犯罪が70%減少!AI予測で凶悪犯罪の大半は未然に防げるらしい
最近は日本でも強盗犯罪が増加傾向にあるが、国際的にみると犯罪率は依然として低水準だ。一方、米国や南米の一部の都市では犯罪率が高く、繁華街でも一歩道を入ると犯罪に巻き込まれる恐れがある。ICTスタートアップリーグに採択されている株式会社Singular Perturbationsは、犯罪予測システム「Crime Nabi」を開発し、世界の犯罪抑止に取り組んでいる。
「Crime Nabi」は、過去の犯罪発生パターンや人口統計、土地利用データ、衛星画像などの膨大な情報を活用し、独自のアルゴリズムで犯罪予測を行う。これにより、防犯カメラの設置や重点的な警備のルートの策定が可能となり、警備リソースの最適な配置による犯罪抑止効果が期待される。すでに中南米の政府機関の警察組織や警備会社などに導入されており、特にブラジルのミナスジェライス州では、同システムの導入により犯罪率を69%減少させることに成功している。さらに、転移学習を用いて、犯罪情報の入手できないエリアについても犯罪発生リスクを予測できるのが同社の強みだ。
警察は被害に遭わなければ動いてくれないが、犯罪は未然に防げることに越したことはない。同社では現在、旅行代理店や保険会社向けに危険な時間帯やエリア情報を提供するサービスも開発中だ。防犯マップアプリとしてtoCサービス化されれば、海外旅行や出張に安心して出かけられそうだ。
文:スタートアップ研究部
ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、気になる取り組み、また成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みからそれらをピックアップしていく。
※ICTスタートアップリーグとは?
ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/