TISの共創による新規事業支援 営業ツール「Sales Drive」で収益化もサポート
JAPAN INNOVATION DAY 2023会場ブースレポート TISのインキュベーションセンター
TIS株式会社は、2023年3月3日に東京の赤坂インターシティコンファレンスで開催されたASCII STARTUP主催の先端テクノロジー展示のビジネスマッチングカンファレンス「JAPAN INNOVATION DAY 2023」にて、伴走型営業支援サービス「Sales Drive」を出展。同社インキュベーションセンターの取り組みとSales Driveのサービスについて、TIS株式会社テクノロジー&インキュベーション本部の高木 清貴氏に伺った。
TIS×事業会社×スタートアップの共創で新規事業をつくるインキュベーションセンター
TISインキュベーションセンターは、TIS内外からの新規事業創出を継続的に行うことを目的に新規事業の創出と支援の2つを軸に活動する組織だ。新規事業創出チームは、ビジネスアイデアの企画立案からプロダクトの開発、PoC、製品化へと新規事業の立ち上げに取り組んでいる。後述の『Sales Drive』もここから生まれた新しいサービスだ。
またインキュベーションセンターでは、事業部や事業会社、スタートアップの事業創出を促進するため、スタートアップと事業会社をつなぐマッチングプラットフォーム「bit-finder」、TIS社内からの新規事業提案制度「Be a Mover」、CVC、インキュベーション施設「TIS INTEC Group Innovation Hub(TIH)」の運営の4つのメニューも実施している。
「TISでは、事業部から新規事業を創出するため全社的に活動しています。とはいえ、自社だけでは叶えられない技術やサービスがあるので、各事業部から新規事業のテーマを抽出し、我々が持っていないアセット、技術、サービス、ソリューションを持つ企業との協業・共創で新規事業の立ち上げを推進しています」と髙木氏。
TIS社内に限らず、提携先事業会社とのマッチングも支援している。マッチングプラットフォーム「bit-finder」は、企業間の共創パートナーを探せるサービスだ。スタートアップや事業会社はそれぞれ自社の情報や共創の目的を登録し、担当者に直接コンタクトが取れる。また、スタートアップは事業会社が主催するイベントやプロジェクトへの参加も可能だ。
システムインテグレーション事業で実績のある金融系をはじめ、製造業やヘルスケア、エネルギー、スマートシティなど幅広い分野に業種や自治体とつながれる。さらにCVC機能や、プロジェクトの打ち合わせやイベント開催にインキュベーション施設TIHが利用できるのも魅力だ。「bit-finder」の会員登録は無料なので、ネットワークを広げるためにも気軽に登録してみては。
見込み客の獲得から商談までワンストップで提供する「Sales Drive」
スタートアップは事業化しても、営業リソースの不足からなかなか売上につながりにくい。インキュベーションセンターの新規事業創出チームから新たに事業化された「Sales Drive」は、効果的な施策の探索や新規顧客の獲得に課題を抱える企業のためのビジネスインサイト・顧客インサイトの発掘支援サービス。これまでの資金や技術、マッチングといった支援に加えて、スタートアップが実際に収益を上げていくための施策だ。
Sales Driveは、契約企業に専属のチームを組み、営業活動のプランニングとリスト作成、インサイドセールスによる見込み顧客の獲得と育成、商談機会の獲得までを一気通貫でサポートしてくれる。営業リストは、国内150万社の企業データベースをもとに作成し、営業活動の結果をデータベースにフィードバックすることでリストを更新して営業効率を上げていく仕組みだ。現在TISの資本提携先である株式会社オニオンのサービスを使っているが、2023年度には自社システムへと移行する予定とのこと。
コンサルティングファームの同様のサービスに比べて、機能を最小限にしぼることで価格を抑え、スタートアップのスピード感に合わせて早期に商談につなげられるのが特徴だ。大企業向け営業支援では、数カ月間かけて営業方針を策定し、その後、顧客開発へと段階的に進めていくのに対し、Sales Driveでは、コンサルティングと並行してインサイドセールスと商談の支援を実施される。一般的なアウトソーシングとは異なり、伴走支援型なので営業体制の構築にも活かせる。トライアル期間として、有望なスタートアップに限定して戦略立案~実行支援を全て対象に戦略的なパッケージで提供している。事業継続には利益を得なければいけないが、できるだけ開発に注力したい、という成長期のスタートアップは、検討してみてはいかがだろうか。