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パナソニックは「ChatGPT」をこんな仕事に使っている

2023年07月27日 07時00分更新

文● 太田百合子 編集●ASCII

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今後はカスタマーサポートにも活用予定

──今後はChatGPTで社内のデータも活用できるようにしていくということですが、詳しく教えてもらえますか?

 今ChatGPTが答えられるのは、先ほども言ったように公開情報だけです。たとえば育休制度とか、そういう自社固有の情報についての質問には答えられません。でもそれがないと引き出せない答えも多い。「ConnectAI」のフィードバックでも、社内データを使いたいという声が多く寄せられています。そこで9月から社内データを使えるようにテストを開始します。

 具体的にはセマンティック検索という技術を使って、送信されたプロンプトに対して独立した自社のデータベースから該当するデータを挿入して、ChatGPTがそのデータを加味した回答を返せるようにします。また、社内データについてはソースも確認できるようにします。まずはちゃんと動くかテストの意味で、Web等で公開されている自社データを対象にスタートしますが、試験運用後はカスタマーサポートから順次適用しようと考えています。

ChatGPTと社内データを連携させるしくみ

──カスタマーサポートから適用というのはどのような理由からですか。

 実際に該当部署から社内データを使えるようにしてほしいという声もあったんですが、カスタマーサポートでは、お客様のお問い合わせ内容を基本的にはすべてデータに残しているので、必要なデータが揃っているというのが大きな理由です。ニーズがあって、データの整備もある程度できている。ほかの部署だと、そんなにキレイにはデータが揃っていません。

 またデータに引き出せるようにすることで、業務に与えるインパクトが大きいということもあります。業務効率化でたとえばお問い合わせに対する回答のスピードをあげるなど、お客様に対して一番貢献できる使い方というところで、ここから始めようということですね。

 また先ほどのお話にあった、業務効率化の効果を数値化するという点でも、カスタマーサポートはやりやすい領域だと思います。今も何件お問い合わせをいただいて、1件当たりどのくらいの時間で返答しているかとか、何回ラリーがあったかというデータはとっているので、ChatGPTの活用でそれがどのくらい短くなったかという数値は出しやすいと思います。

 弊社の場合は海外からのお問い合わせもあるので、英語の問い合わせに日本人が対応すると、そこで少し時間がかかったりもする。ChatGPTだと英語の方が得意だったりするし、もし回答のドリフトを多言語で作成できるようになったら、時間を大幅に短縮できる可能性もありますね。

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