人が立ち入れない過酷な環境下で重量物を運搬 AI搭載四足歩行ロボット「HLQ Pro」ベータ版提供開始
株式会社Highlandersは5月12日に、総重量約60kgの四足歩行ロボット「HLQ Pro(エイチエルキュープロ)」のベータ版提供を開始した。人が立ち入れないような危険な不整地で、消火器や化学剤検知器などの重量機材を運搬できるという。
同製品は、独自設計のフレーム構造と高出力アクチュエータにより、大型の機材を搭載したまま不整地や段差の多い地形を踏破できるというAI制御ロボット。人に代わって危険な場所に入り、消火用機材や有害環境で使用する化学剤検知器などを運搬することを想定。緊急対応や産業現場における人的リスクの削減に寄与するとしてる。また、防塵防滴仕様のボディと最大4時間稼働のバッテリーによって、屋外の過酷な環境下においても長時間の運用が可能とのこと。今回の「HLQ Pro」ベータ版は国内の消防・防災機関 や化学プラント事業者、インフラ企業などを中心に提供を開始し、正式版は2026年内のリリースを目指しているという。
主な特徴は、踏破性と機動力。四足歩行によるバランス制御と歩行能力によって、砂利や瓦礫、傾斜地などの不整地や段差も安定して移動するという。従来の車輪型ロボットでは進入できない狭隘な空間や荒地でも確実に踏破するとのこと。強化学習を活用したAI歩行制御アルゴリズムを搭載しており、障害物や地形の変化をセンサーで検知し、リアルタイムに歩行パターンを最適化。人間の操作が届かないエリアでも、事前に指示したルートに従って自律移動が可能で、遠隔監視下で任務を遂行するという。
また、本体フレームに堅牢なマウント部と給電ポートを多数備えており、消火器や化学剤検知器など数十kgの重量物を搭載可能。加えて、防塵・防滴(IP54相当)設計のボディにより、粉塵の舞う現場や雨天時の屋外でもスムーズな移動できるという。水しぶきやぬかるみにも耐え、過酷な環境下でも任務を遂行するとしている。
主な仕様として、寸法はスタンバイ状態でW440mm x D880mm x H570mm、起立状態でW440mm x D880mm x H980mm。質量は約60kg(保護服除く)、最大積載重量は20kg(左右均等加重であること)。駆動方式は電動アクチュエータ 12DoF、最高移動速度は2.5m/s、踏破性能は30cm段差、35 °傾斜。通信方式は無線LAN規格:IEEE 802.11 b/g/n (2.4GHz)、搭載センサーは障害物検知(LiDAR, 3Dカメラ)。