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ECや小売店・飲食店からの宅配ニーズに応える、楽天が進めるロボット配送サービスの実現

連載
自動走行ロボットを活用した配送サービスの未来

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注文サイトと配送用ボックスの操作性を検証

 ロボットの走行実証は、2021年に7月19日~8月31日の期間に筑波大学構内にて実施。それに加えて、注文サイトの使いやすさや、配送用ボックスのインターフェースの操作性、商品の取り出しやすさの検証などが行なわれた。(走行の安全性や社会受容性の検証については、別記事参考:「ホンダのロボティクス技術×楽天の商品配送ノウハウで無人配送サービスを実現へ」

 注文サイトは、ドローンやロボットによる無人配送サービス専用のものとして楽天が開発したもの。配送用ボックスも、ホンダの実証機に搭載できるよう楽天が開発したもので、1つの操作パネルと4つの扉を備える。注文サイトに通知される暗証番号を、操作パネルに入力すると、商品が入っている扉が解錠されて受け取れるという仕組みだ。どの扉に商品が入っているかは音声でも案内される。

 注文サイトと配送用ボックスのモニターテストでは、初めて使う人も、自力で商品の選択から、お届け場所と配送時間の指定、注文の確定までを行なえた。その後、サイトに通知された暗証番号を、迷うことなく配送用ボックスの操作パネルに入力して、商品が入っている扉を解錠、音声ガイダンスに従って、商品の取り出しもスムーズに実施できたという。

注文サイトと配送用ボックスを工夫し、
人による配達と同等以上の利便性を目指す

 今回の実証で、注文サイトや配送用ボックスについて、実際のサービスにも使える水準であることが確認された。今後は、商品の受け取りをよりスムーズにするために、取り出し口の大きさ、取っ手の位置、操作パネルの視認性などを改善し、暗証番号以外の解錠方法についても検討したいという。

 ロボットが配送する場合、ユーザー自身がボックスから商品を取り出す必要があるが、今回の検証の結果も踏まえてさらなる使いやすさを追求し、ロボットならではのサービスも提供することで、人による配達と同等以上の利便性を実現することが目標だ。

 今後も宅配需要は拡大していく見込みであり、ロボットによる配送の無人化・省人化の必要性はますます高まっていく。

 2022年度、楽天は、パナソニック ホールディングス株式会社、西友株式会社と連携し、茨城県つくば市において、自動配送ロボットの公道走行による配送サービスを提供している。

 5月28日から7月30日までの約2か月間、毎週土曜日に、つくば駅周辺の約1000世帯を対象に、「西友つくば竹園店」で取り扱う商品を注文から最短30分で配送するもので、自動配送ロボットの公道走行による、スーパーの商品を注文から最短30分で配送するオンデマンド配送の実現は、国内初となる。

 楽天は今後も、ロボット配送サービスの普及に向けて、サービスの提供と注文サイトや配送用ボックスの改善を行なっていく予定だ。

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