走行モードにはほかの911にない「ラリーモード」が!
中央に指針式タコメーターを配する5連メーターは、911のアイデンティティ。各種表示は日本語ローカライズされていました。右側はインフォメーションディスプレイになっており、ナビ画面まで表示できます。ただ、中央にないぶん、ちょっと見づらいかなとは思いました。
注目は変速タイミングや排気音、四輪駆動のトルク配分、そしてダンパーの減衰力調整などがプリセットされている走行モード切替。WET、NORMAL、SPORT、OFFROADはほかの911でも見かけますが、911 ダカールのみRALLYEモードが用意されています。
このラリーモード、なんと伝説のドイツ人ラリードライバーであるヴァルター(ワルター)・ロール氏がマシンのセットアップに携わったというから驚き。映画「RUSH」にもなったレーサー、ニキ・ラウダ氏をして「運転の天才」と言わしめたレジェンドが、たった2500台しか販売しないクルマのセットアップをしたというところに、このクルマが見かけ倒しのクルマでないことを物語ります。
ちなみにWET~SPORTまで、トルク配分はリアが中心ですが、ラリーは後ろにウェイトを置くものの、常に4WD。OFFROADになると50:50固定になるようです。
911 ダカールは2人乗り。もともと911の後席は成人男性が乗ることは不可能に近く、荷物置き場になりがちなので「大きな問題はない」と思いながら後席に荷物を置こうとしたところ、ロールケージに阻まれて荷物を置くことはできず。このロールケージ「ラリースポーツパッケージ」というオプションで、価格は52万4000円。
「ロールケージの隙間から入れよう」と思ったのですが、フルバケットシートの背もたれを前に倒すこともできないことから事実上困難。「だったらロールケージはイラナイなぁ」と思ったりもしますが、「でもあった方がカッコいい」と悩ましいお年頃。
ペダル周りはポルシェらしいポジション。もちろんオルガン式のアクセルペダルです。遊びはまったくなく、わずかな動きにも反応します。
インフォテインメントはほかのポルシェと同様。Apple CarPlayとAndroid Autoに対応します。ナビは見やすいといえば見やすいのですが、ルート検索はもう少し早いといいかなと。
画面下にはエキゾーストやサスペンションのセッティング変更などのボタンなどを配置。車高変更ボタンは、通常のポルシェならガソリンスタンドに入るときに使ったりしますが、このモデルなら不要かもしれません。
センターコンソールの幅は広く、そこにエアコン関係とシフトスイッチを配置。パーキングブレーキがドリンクホルダーの後ろにあり操作しづらいのですが、このクルマはPに入れれば自動でパーキングブレーキが入り、そしてDレンジにしてアクセルを踏めば解除してくれるので、Dレンジのまま停車するとき以外に使うことはないでしょう。
唯さんがクルマから降りようとしたら、フルバケットゆえに乗降性が悪くてちょっと大変そう。ちなみに大柄の筆者はさらに大変でした。ということで運転してみましょう。

この連載の記事
-
第590回
自動車
【アメ車ってどうよ?】キャデラック「XT4」は思いのほかスポーティーで楽しいクルマでした -
第589回
自動車
アイドルがレクサスLMの“アメイジング”後席体験! 家超えの超豪華空間に大興奮 -
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ -
第582回
自動車
BMW「X2 M35i」はカジュアルさとBMWらしさが高次元にバランスした日本にピッタリなSUV -
第581回
自動車
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台 -
第580回
自動車
プジョーの新SUV「3008」はデザインでの購入者が大半! リゾートホテルのような内装とクーペフォルムが牽引する - この連載の一覧へ
































