介護の現場で本当に必要な声で生まれた「Helppad2」が優勝 「IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO」上位5社
「IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO」レポート
【第2位】Lecto株式会社、債権回収をDXする「Lectoプラットフォーム」
第2位のLectoは債権の督促や回収をDXする「Lectoプラットフォーム」を展開している。債権の督促や回収には電話や手紙などのアナログなツールが用いられている。しかし、催促しても回収に至らなかったり、クレームを入れられたりするなどの課題も多い。電話をかけても応答率は10パーセントを下回るというデータもある。
「Lectoプラットフォーム」は督促や回収を自動化、効率化する。事業者は顧客データや債務者データを「Lectoプラットフォーム」に連携することで、指定の日時にテンプレート化した督促メールを自動送信できる。
また債務者をセグメント化し、それぞれに異なる督促メールを送信することも可能だ。そもそもの支払い忘れを防止するために、支払い漏れが多い人や高齢者を対象として限定し、支払い期限前からリマインドメールを送ることも可能だ。支払い用のバーコードを添付することで、債務者が紙の支払伝票を紛失しても問題ない。
導入企業では督促や回収業務のアプローチ量が3倍に増加したり、担当者の稼働時間が半減したりする効果も見られている。実際に回収率が10%向上した企業もあるという。「Lectoプラットフォーム」は金融事業者に加え、サブスク事業者や電気、ガスといったインフラ事業者、不動産賃貸事業など、毎月の代金回収が必要なあらゆる企業で利用可能なため、今後も成長が続くと自信を見せた。
【第3位】株式会社Poetics、商談解析AI「JamRoll」
第3位のPoeticsは電話やオンラインでの商談を解析するAI「JamRoll」を展開している。営業活動においては、成約や失注といった結果は顧客管理ツールや営業支援システムなどで確認できるが、なぜ失注したのかという理由やプロセスが見えないため、改善策を打ち出しにくいという課題がある。営業担当者も商談のプロセスを細かに入力する時間はない。こうした結果、営業ノウハウは属人化してしまいがちだ。
こうした課題を解決するために、「JamRoll」は電話やオンライン商談をAIが解析し、内容を「Salesforce」に自動で反映する。AIアシスタントがオンライン会議に参加し、録画データが自動生成されるため、動画や音声のアップロードは不要だ。話者分離やプレゼン部分の抽出機能もあるため、必要な部分だけを振り返ることもできる。また「JamRoll」にはGoogleよりも精度が高いという音声認識AIを備えており、商談の詳細な文字起こしも可能だ。議事録の作成も不要となる。
タスクの抽出や商談に対するAIのフィードバックも自動で行われるため、蓄積したデータを具体的なアクションに落とし込める。さらにPoeticsが独自開発した感情解析AIにより、商談内容がクライアントに響いているのかどうかも把握できるという。
導入企業では20%の売上アップや90%の入力工数削減などの効果が見られているという。今後は、蓄積した“生の商談”という希少性の高いデータを活用し、AI SaaSからAI API Platformへ展開していくという。