発酵と蒸留技術で「今川焼」から作る除菌ウエットティッシュを開発

　株式会社ファーメンステーションは2023年4月13日、株式会社ニチレイフーズの冷凍食品「今川焼（あずきあん）」の製造過程で生じる規格外品を原料に「『今川焼』から作った除菌ウエットティッシュ」を開発したと発表した。

　ファーメンステーションは発酵技術によって未利用資源を再生、循環させる社会の構築を目指す研究開発型スタートアップ。独自の発酵技術と蒸留技術でフードロスやフードウェイスト、未利用のバイオマス由来のエタノールやサステナブルな化粧品原料などを開発、製造している。ニチレイフーズとは、食品や飲料の製造過程で出る規格外品や副産物、農産物の規格外品などをアップサイクルする「未利用資源の再生・循環パートナーシップ」を組み、取り組みを行ってきた。

　今回はアップサイクルの取り組み第二弾として、ニチレイフーズの商品「今川焼（あずきあん）」の規格外品をエタノール化して配合し、除菌ウエットティッシュにアップサイクルした。また、発酵、蒸留時に発生する副産物の発酵粕もゴミとせず、ニワトリの飼料にしたほか、ニチレイフーズが北海道森町の町有林を借り受け植林や育林活動を行う「ニチレイ育みの森」で肥料として活用する。

「今川焼（あずきあん）」の生産においては、形が崩れてしまったものや焼きムラが生じた規格外のものがどうしても発生してしまう。これらの規格外の製品を、ファーメンステーションの発酵技術を用いることで、皮とあずきあんに分別したり前処理をしたりすることなく、一体でエタノール化することが可能となり、今回のアップサイクルが実現したという。

　開発されたウエットティッシュは、ニチレイフーズがオフィシャルスポンサーをつとめる「キッザニア福岡」内の「食品開発センター」にて、アクティビティに参加した子どもたちに配布される予定となっている。

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