操作のしやすさや走り安さを
好みに設定可能
車両設定もX3と同じように、ステアリングの重さやスロットルレスポンスなどが変更できます。お好みのセッティングを作ることもできます。
せっかくなので後席もチェックしましょう。リクライニング機構付きで快適さはさすがといったところ。エアコン送風口の下にUSB Type-C端子を配置しているのですが、位置はかなり下なので、ケーブルの抜き差しは少し面倒です。
電動になってもBMWらしい乗り味は損なわない
「モーターとバッテリーがあればBEVができる」という話から、「どのメーカーに乗っても同じ」と思われがちです。しかし、世の中そう簡単にいかないことを、BMWは教えてくれます。というのも、iX3はしっかりとBMWらしい乗り味が得られており、誰が乗ってもBMWだと思うことに間違いないから。地にしっかりと足がついたような接地感と重量感。やや硬めに感じるもイヤではない乗り味、コーナーを旋回している時の塊感。「BMWってこうだよね!」というのが、全身にヒシヒシと伝わるのです。
エンジンと違うのは振動の少なさ、騒音の少なさ。張り合わせガラスを用いているので、もともとの遮音性はかなり優秀なのですが、それにモータードライブが加わるのですから、本当に静か。一方、重戦車が進むかの如くのフィールはまさにBMWそのもの。それらは制御技術の賜物ですが、そこまでコントロールするあたりにBMWの技術力の高さを感じずにはいられません。そのうちモーターだからとか、エンジンだからということはどうでもよくなり、BMWか否かということを強く意識させるのです。デキのよいクルマというのは、駆動方式は関係ないのかもしれませんね。
この日モデルを努めた、クルマ大好きの新 唯(あらた・ゆい)さんも「確かにBMWらしいクルマですね。そしてBMWじゃないとできないクルマでもあります」と感心しきり。「X3って大きさがちょうどいいと思うんですよ。X5はちょっと大きいですし。その上で、EVらしい静粛性の高さがあります」と気に入られたご様子。
一方でワンペダル動作には慣れないようです。「このモードにすると、慣れないうちはギクシャクしがちですね。あと、アクセルペダルを離すと減速はしますけれど、完全には止まらないんですね」と、かなり戸惑っていました。「でも、渋滞や信号の多い都心部では、これは便利かも」というわけで、EV+ワンペダルの快適さを理解したようです。
自動車業界で「サスティナビリティ」という言葉を言い始めたのはBMWが先鞭をきったように思います。その後、各自動車メーカーが環境問題に対応することをサスティナビリティと捉えて活動するようになりました。ですがiX3に触れてBMWは自分たちそのものをサスティナブルしているのでは? と思った次第。たとえ脱炭素化を達成した先に、そのブランドのクルマがコモディティになっては、会社として持続しないのです。電動化してもコモディティ化しないBMWの未来は明るいと確信しました。

この連載の記事
-
第610回
自動車
【最長航続距離846km】アウディ「A6 e-tron」はEVの航続不安を過去にする究極のグランドツアラー -
第609回
自動車
輸入車No.1の燃費とアルピーヌの走り! ルノー「ルーテシア」が叶える欲張りな選択 -
第608回
自動車
なぜセダンを廃止した? ワゴン一本勝負に出た新型パサートの「潔さと勝算」 -
第607回
自動車
Cクラスに900万円出す価値はあるか? 豪華装備の「C220d Luxury」に見る、SUVにはないセダンの底力 -
第606回
自動車
「家族も荷物も諦めない!」510馬力の最強ワゴン「BMW M3ツーリング」 -
第605回
自動車
「EVでの遠出は不安」が「楽しい」に変わる!? アリアで往復1600km走ってわかった、アプリ連携の絶大な安心感 -
第604回
自動車
「もっと運転が上手くなりたい」あなたへ。FR以上にドライバーを育てるミッドシップGRヤリスという提案 -
第603回
自動車
スマホとクルマの連携! ダイハツコネクトはアプリで走行履歴やクルマの場所がわかる -
第602回
自動車
100万円台でこの満足感。3代目ハリアーがコスパ最強な8つの理由 -
第601回
自動車
e-POWERの高速燃費は本当に悪いのか!? 約1200kmロングドライブでテスト! -
第600回
自動車
もはやMT派も黙る? 「GRカローラ」のGR-DATによる爆速シフトダウンが楽しい! - この連載の一覧へ
























