AI在庫分析クラウド「FULL KAITEN」は死蔵在庫を利益に変える
無駄な値引き販売を抑制し、小売業の利益を最大化する
AIによる在庫価値の最大化が企業を利益体質に変革する
FULL KAITENのAIによる在庫評価は、評価対象の過去の売上データから評価モデルを生成している。特にアパレルなどの商品では、季節要因による変動が大きいため、過去の売上データから季節の特徴量を自動計算している。さらにFULL KAITENの利用を続けていくと、実売データを追加学習させることによって予測が進化していく。
「例えば浴衣というカテゴリーに対しては、過去にそこに属していた商品の売上データを使って、1月から12月までの間でどういう売り上げの変動を示すかという特徴量を抽出する。当然浴衣カテゴリーの商品は夏物にも所属するはずなので、夏物は1月から12月まででどのような特徴を示すかも計算する。もしかするとメンズ、レディース、キッズ、というカテゴリーにも属するかもしれない。それらが1年間を通じてどういう動きをするかというのを抽出する。
予測したい商品が所属している全カテゴリーの年間の特徴を示すデータも用いて完売予測日や売上貢献度を予測していく。FULL KAITENは未来の結果に影響を与える指標(先行指標)と季節の特徴量を考慮しながら予測をしている」(瀬川氏)
小売業が定点観測している在庫消化率は過去の実績データであり、そのような結果を示す遅行指標から将来の販促施策を立案しても予測が当たる可能性は極めて低い。FULL KAITENは単なる売上データだけではなく、期間や他の商品との関連性、売り場(店舗、EC)ごとの特徴などを組み合わせた「商品×売り場(店舗、EC)」という単位で完売予測日や売上貢献度などの先行指標を予測し、販促施策の企画者を支援する。
「FULL KAITENを導入すると、今ある在庫で利益を生み出す力がついてくる。そのような企業に対し、利益体質への転換を促すというのが我々が取り組んでいること。それができると大量生産が不要になり、大量廃棄も抑制されていく。そこに貢献するために我々の日々の営みがあると考えています」(瀬川氏)
倒産の危機に直面し、それを乗り越えてきた瀬川氏にとって、企業の利益体質の改善はいわばマイルストーンであり、その先にこそフルカイテン社の存在意義があるとする。大量生産・大量廃棄の時代の終焉を見据える同社の成長に期待したい。