日本と世界をつなぐ!ヌーラボが実践するエンジニアのコラボレーションに迫る
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リモートワークが普及して、遠隔地のメンバーと一緒に仕事をする場面が当たり前の現在。日本のみならず世界規模で展開しているのが今回取材した株式会社ヌーラボだ。福岡本社に加えて、東京、京都に拠点を構え、海外にはニューヨーク、オランダ、シンガポールに進出している。同社はプロジェクト管理ツールの「Backlog」、コミュニケーションツールの「Cacoo」、チャットツールの「Typetalk」、セキュリティオプションの「Nulab Pass」の開発と展開を進める中で、独自の文化を育んできた。今回はヌーラボの馬場保幸氏から、異なる場所でのコラボレーションに強みを持つエンジニアチームについてお話を伺った。
プロジェクト立ち上げ時に重要な意識合わせ「インセプションデッキ」
マスクド:馬場様の職務と、エンジニアチームの体制はどのような状況なのでしょうか。
馬場:私は取締役兼サービス開発部長として、プロダクト開発に携わるエンジニアチームをまとめる立場です。2006年に入社し、2018年頃に社内で部門を立ち上げる段階になってからは、サービス開発部長という役職に就いています。職務としては開発チームが使用する技術選定やエンジニアが取り組むべき業務の精査など、組織全体の方向性をまとめる立場です。
エンジニアの体制としては、職務や製品にチーム分けされています。メンバーの重複もありますが、現時点では20~30チームほどあります。
マスクド:ヌーラボではエンジニアが日本と海外の拠点に分散していますが、どのような形で離れた場所で社員同士を交流されていますか。
馬場:コロナ禍以前はオフィスに出社していましたが、現在はリモートワークに切り替えて必要に応じて出社する形です。各拠点における社員の交流ですが、コロナ禍以前に行っていた特徴的なものとしてGeneral Meetingという取り組みがあります。
これは年1回、海外も含めた全社員が福岡本社に一週間ほど集まる合宿のようなものです。そこで年度の振り返りや戦略の共有、海外で入社した社員の自己紹介などを行います。残りの日程はワークショップとして、スケボーやお菓子作りなど趣味で集まったメンバーで、音楽フェスのような催しが行われます。また、ハッカソンを開催して職種や国籍を越えたチーム同士で優勝を目指し、ハッカソンでの成果が製品に反映されることもありますね。
こうした取り組みの中で、社員へのアンケートや満足度の調査なども行っています。コロナ禍にもかかわらず、社員満足度は向上しており、数値の裏付けが重要だと実感しました。現在は全社員が一同に集まることができませんが、状況が変われば再度やりたいですね。
またヌーラボは居住地を問わない採用にすでに切り替えているため、北海道在住などでオフィスに出社できない社員も増えており、コロナ禍から脱してもリモートワーク中心の働き方を変えるのは難しいでしょう。しかしオフラインによるコミュニケーションも重要なので、チームとして最適な形を模索している段階と言えます。
マスクド:リモートワークでは社内コミュニケーションはチャットが中心になりますが、チームとして意識する点や注意することなどはありますか?
馬場:そもそもヌーラボはコミュニケーションやコラボレーションを実現するツールを提供しています。社員同士のコミュニケーションにおいても、入社時に社内コミュニケーションやダイバーシティを学ぶ研修を行って、社内コミュニケーションのガイドラインを共有します。
また、新規プロジェクトの立ち上げ時にはエンジニアチームのみならず、マーケティングや管理部などを含めたチームメンバー全員で目的やゴールなどの認識合わせを行う「インセプションデッキ」を実施しています。こうして全員の意識を統一することが重要ですね。こうしたルールや行動指針は、社内の文化を定着させる「Bridge」と呼ばれる部署を横断したチームが考案しています。
コミュニケーションの方法においてもチャットなどで文字情報ばかりに偏らず、オンライン作画ツールのCacoo(カクー)で図を示しながらイメージを共有することも重要です。文字だけでなく図を使えば、人が想像できる情報量はまったく異なりますし、メンバー同士で一緒に図や絵を描きながらディスカッションするなど役立っています。
また、リモートワークでお互いに認識のズレなどが起こらないように、1on1ミーティングを頻繁に行っています。人事評価に必要な1on1から、自由に話せる雑談なども行っていますし、希望があれば社長とも話せます。
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