Deep Consulting、AIが映像、写真内の顔を自動で保護する「Masking-AI」提供開始
東京大学発のAIベンチャーDeep Consulting株式会社は2022年9月13日、映像や写真データ内の人の顔など個人情報に関わる部分を自動で認識してモザイクのように消しこむ技術「マスキング」を行うAI「Masking-AI」の提供を開始。情報量の多い高精度の映像であっても、車のナンバープレートのモザイクで96%の精度など、高速で映像処理する。
ドライブレコーダーの普及によって、交通事故における情報の記録や処理が容易になる一方、映像には人物の顔や車のナンバープレートなど個人情報が多く含まれ、映像の公開や他社への引き渡しは、個人情報の流出による風評被害につながる可能性がある。個人情報保護法の改正やプライバシーの保護が重要視される近年、ドライブレコーダーの映像をはじめ、さまざまな映像内の個人情報を取り除くことが求められてきており、「Masking-AI」は課題解決を図る。
「Masking-AI」は既存の映像処理技術では困難だった、サーバーやソフトウェアなどの情報システムの自社運用(オンプレミス)の処理を可能とする。撮影された映像で、個人情報を特定し、マスキングにより取り除くことができる。ローカルネットワークによる処理が可能であるため、個人情報の保護が確実にできる。
高精度の処理が可能で、モザイクの精度はナンバープレートモザイクを96%、顔モザイクを91%の精度で高速処理する。数フレームだけ検出漏れがあった場合は、前後のフレームからモザイクを自動補完することでマスキング漏れを防ぐ。
また、顔のマスキングは約30フレームレート(fps)、ナンバープレートのマスキングは約20フレームレート(fps)までの映像で、リアルタイムにマスキング処理が可能。
想定される「Masking-AI」の活用用途は、ドライブレコーダーや店舗内の監視カメラの映像の引き渡しや公開する場合のほか、映像や写真などをテレビや動画メディアに公開する場合など幅広い。