eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ第12回

大荒れの展開となったSUPER GT第3戦鈴鹿。冨林が駆る5号車マッハ号は19位完走

文●吉田知弘 写真●加藤智充 編集●ASCII

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決勝レースの1周目でピットインの奇策
だがアクシデントで作戦が機能せず

 4日の決勝レースは、朝から晴天だったもののスタート時刻が近づくにつれて雲が増えていった。GT300クラスの24番手からスタートする5号車は、松井がスタートスティントを担当。前日までの流れを考えると、上位進出の可能性は厳しい状況で、次回以降に向けてポジティブな要素を見つけるために、チームは新しい試みを行ないながら、少しでもポイント圏内に近づくための可能性を模索した。

 まずはスタート直後の1周目にピットインし、今回も義務となっている2回の給油作業のうち、1回を消化。さらに今まで試したことのなかったタイヤに履き替え、今後に向けてのデータ収集をすることになった。ただ、このピットストップで作業違反の判定を受け、ドライブスルーペナルティーが課されることとなる。これで一気に遅れることになったのだが、幸いにもセーフティーカーが導入され、ペナルティーでの遅れを取り戻すことに成功した。

 レース再開後も、順調に周回を重ねた松井。新しく試したタイヤも思いの外パフォーマンスを発揮し、31周目終了時点ではGT300クラス5番手につけ、ポイント圏内でのフィニッシュの期待も膨らみはじめた。

 タイヤの感触についても良好という松井のコメントもあり、32周目に行なった2度目のピットストップではタイヤ無交換を実施。ドライバーも交代し、冨林が乗り込んだ。後半スティントは地道に周回を重ねていくことになるが、うまくいけばポイント獲得の可能性もあるだけに、冨林も気合いを入れてスティントに突入していった。だが燃料を給油して車重が重くなったことと、曇り空の影響で路面温度が急激に下がったことが影響し、前半のような力強い走りができず。防戦一方の展開となってしまった。

 なんとかゴールに向けて粘り強く走ろうとした冨林だが、レース終盤に大きなアクシデント(クラッシュ)が発生し、GT500クラスのトップが60周目を迎えるところで赤旗が出され、そのままレース終了となった。

 幸い、クラッシュを喫した23号車「MOTUL AUTECH Z」の松田次生選手と、87号車「Bamboo Airways ランボルギーニ GT3」の松浦孝亮選手は無事だった。ただ、松田に関してはクラッシュの衝撃が大きかったこともあり、病院に搬送された。

 一時はポイント獲得の可能性も見えていた5号車は、結局19位で第3戦を終了。望んでいた結果にはならなかったものの、シーズン中盤戦に向けてはポジティブな収穫材料もあった。上位進出を目指して、さらなる挑戦は続く。

冨林勇佑選手コメント

 「1周目にピットインして、今まで履いたことがないタイヤを試しましたが、それが前半はうまく機能してくれました。そのまま、タイヤ無交換で行こうとしたんですけど、曇り空でコンディションの変化もありましたし、燃料を積んで車重が重くなったことで状況が変わってしまいました。ピットアウトした時からグリップ感がなくて、そこをごまかしつつ走っていましたが、途中からピックアップもひどくなってしまいました。もしかするとタイヤ交換をして後半スティントに臨めば、ポイントも獲れていたかもしれません。今回は今後に向けたテストも含めていた部分があったので、今後に向けてはポジティブなデータは得られました。これから夏場のレースが続きますが、どこかで良い結果を残したいなと思っています!」

冨林勇佑選手

松井孝允選手

 なお、GT300クラスのトップ争いは、各チームとも戦略の差が出て二転三転する展開となったが、早めにピットストップを消化していく作戦をとった7号車「Studie BMW M4」が、赤旗が出る前にトップに浮上。そのままクラス優勝となった。ちょうど1年前の鈴鹿大会でも優勝を飾ったBMW。今回も力強い走りをみせ、ライバルを圧倒したのだった。

1位の7号車「Studie BMW M4」

2位の2号車「muta Racing GR86 GT」

3位の52号車「埼玉トヨペットGB GR Supra GT」

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