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新たな国内大型上場ユニコーン誕生。スキマバイト「タイミー」社長に聞いた「変わらないこと」

株式会社タイミー 代表取締役 小川嶺氏インタビュー

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 スキマバイトアプリの「タイミー」を運営する株式会社タイミーが7月26日に東京証券取引所のグロース市場にて新規上場した。初値ベースの時価総額は約1760億円にのぼり、国内スタートアップでは久々の大型上場ユニコーン企業となった。

 タイミーはワーカーの「働きたい時間」と企業の「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス。2018年のサービス開始から6年目での上場となっており、累計ワーカー数は770万人を突破。約9万8000社の企業に導入され、事業所数は全国25.4万拠点へと全国へと広がっている。株式会社タイミー代表取締役の小川嶺氏に、高い成長率をキープし続けるための戦略と創業から現在までの変化、そして今後の目標について話を伺った。

株式会社タイミー代表取締役 小川 嶺氏
1997年生まれ。2017年、大学2年生のときにアパレル関連事業を立ち上げるも1年で事業転換を決意。2018年にスキマバイトアプリ「タイミー」のサービスを開始。「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンのもとさまざまな業種・職種で手軽に働くことができるプラットフォームを目指す。

テレビCMでブランドを築き、地域に根付いたエリアマーケティングで高い稼働率をキープ

―― 今回の上場に至る中で、スタートアップとして事業が急成長したターニングポイントを教えてください。

小川氏:いくつかありますが、ひとつはテレビCMのタイミングの早さでしょうか。リリースして1年4カ月でCMを展開しています。そのために大型の資金調達を行いました。リリース直後に20億円を調達し、そのうちの4~5億円をCMにかける意思決定をしました。派手なプロモーションをしたことで一気に知名度が上がり、類似のスタートアップが追従しづらいブランドを確立できました。それ以降もナンバーワンのポジションを維持しています。

―― マーケティング戦略でタイミーが重視していることは?

小川氏:タイミーの難しさはBtoCのサービスであること。CtoCなら北海道と東京のユーザーがマッチングすることもできますが、タイミーの場合、案件がある場所にユーザーが必要なので、エリアマーケティングが重要になります。今はテレビCMよりも、営業のチューニングに力を入れており、全体のYouTube広告に加え、地域のお祭りへの協賛など地場に根付いたマーケティング活動を行っています。

―― 事業の拡大に応じて、細かくチューニングされているのですね。

小川氏:(ワーカーの)稼働率は広告宣伝だけですべてが解決するわけではありません。テレビCMを打てば、一時的に稼働率は上がりますが、すぐに下がります。なぜなら、求人が10件しかないのに、ワーカーが100人集まると多くの方をがっかりさせてしまう。また、新規が増えたことで、既存の方が働けなくなるのもよくありません。既存のワーカーさんが十分に働ける案件数を確保しつつ、新規を入れていくというバランスが大事です。例えば、月8回以上働いてくれるコアワーカーにしっかりと案件を届けるため、レコメンドエンジンやさまざまなキャンペーンを開発しています。

―― 競合他社との差別化についてお聞かせください。

小川氏:スキマバイトを導入する企業は、しっかり人材を集められるかどうかを第一に重視します。2つ目が人材の質、3つ目がサポートです。まず、多くの人材を集められるかについては、タイミーの現在の稼働率は88%と、他社の50~60%を大きく上回っています。稼働率にこだわるからこそ、働きぶりのいいワーカーさんを評価する仕組みも成立します。また、早期から全国に支社・営業所を設けて、現地に根づいたサポートができる体制を構築しています。

(画像:タイミー)

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