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最新パーツ性能チェック 第379回

Zen 4で性能は別次元の領域に到達!?「Ryzen 7000シリーズ」全モデルレビュー【概要+基本ベンチ編】

2022年09月26日 22時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ/ASCII

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新旧Ryzen&ライバルと比較

 座学はこの辺にして、そろそろ検証環境の解説に入ろう。今回はRyzen 7000シリーズ4モデルの他に、前世代の4モデル、さらに第12世代Coreの3モデルをピックアップした。新旧Ryzenはコア数が同じもの同士を選択しているが、Ryzen 7 7700XにはRyzen 7 5800Xをぶつけた。

 Ryzen 7 5700Xは登場時期が遅いため買い換え需要が薄そうなこと、5700Xと5800XはTDPやクロックが異なるだけで劇的に性能差がないこと、等が理由となる。Ryzen 7 5800X3DやCore i9-12900KSは時間の制約や調達難度から除外した。

 今回の検証環境はいずれもWindows 11で構築したが、22H2ではなく22H2で実施している。また、コア分離(VBS)やSecure Boot、Resizable BAR、HDR等は全て有効とした。また、Ryzen 7000環境で使っているマザーボードのBIOSは、AMDから指定されたレビュー用のバージョン(E7D69AMS.110NPRP)を、RadeonドライバーはAMD Softwareの22.8.2を使用している。

【検証環境:新Ryzen】
CPU AMD「Ryzen 9 7950X」
(16コア/32スレッド、最大5.7GHz)、
AMD「Ryzen 9 7900X」
(12コア/24スレッド、最大5.6GHz)、
AMD「Ryzen 7 7700X」
(8コア/16スレッド、最大5.4GHz)、
AMD「Ryzen 5 7600X」
(6コア/12スレッド、最大5.3GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード MSI「MEG X670E ACE」
(AMD X670E、E-ATX、BIOS E7D69AMS.110NPRP)
メモリー G.Skill「F5-6000J3038F16GX2-TZ5N」
(16GB×2、DDR5-5200動作)
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800 XTリファレンスカード」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システム用)
+Silicon Power「SP002TBP34A80M28」
(2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2)
【検証環境:旧Ryzen】
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、最大4.7GHz)、
AMD「Ryzen 9 5900X」
(12コア/24スレッド、最大4.8GHz)、
AMD「Ryzen 7 5800X」
(8コア/16スレッド、最大4.7GHz)、
AMD「Ryzen 5 5600X」(6コア/12スレッド、最大4.6GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「X570 Taichi Razer Edition」
(AMD X570、ATX、BIOS 1.80)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(16GB×2、DDR4-3200)
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800 XTリファレンスカード」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システム用)
+Silicon Power「SP002TBP34A80M28」
(2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2)
【検証環境:インテル】
CPU インテル「Core i9-12900K」
(16コア/24スレッド、最大5.2GHz)、
インテル「Core i7-12700K」
(12コア/20スレッド、最大5GHz)、
インテル「Core i5-12600K」(10コア/16スレッド、最大4.9GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「Z690 PG Velocita」(インテルZ690、ATX、BIOS 7.03)
メモリー G.Skill「F5-6000J3038F16GX2-TZ5N」
(16GB×2、DDR5-4800動作)
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800 XTリファレンスカード」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システム用)
+Silicon Power「SP002TBP34A80M28」
(2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2)

旧モデルもライバルも置き去りに

 冒頭で述べた通り、本稿では基本的なベンチマークのみにとどめる。最初に試すのはお馴染み「CINEBENCH R23」だ。10分間のウォームアップを経てスコアーを算出するデフォルト設定で計測した。

CINEBENCH R23: スコアー

 Ryezn 7000シリーズ、特にRyzen 9のマルチスレッドスコアーは圧倒的だ。12コア/16コアモデルでは旧Ryzenに対し36〜55%アップ、6コア/8コアでも28〜37%アップと伸び幅が凄まじい。Zen 3→Zen 4へのアーキテクチャー的進化、さらに動作クロックの引き上げといった要素が合わさることで性能は別次元の領域に到達したといえるだろう。シングルスレッドでも平均して25%程度は伸びている。

 Ryezn 7000シリーズは第12世代Core相手でも強い。Ryzen 9 7900XはCore i9-12900Kを上回り、最上位同士(7950X対12900K)ではマルチスレッドで40%差をつけてRyzen 9 7950Xが勝利している。

 ただCore i5-12600KとCore i7-12700Kのマルチスレッドスコアーはそれぞれの競合(7600Xおよび7700X)より高いが、これは第12世代Coreが持つEコアの差、そしてRyzen下位モデルのTDP 105W設定が壁となっていると推測される。ただシングルスレッドスコアーではRyzen 5 7600XやRyzen 7 7700Xが第12世代Coreを上回っている点は見逃せない。

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