空中映像かつ空中タッチでの操作が可能なディスプレーを展示、パリティ・イノベーションズ
CEATEC 2022「スタートアップ&ユニバーシティエリア」
2022年10月18日から21日まで開催された「CEATEC 2022」。国内外の最先端技術などを取り扱う企業が多数出展した。今記事では「スタートアップ&ユニバーシティ」エリアに出展していた、スタートアップ系を中心にチェックしていく。
バネから人の歯まで印刷できる、光造形方式のセラミック3Dプリンター
【エスケーファイン】
セラミックススラリーを用いた光造形方式のセラミック3Dプリンターの製造販売を行っている。印刷できるのはバネやタービンなどの工業製品から、人の歯といった医療用製品まで幅広い。
セラミックの標準材料以外にも、ステンレスやアルミといった素材にも対応。プリンター自体も販売しているが、数千万と高額なため、プリントの受託も行っているとのこと。
30kgを載せて15cmの段差を越える、搬送用自律ロボット「Mighty」
【Piezo Sonic】
同社が開発した高トルク超音波モーターを使った搬送用自律ロボット「Mighty」を展示。使用されているモーターは中空型モーターと400gで2Nmのトルクを発揮する高トルクモーター。車輪と関節部分それぞれにモーターを搭載しており、15センチの段差があっても乗り越えられ、安定して走行できる。そのため屋内外をシームレスに移動できるのが特徴だ。
「Mighty」自体に30kgほどの荷物を載せて走行可能。また貨車を牽引する方式なら、さらに重たい荷物を運べるようになるとのこと。ただし「Mighty」自体は、同社のモーターをアピールするためのあくまで試作機。高性能なモーターは「Mighty」のようなロボットに活用して欲しいそうだ。
「密猟対策」ドローンなど水上や水中で稼働するドローンを開発
【炎重工】
2016年から一次産業を自動化しようというミッションで活動しており、水上や水中で稼働するドローンを開発している。たとえば自動運転船舶ロボットの「密猟対策」ドローンは、ウニやアワビといった高級食材を遠隔地からカメラで監視し、密猟者がいた場合はライトを当てたり、サイレンを鳴らす、録画を行うといった動作が可能だ。
またリアルタイムの水中カメラでは、推進50mまでの撮影に対応。いけすの魚がちゃんと餌を食べているかや、異変がないかを常時監視できるため、漁師がわざわざ船を出して確認しに行く手間が省けるとのこと。ちなみに水中では電波が届かないため、電波の送受信機やバッテリーはブイなどを使い、水上に設置する。
映像を空中に浮かび上がらせる結像光学素子「パリティミラー」
【パリティ・イノベーションズ】
液晶などを背面に配置すると、その映像を空中に浮かび上がらせる結像光学素子「パリティミラー」を使って、空中映像かつ空中タッチでの操作が可能なディスプレーを展示。特殊な眼鏡などを使わず裸眼で使えるのがポイント。
出展ブースでは、スマートフォンを「パリティミラー」の下に置くだけで、スマートフォンのディスプレーが浮き上がって見えるデモを実演。さらに各種センサーを使って指の位置を把握し、テンキーなどの操作が可能な空中タッチディスプレーも実際に展示していた。