FingerVision、月額で利用可能なRobot as a Serviceプラン開始 食品業界のロボット導入ハードルを下げる
触覚センシング技術を開発する株式会社FingerVisionは、食品盛付工程や調理工程を自動化するロボットシステムを月額25万円からで導入できる新プランの開始を6月2日に発表した。ロボットシステム導入の初期費用を抑えることで、これまで導入の検証や決定に踏み切れなかった企業に、「まずは使ってみる」ことを後押しするという。
同社によると、省人化・自動化のニーズが高い食品業界ではロボットの利活用に期待が寄せられているが、導入の意思決定までには複数のハードルがあるという。一般財団法人日本惣菜協会の会員(約300社)向けに行われた調査結果によると、ロボット導入に向けたハードルの上位は、「導入コスト、運用コストが高い」、「多種多様な具材対応が難しい、メニュー変更への対応が難しい(そうに思える)」、「技術的に必要十分な運用体制の構築が難しい」の3つに集約されるそうだ。この結果は、ロボットの導入が進まない主な理由は、ロボットの基本性能(生産能力、精度、耐久性など)以外のところにあることを意味するとしている。
こうした「食品業界におけるロボット利活用」のハードルを打破すべく、今回FingerVisionでは、「使った分だけ支払が発生するサービス」形態のプラン(RaaS:Robot as a Service)をリリースしたという。
同プランの対象となるのは、現時点で大きく2種類のロボット――弁当や惣菜の食材盛付を行う「おかず盛付ロボット」と、高温環境下でのフライヤーへの連続投入を行う「フライ投入ロボット」。おかず盛付とフライ投入のそれぞれの工程を、1台ロボットで「二刀流」使いすることも可能だという。
プランの特徴は大きく3つ。価格は月額25万円から利用可能で、初期費用ゼロ、保守/サポート費用・消耗品費用原則含むとのこと。検証(数カ月)からはじめて、効果を見極めてから本導入(1年~)に切り替えることができ、その後、ロボットの買い取りオプションもあるという。
多品種ハンドリングも特徴で、食材に合わせてロボットの指先だけワンタッチ交換(複数の指先形状を選択可能)、ロボット導入後にメニュー改変に伴う新しい食材追加が可能(仕様変更・追加費用なし)とのこと。容器や盛付場所などの変更も随時可能だという。
また、タッチパネルでロボットを簡易に操作でき、洗浄・清掃も簡単に行えるとのこと。可動式ロボットであるため生産計画に合わせた設置・移動が可能で、新しい食材の追加や容器変更時の運用サポートも行うという。