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東急と事業共創グランプリはクラダシ 5万品以上のフードロス削減

「東急アライアンスプラットフォーム 2022 Demo Day」レポート

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 東急株式会社は2023年3月14日に、同社が運営するオープンイノベーション施設「Shibuya Open Innovation Lab(以下、SOIL)」で、「東急アライアンスプラットフォーム 2022 Demo Day」を開催した。

「東急アライアンスプラットフォーム(以下、TAP)」は、「共に、世界が憧れる街づくりを。」というコンセプトのもと、応募企業と東急グループの事業共創機会を最大化するプラットフォームとして活動している。

 TAPは2015年に鉄道業界初のアクセラレートプログラム「東急アクセラレートプログラム」としてスタート。通年応募制やホームページでの共創内容の発信などで常に取り組みをアップデートし、拡大を続けた。2021年に「東急アライアンスプラットフォーム」としてリブランディングを実施。累計の応募件数は992件に上り、東急グループ29事業者が参画するプラットフォームとなった。

 本記事では「東急アライアンスプラットフォーム 2022 Demo Day」の事業共創ピッチの模様をお伝えする。事業共創ピッチにはスタートアップ5社と共創する東急グループの担当者が登壇し、共創の背景や事例を紹介した。

【登壇企業】
  ●株式会社クラダシ × 株式会社東急モールズデベロップメント
  ●株式会社アジラ × 東急セキュリティ株式会社
  ●ノウンズ株式会社 × 株式会社東急エージェンシー
  ●SUSHI TOP MARKETING株式会社 × 東急電鉄株式会社
  ●AXELL株式会社 × 東急株式会社 社会インフラ事業部 

累計5万品以上のフードロス削減に取り組んだ株式会社クラダシが東急賞(グランプリ)とオーディエンス賞をダブル受賞

株式会社クラダシ 経営戦略室 室長 築地雄峰氏(左)
株式会社東急モールズデベロップメント 営業本部 リーシング開発部 鹿島夏希氏(右)

 東急賞(グランプリ)とオーディエンス賞をダブル受賞したのは、クラダシと東急モールズデベロップメントによるフードロス削減の取り組みだ。

 東急モールズデベロップメントの鹿島夏希氏は「クラダシに参画するすべてのステークホルダーが気軽に社会貢献活動ができる点に強く共感した。この春、たまプラーザ テラスで彼らの初めての実店舗を拠点に、当社はこれからフードロス削減活動が自然な形で当たり前にできる街づくりを模索したい」と述べた。

ピッチを行う築地雄峰氏

 クラダシは規格外や季節商品などで食べられるのに廃棄される食品を安価に購入できるECサイト「クラダシ」を運営している。日本のフードロスの年間発生量は522万トンに上るといわれている。ソーシャルグッドマーケット「クラダシ」は会員数44万人を突破、累計フードロス削減量が1万4000トンを超え、寄付総額も1億円に迫っている。

 クラダシの特徴は3つある。90%オフという非常に安価で販売していること、商品ごとに出品理由が明記されていること、自身で選択した社会支援団体やクラダシ基金に寄付もできることだ。クラダシ基金は社会貢献型インターンシップ「クラダシチャレンジ」で人手不足の農家に学生を派遣し、未収穫の野菜を収穫する活動などに生かされている。

 東急モールズデベロップメントとクラダシが共創する背景には、食品のEC化率が年々上昇しているものの、いまだ実店舗の存在感が大きいことが挙げられる。クラダシは東急モールズデベロップメントと共創することで、2022年にはトータル7回、延べ62日間のポップアップを実施。累計5万品以上の廃棄される可能性のあった食品を販売した。

 今後の取り組みとしては、2023年5月下旬からたまプラーザ テラスにて、クラダシ初の常設店舗のオープンを予定している。常設店舗では店舗販売により削減されたフードロスの量やCO2排出量の削減量を可視化し、来店客がソーシャルグッドに興味を持つきっかけをつくる。また、青空教室やフードロスについて考える体験型イベントなども企画している。

 中長期的にはリテール各社を傘下に収める東急グループ全体でフードロス削減に取り組み、活動の中で取得した販売データを販売戦略やマーケティング、ブランディングに生かす施策も検討中だ。

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