信じていいの?少ない言葉からAIが本音を生成
多様化が進む現代では、顧客データからニーズを正確に抽出するマーケティングは以前よりも難しくなっている。このような課題解決に向けて、令和5年度のICTスタートアップリーグに採択されたcurioph株式会社は、生成AIを活用して潜在的なニーズを引き出せるAIマーケティング支援ツール「POLLIS(ポールス)」を開発している。
企業のマーケティングでは、ユーザーの行動追跡やSNSのインタラクション、アンケートなどからデータを集めており、そのコストが負担になっている。また、これらのデータからは消費行動と潜在的な思考との関連性がつかみづらく、分析結果は単なる統計データに陥りやすい。「POLLIS」は、生成AIを用いてユーザーへの質問作成から分析までを自動化するサービス。アンケートから導き出される思考プロセスを生成AIが言語化して、価値観や概念といった「本音」を引き出せるという。
気になるのは、生成された「本音」の信ぴょう性の検証だ。アンケートへ答えた本人にとってその気がなくても、潜在的な心理と言われれば占いのようにそんな気がしてしまう。同社は現在、企業との実証実験を実施しているとのことだが、当たっているのかどうか、その成果に期待したい。
文:スタートアップ研究部
ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する成功哲学の研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、日本のスタートアップが成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みから成功哲学をピックアップしていく。
※ICTスタートアップリーグとは?
ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/