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高校生に起業家教育が求められる理由

中小機構が起業家教育事業をスタート これからの時代に必要とされる起業家マインド

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起業家教育を体験した生徒の意識が大きく変化

 2022年度は6月から「起業家教育プログラム実施支援」の募集を開始し、全国の応募校の中から4校が決定した。

 そのうちのひとつ、福井県立坂井高等学校では3年生の課題研究の授業において、起業家教育が行われた。すでに同校の授業内で企画・開発を行った、坂井市のふるさと納税返礼品のPRをテーマに、アイデアを出し合い、生徒同士でブレストを行った。

起業家教育の授業を受ける坂井高校の生徒

 生徒は初めてブレストを体験したが、専任講師によるガイドで積極的に意見が飛び出し、「坂井高校生と幸福度連続日本一の謎を探る冬の午後旅『ぶらり坂井』のツアー」という旅行商品のターゲットを改めて洗い直し、新たなPR方法を考案するまでに至ったという。

 また、青森県青森市の私立青森山田高等学校や、東京都の私立芝浦工業大学附属高等学校では、ビジネスコンテストに向けた取り組みにおいて、起業家教育プログラムを実施した。

青森山田高等学校の校内ビジネスコンテストでは、起業家教育プログラム実施支援を通じて学んだ成果を学内で発表した

山形県立酒田光陵高等学校で行われた出前授業での講演の様子

 学校が実施したアンケートでは、これらの起業家教育を体験したことで、生徒たちの創業への意識が大きく変わったことが明らかになっている。特に、授業を受ける前は、「起業は責任が重い」「失敗するかもしれない」という考えから、「社会に貢献できるかもしれない」という意識へ変化した生徒が複数いたことは、注目に値する。

 そのほかにも、「進路の幅が増えた」「手が届かない世界だと思っていたけど、誰でも挑戦してみれば実現するのかなと思った」「今までは自分に関係のないことだと思っていたが、みんなで考えてアイデアを出す楽しさを知った」など、非常に前向きな意見もあり、高校生に「起業家マインド」が芽生えていることが感じられた。

 中小機構では、2023年度も引き続き、「起業家教育事業」を行う。「起業家教育プログラム実施支援」と「起業家教育出前授業実施支援」については、4月1日から募集を開始する。募集に先駆けて、ホームページで事業の概要や、事前の質問への問い合わせにも対応しているので、気になった学校関係者の方は、ぜひチェックしてみてほしい。

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