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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第275回

ちょうどいいサイズのSUV「BMW iX3 Mスポーツ」はいい意味でEVの特別感がない

2022年12月03日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

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操作のしやすさや走り安さを
好みに設定可能

車両設定

個別設定も可能

 車両設定もX3と同じように、ステアリングの重さやスロットルレスポンスなどが変更できます。お好みのセッティングを作ることもできます。

リアシート

リクライニング機構を搭載する

エアコン送風口の下にUSB C端子を配置

後席に着座した様子

 せっかくなので後席もチェックしましょう。リクライニング機構付きで快適さはさすがといったところ。エアコン送風口の下にUSB Type-C端子を配置しているのですが、位置はかなり下なので、ケーブルの抜き差しは少し面倒です。

電動になってもBMWらしい乗り味は損なわない

 「モーターとバッテリーがあればBEVができる」という話から、「どのメーカーに乗っても同じ」と思われがちです。しかし、世の中そう簡単にいかないことを、BMWは教えてくれます。というのも、iX3はしっかりとBMWらしい乗り味が得られており、誰が乗ってもBMWだと思うことに間違いないから。地にしっかりと足がついたような接地感と重量感。やや硬めに感じるもイヤではない乗り味、コーナーを旋回している時の塊感。「BMWってこうだよね!」というのが、全身にヒシヒシと伝わるのです。

 エンジンと違うのは振動の少なさ、騒音の少なさ。張り合わせガラスを用いているので、もともとの遮音性はかなり優秀なのですが、それにモータードライブが加わるのですから、本当に静か。一方、重戦車が進むかの如くのフィールはまさにBMWそのもの。それらは制御技術の賜物ですが、そこまでコントロールするあたりにBMWの技術力の高さを感じずにはいられません。そのうちモーターだからとか、エンジンだからということはどうでもよくなり、BMWか否かということを強く意識させるのです。デキのよいクルマというのは、駆動方式は関係ないのかもしれませんね。

 この日モデルを努めた、クルマ大好きの新 唯(あらた・ゆい)さんも「確かにBMWらしいクルマですね。そしてBMWじゃないとできないクルマでもあります」と感心しきり。「X3って大きさがちょうどいいと思うんですよ。X5はちょっと大きいですし。その上で、EVらしい静粛性の高さがあります」と気に入られたご様子。

 一方でワンペダル動作には慣れないようです。「このモードにすると、慣れないうちはギクシャクしがちですね。あと、アクセルペダルを離すと減速はしますけれど、完全には止まらないんですね」と、かなり戸惑っていました。「でも、渋滞や信号の多い都心部では、これは便利かも」というわけで、EV+ワンペダルの快適さを理解したようです。

 自動車業界で「サスティナビリティ」という言葉を言い始めたのはBMWが先鞭をきったように思います。その後、各自動車メーカーが環境問題に対応することをサスティナビリティと捉えて活動するようになりました。ですがiX3に触れてBMWは自分たちそのものをサスティナブルしているのでは? と思った次第。たとえ脱炭素化を達成した先に、そのブランドのクルマがコモディティになっては、会社として持続しないのです。電動化してもコモディティ化しないBMWの未来は明るいと確信しました。

■関連サイト

モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添える。

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