていて、何を言っているかわからない状態だと考えています。
水上さんが実況で意識しているのは「解説とセリフを被らせないこと」だという
——PUACL2026には、他にもキャスターさんが多数参加していらっしゃいます。その中で、自分なりの“個性”を出すといいますか、ご自身にできるポイントとして意識することはありますか?
水上 ポケモンユナイト公式大会の実況解説チームは比較的同じメンバーで続いているのですが、その中でも“ポケモンの世界観”を踏まえて実況をすることが自分の役割というか。今のメンバーの中で自分ができることだと思っています。
ポケモンユナイトは「ポケモン」の世界が好きな方もたくさん観てくれているので、プレイヤーがキャラクターを操作するのではなく、選手とポケモンが一緒に戦っている。ゲームの世界であるとはいっても、“実際に人とポケモンが力を合わせて戦っているような世界”を感じてもらえたらいいなというのが、いつも考えていることではありますね。
——ここあったさんはいかがでしょう。
ここあった 私は、他の解説の方と比べると、まだキャリアが浅いので……。自分にできることを考えると、やはり競技者の目線ですよね。細かい操作の部分だったり、戦術の部分だったりという“深いところ”を理解して、それをわかりやすく伝えられるかだと思うので。そのために、なるべく専門用語を使わない、わかりやすい表現で解説することを努力しています。
競技者の目線を保ちながら、わかりやすい言葉選びを意識しているというここあったさん。筆者の細かい質問にもしっかり答えてくださったのが印象的だった
水上 僕は、先ほど話した“ポケモンの世界観”の部分を保って、ゲームの深い戦略や選手のレベルが高いやり取りなど、ポケモンユナイトのコアの部分をお伝えできたらいいなというのはずっと考えていました。
それと同時に、PUACL2026は運営全体から選手のことをとにかく知ってもらおうという動きがすごく活発だと感じていて、そこも大事にしていきたい。今後、ポケモンユナイトがもっと盛り上がっていくためには、選手に人気が出ることもすごく必要だと思っています。
ただ、それをどう自分の活動に落とし込むか……。noteに記事を書くとか、外部的な発信はやってはいます。出場チームについて書いたり、各チームの戦績みたいなのを詳しく使用ポケモンまでまとめてみたりとかで、後から見る人でも追いつきやすいような工夫をしていますね。
それでは、実況のスタイルの部分で、PUACL2026のテーマにどう合わせていこうかというのは……どうしましょうね(笑)。
優しく理知的な口調と、フランクな人柄の両立が魅力的だった水上さん
ここあった 水上さんの“ポケモンユナイトならでは”という魅力を伝える実況は好きですよ、自分は。
水上 ありがとう(笑)。その点を好きでいてもらっているという実感は配信のコメント欄などでも理解していますので、その強みを削るつもりはもちろんないんですよ。その上で、選手の魅力をもっと伝えたいという思いもあるので。そこをどう落とし込んでどう実況していくべきか……ということを、僕も探っている最中です。

PUACL2026、実況解説のお二方から直接お話をうかがうことができました。チーム数が8から12へ増え、新規参入チームを含め、全チームがプロとして遜色ない実力で戦い合っていることは、ファンとしても胸が熱くなる状況です。
我々アスキーも、リーグの最前線で戦う選手たちと、その魅力を伝える実況・解説の方々の姿を、正確に、魅力的に伝える役割を担っています。
今後もPUACL2026のさらなる盛り上がりとともに、進化し続ける競技シーンの面白さを、みなさんにわかりやすくお届けできるよう、試行錯誤を続けます。激戦が続くPUACL2026に、引き続きご注目ください!
