キャスターだから語れる“熱いユナイトの裏側”に迫る
公式キャスター視点で見るPUACL2026 水上侑×ここあったが語るユナイトの熱気、そして“注目チームと選手”

世界各地域の代表チームが頂点を競い合う、ポケモンユナイトの公式国際大会。その舞台を彩る存在として欠かせないのが、試合の緊張感や流れを言葉で伝えるキャスター陣です。
ポケモンユナイトのアジア王者を決める大会、「Pokémon UNITE Asia Champions League 2026(以下、PUACL2026)」。この大会においても、選手のプレイを的確に捉え、大会ならではの空気感を視聴者へ届けるキャスターとして、水上侑さんとここあったさんがマイクを握りました。
11月23日に開幕した「PUACL2026」。現時点でDay3まで終了しています
水上さんは、さまざまなゲームのジャンルに精通しているeスポーツキャスターで、ポケモンユナイトの大会の実況も多数経験。ここあったさんは、eスポーツプロチームのZETA DIVISIONで、ポケモンユナイト部門で活躍してきたプロプレイヤー。
これまで国内大会から国際シーンまで幅広く携わり、競技シーンの成長を間近で見てきたお二人。大会の印象や、活躍している選手の姿をどう感じているのでしょう。視聴者の視点に寄り添いながら、どんな意図を持って実況・解説をしているのかも気になるところ。
公式生配信では実況と解説があるため、ゲームをよく知らない人にもポケモンユナイトの魅力が伝わりやすくなっている
今回はPUACL2026のDay2終了直後(11月30日)のタイミングで、水上侑さんとここあったさんにお話をうかがいました(※Day2終了時点でインタビューが実施されたため、Day3以降の出来事について触れられていない点についてご了承ください)。
競技としてのポケモンユナイトの現在地、そしてキャスターとして大切にしていること。2人の言葉から、舞台裏で積み重ねられている工夫や思いが見えてきます。
水上侑さん

eスポーツキャスター。現在はGLOE所属。主に格闘ゲームをきっかけに実況活動を開始し、2018年に「プロeスポーツキャスター」として本格参入。実況可能なジャンルは非常に幅広く、格ゲー、パズル、レースゲームなど多岐にわたる。国内外のeスポーツ大会の実況/MCを多数担当。
ここあったさん

ZETA DIVISIONのポケモンユナイト部門設立時(2024年6月)から所属していたプロプレイヤー。チームのリーダーとして戦略の中心を担い、数々の大会で活躍。「Pokémon UNITE Asia Champions League 2025」(PUACL2025)における日本リーグでの優勝にも大きく貢献した。2025年5月に、ZETA DIVISIONを契約終了に伴い脱退。現在はポケモンユナイトの大会での解説も担当する。
ゲームの盛り上がりとリーグ規模の拡大に
プレイヤーレベルの向上が追いついていた
——PUACL2026がいよいよ開幕しました。まず、お二人が、視聴者の反応や試合の盛り上がり、あるいはファンの熱気を感じた点はどのあたりでしょうか。
水上侑さん(以下、水上) 今回のPUACL2026は、選手をフォーカスしようという動きが大会運営チームでも1つのテーマになっていると感じています。試合前に出るインタビュー動画などもそうですし、PVも各チームのリーダーを映して、スタイリッシュに仕上がっていますよね。
そういったところへの反応や、Xの投稿のインプレッションなどが、僕がイメージしていたこれまでのポケモンユナイトに対するものよりも大きくなっていると感じています。
——水上さんはキャスターとして関わるだけでなく、noteにPUACL2026に参加したチームや先週紹介の記事を投稿されていますよね。
水上 その記事も公開して1週間くらいしか経っていないんですが、閲覧数が「前回のPUACLの際に書いた記事の総合閲覧数」よりも多いんですよ。一つ一つのメディアに対する反応が大きいというところが、明確に数字に現れている。そこは前回よりもさらに盛り上がっている点だと感じています。
noteへの記事投稿など、キャスター以外の活動でもポケモンユナイトを盛り上げることに余念がない水上さん
ここあったさん(以下、ここあった) 自分の感想ですと、そもそも参加チームが12チームまで増えたので、その時点でまず盛り上がっているなと感じました。
プロチームが8チームから12チームへ増えるのはすごいことなんですよ。1チームに6人の選手がいるわけですし、それだけで規模が広がっていることになります。何より、12チームでやった方が絶対に面白い。大会自体が面白くなっているというワクワクがあります。
前回のPUACL2025に出場経験を持つここあったさんは、「12チームでやった方が絶対に面白い」と断言
水上 ゲームシーンの話になると、ポケモンユナイトは前回同様にプロリーグが開催されるだけではなく、大会の出場者が増えたんですよね。まさか参加チームが増えるとは思いませんでした。
今回のPUACL2026 FINALの会場も横浜BUNTAIなので、お客さんのキャパシティという点でも、PUACL2025 FINALの会場(新宿住友ビル 三角広場)と比較してほぼ倍ぐらいの数に増えています。
PUACL2026の決勝大会である「PUACL2026 FINALS」は2026年3月28日(土)・29日(日)の2日間、神奈川県横浜市の大型イベントホール「横浜BUNTAI」で開催
ここあった いろいろな数字がどんどん大きくなっていくのがすごいですよね。
水上 ポケモンユナイトは、すべての数字が本当に増えてきているゲームだと思っていましたが、その流れがプロリーグにもあるというのが驚きでした。
数字という点でいえば、PUACL2025の時点で、今後チームが増えるとして、PUACL2025に参加した選手たちと渡り合えるプレイヤーが後どれだけいるのだろう……という懸念が正直あったんです。
競技シーンの最前線で戦い続けるというのは本当に大変なことですから、チームを作るにしても、誰でもよいという話にはなりません。1チームにリザーブを含めたら6人と多くの人数が必要なゲームなので、これ以上は選手を揃えることも難しくなってくるのではないか、と思っていました。
しかし、今年は新しく増えた4チームも含めて、12チーム全員が肩を並べて、プロの名を背負って競い合っている。まだDay2なので成績に差はあることを差し引いても、そのこと自体が、僕はすごいと思っています。
PUACL2026 日本リーグ 出場チーム1
PUACL2026 日本リーグ 出場チーム2
——単純に参加するプレイヤーの数が増えただけではなくて、高いレベルでしのぎを削る環境ができあがっていたと。
水上 界隈が盛り上がっている、大会の規模を広げよう、プロリーグの参加チーム数を増やそう……。そういったシーンの盛り上がりに対して、プレイヤーのレベルとモチベーションが追いついているというのが、本当に驚いたと同時に嬉しいポイントですね。
