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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第291回

新型シビックのグレードを全部乗って改めて感じたHonda「シビック」の魅力

2023年01月04日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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エンジンはさすがのHonda!
気持ちよく上まで回る

 エンジン仕様のシビックが搭載する1.5リットル直4ターボは、実になめらかで気持ちよさはクラストップ。最高出力182PS、最大トルク22.4kgf・mは必要にして十分であり、何よりエンジンサウンドの良さと相まって、踏む楽しさにあふれています。e:HEV仕様の方が静粛性が高く、また鋭いゼロ加速が楽しめますが、エンジン仕様は生理的な心地よさが魅力的。瞬間的に乗り換えると、e:HEV仕様に心が奪われるのですが、長い時間乗り続けるとこちらもまたイイと思うから不思議なものです。

 長年、直4エンジンを作り続けてきたHondaならではの味付けなのでしょう。ただ、できればレギュラーガソリン対応にしてほしかったですね。経済的な意味で。ちなみに、アウディA3もハイオク専用車です。

 Hondaの良さは、ハンドリングを楽しいと感じさせる足回り。ちょっと硬めなのだけれど、不快ではありません。e:HEVより少し細かな振動を拾う傾向があるのと、走行中の車内に漏れ入る音が大きめなのは、おそらくタイヤの違いかと。というのも、タイヤがガソリン仕様がグッドイヤーであるのに対して、e:HEV仕様はミシュランだから。このことをエンジニアに聞いたところ、クルマの性格にあわせて変えているのだとか。エンジニアが試してグッドイヤーが適切と考えているのですから、無闇に変えない方がいいのかもしれませんね。

 安全運転支援システム(Honda SENSING)のデキのよさも特筆すべきところ。たとえばバックしている時、至近距離に障害物があればクルマがブレーキをかけてくれます。そして、高速道路でのアダプティブクルーズコントロール+ハンドル支援。世界初の自動運転レベル3を実現したレジェンドと同じカメラシステムを使っているというだけあって、安定度の高さはさすがといったところ。どの辺に完成度の高さを感じるのかというと、前走行車がいなくなった時、現れた時の自然な加減速と、コーナーでのふるまいです。

 この手の運転支援は、クルマの車種・グレードに関係なく、最近出たクルマほど進化しています。もちろん今後も進化し続けていくことは間違いないありません。現状のシビックで「ハンズオフ一歩手前」まで来たという印象です。ここから先は、クルマに座っているだけ、という感じになるので、個人的にコレ以上は求めません。

 燃費の面ではe:HEVに敵わないのは仕方ないとしても、それでも「こんなにイイのか?」と思うレベルだったりします。今回は都内から「モビリティリゾートもてぎ」までの往復で満タン法で計測してみました。ルートは、首都高C1から常磐道、水戸ICで降りて一般道で約20kmというルートです。

 ストップ&ゴーを繰り返す都内と比べて、高速道路と信号の少ない一般道は燃費がよい結果になる傾向はありますが、それでも308.5km走って18.59リットル。つまり、リッター18.69kmは立派な数字です。

 ガソリンエンジンのシビックというと、最近登場したTYPE Rに目がいくのは自然なことです。ですが金銭的負担が大きいですし「もっとカジュアルにクルマを楽しみたい」という人には、AT設定がないクルマはちょっと……。それを考えると、ガソリン仕様のシビックはとてもいい選択肢だと感じました。使い勝手もよく、走っていて楽しくて経済的。長く愛せるクルマって、こういうクルマなのでしょう。

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