対面接客の会話を専用端末で自動収集・解析・文字起こし、音声解析AIサービス「Phonoscape」提供開始
エッジAI開発プラットフォーム「Actcast」を提供するIdein株式会社は5月28日に、音声解析AIサービス「Phonoscape(フォノスケープ)」の提供開始を発表した。専用端末を用いて対面接客の会話を自動で収集・解析・文字起こしすることで、接客現場のDXと顧客理解の深化をデータで支援するという。
「Phonoscape」は、対面接客の現場の会話をマイクとAIボックスを使って自動で記録・解析・文字起こしをするサービス。最大の特徴は、従来の音声認識技術では困難な騒々しい環境でもクリアな音声を全自動で録音するだけでなく、対面するスタッフと顧客の声を分離して記録できるという点。リアルな接客現場において、顧客の生の声をオペレーションレスでデータ化することで、カスハラ対策や業務報告の効率化をはじめとして、営業ナレッジの社内共有や顧客との会話内容の分析による潜在ニーズの発見およびマーケティング施策の実施など、売り上げ向上に向けた取り組みにつなげられるとしている。
「話者分離/ノイズキャンセル」の機能は、Idein独自のノウハウによって会話の方向を検知し、カウンターを挟んで座るスタッフと顧客の声を分離して記録。周囲の雑音も自動で除去し、会話のみを高品質に録音するという。
「全自動録音」の機能は、エッジデバイス上で「発話認識」のAI処理を行うことで、人間の会話音声を識別して録音の開始・停止を全自動で実行。従業員が録音操作を行う必要がなく、コンセントにつなぐだけで利用できるとのこと。
「自動文字起こし」は、OpenAIの音声認識モデル「Whisper」を活用し、録音データを全自動でテキスト化。従業員が接客終了後に顧客とのやり取りを記録・レポートする手間を減らすほか、接客内容の振り返りや社内共有を容易にすることが期待される。
また、同社が提供するエッジAI開発プラットフォーム「Actcast」上で動作しており、大規模の運用でも安定して動作するとのこと。大企業の厳しいセキュリティ要件をクリアする機能が備わっており、個人情報保護に配慮した運用を実現するとしている。