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「失敗を恐れず」宇宙へ挑む。技術を持った企業が日本の宇宙事業に関わる可能性

「SPACETIDE 2023」パネルディスカッション 今後10年間の日本の国家宇宙戦略レポート

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国土強靱化には衛星からの視点が欠かせない

石田氏:白坂さんに伺いたいのですが、衛星利用についていろいろな言及があります。これまでの衛星関連政策とは、どこに違いがあるのでしょうか?

白坂氏:ものすごく変わっているわけではないと思っています。ただ、特徴的なのが「国土強靱化」、「地球規模課題」、「イノベーション」という3点があがっている点だと思っています。

 例えば国土強靱化ですが、日本は目の前に南海トラフ地震が起こるリスクを抱えています。2035年プラスマイナス10年で南海トラフが動く確率が70%を超えると言われていますから。その時の想定最大被害総額は220兆円です。範囲が東海から九州までの太平洋沿岸がすべてやられるという予測です。超広域災害になりますので、その時に被害状況を把握するために対応できるのは人工衛星しかないわけです。

 人工衛星を使いながらも、いつ起こるかわからない災害であり、実際に災害が起こった場合、人命救助の時間は限られています。どうしても時間分解機能を上げざるを得ません。Constellation(複数の人工衛星を連携させ運用する仕組み)という単語が結構出てきていますが、ここ数年、Constellationがトレンドになり始めています。

 もちろん安全保証との連携もあり、国土強靱化においてもConstellationはやはりすごくキーとなる技術だと思っています。

 さらに声を大にしてアピールしたいのが、Beyond 5G通信、量子暗号のように宇宙ではない分野で専門家の皆さんが議論している内容との連携が意識されているという点ですね。このような指摘は昔からありました。しかし、今回、宇宙基本計画という政府の指針レベルにまで他分野の専門家の皆さんとの連携の必要性が指摘されるようになったことは、大変大きなトピックだと思います。

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