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世界を舞台に挑む日本のスタートアップに海外進出のポイントを聞く

XTC JAPAN 2024 パネルディスカッション「スタートアップ、海を越える」レポート

連載
JAPAN INNOVATION DAY 2024

提供: XTC JAPAN

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自分たちの技術や製品に自信を持ち、臆せず海外を目指せばいい

水島氏:学会や展示会などで実際に接触するときに気を付けていることはありますか?

金氏:自分たちの取り組みの魅力をしっかりと伝えて、できる限り端的かつ最大のアピールをしています。海外の学会やイベントでも、中途半端な英語でも話を聞いてくれますから、話の中身がしっかりしていれば興味を引きつけることができます。今、世界14カ国で実証実験を始めているので、その活動報告を出しています。できるだけビジュアルでわかりやすく、SDGsをキーワーディングしていくと、興味を持ってくれる人は結構います。

堀内氏:SaaSの場合とはすごく違うんですね。我々、特にデジタルマーケティングの場合、1万社ぐらい会社がありそれぞれがプロダクトを出しているので、米国内だけもでもう選べないといわれています。結局、選ぶときは人づてに聞く、というケースが多いようなので、いかにその輪に入るかが大事になります。

水島氏:投資家の存在は投資してくれるだけでもとてもありがたいですが、贅沢を言えば、取引先やイグジット先を紹介してほしい、人材を紹介してほしいということもあります。そういった魅力的な投資家さんに投資をしてもらう前段階ではどのような工夫をされましたか?

鈴木氏:私はちょっと意見が違います。投資家が紹介してくれるからやりましょうとか、投資家の力がないと海外に行けない、というのは全然違うと思っています。むしろ投資を受ける側が主体的に考えるべきで、自分たちが違うと思ったら「違う」と言うべきだと思います。そういう意味では、投資家の1番の役割は、まず投資を受けるスタートアップが「海外に行く」という決断をしたなら、それを尊重して邪魔しない、応援することだと思っています。

 また、人材を紹介してもらうにしても、当然「合う・合わない」などがあるので、投資家が紹介してくれたからちょっと微妙だと思っても採用する、というのはあってはならない。あくまで自分たちが主体的に、「良い人材かどうかを見る」という姿勢が必要です。

水島氏:これからグローバルを目指すスタートアップに向けた応援メッセージを一言いただければと思います。

金氏:私たちもこれから大々的に海外に出ていくところですが、自分たちの技術と考え方に自信を持ってアピールしていけば、どこの国であろうと受け入れてもらえると信じています。臆せずどんどん前に出ていけば、海は越えていけると思います。

鈴木氏:私どもも、また資金調達をして海外展開を加速させようと思っているところです。基本的には会社が存続している限りにおいては、どんどん海外を目指せばいいと思いますし、社内で100回議論するより、一度行ってみるほうが早かったりします。行ってみて我々の技術や製品が通じたということもあるので、「まずはやってみることが大事」というのが、月並みですけれどもメッセージになります。

堀内氏:今後、スタートアップが海外を目指さないほうが、「なぜ?」といわれるぐらいの状況になるまで、ご一緒できるといいなと思っております。みなさん頑張っていきましょう。

 以上が、セッション「スタートアップ、海を越える」のレポートとなる。

 世界を舞台に挑戦し続ける各社の代表者から、海外展開に関する貴重な経験や示唆に富むアドバイスを聞くことができた。言語の壁や文化の違いなど、海外展開には様々な障壁があるものの、自社の強みを最大限に生かし、現地の優秀な人材を巻き込みながら、一歩ずつ着実に進んでいくことが成功への鍵となるようだ。日本を飛び出し、世界を舞台に羽ばたくスタートアップのさらなる躍進に期待したい。

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