宿泊客の声に自動対応。AIスピーカーとチャットで業務負担を軽減するTradFitのコンシェルジュサービス
宿泊・飲食業では人手不足の解消とコロナウイルス感染対策として、ロボットや自動化の導入が急速に進んでいる。TradFit株式会社は、宿泊施設向けにスマートスピーカーなどを活用したコンシェルジュアプリを開発している。2022年3月18日に東京・赤坂インターシティで開催された「JAPAN INNOVATION DAY 2022 by ASCII STARTUP」の企業ブースに出展。会場では、同社サービスの活用事例を紹介していた。
客室のEcho Showに話しかけるだけであらゆるサービスに自動対応
TradFitは音声AIスピーカーAmazon Echoを使った宿泊施設・宿泊ゲスト向けのコンシェルジュアプリケーションの開発を手がけている。Echo Show 8/5に対応し、音声やタッチパネル操作でフロントへの問い合わせ、客室備品のリクエスト、ルームサービス/清掃依頼、周辺施設の案内・予約依頼などが可能だ。
宿泊業界は慢性的な人手不足にある。多様化するニーズへの対応から、厳しい就業環境で離職率が高い。特に来訪者や客室からの問い合わせが集中するフロント業務は多忙を極める。宿泊客からのさまざまな問い合わせ対応の一部をAIに任せることで業務の効率化が図れ、加えて新型コロナウイルス対策として非対面・非接触によるサービスも提供できる。
インバウンド観光客の需要回復を見据えて多言語にも対応。現在、AIスピーカーは8言語(英語/日本語/イタリア語/フランス語/ドイツ語/スペイン語/ヒンディー語/ポルトガル語)、チャットシステムは16言語に対応しており、技術的にはさらに対応言語を増やすことも可能だ。
また他社サービスとの連携で、客室内をIoT化し、テレビ、エアコン、照明、カーテンなどの家電の操作にも対応可。動作の不自由な人やスイッチに手の届かない小さな子ども、高齢者でも音声で簡単に客室内の設備が使いこなせる。
管理画面はマルチデバイスに対応し、クラウド経由でリモート操作が可能。多拠点を持つケースの場合、運営スタッフが国内外の各施設に対して遠隔で最適なオペレーションを組むことで、さらなる業務効率化につながるという。
その他、AIスピーカーの利用データから個人情報を特定せずにパーソナライズされた属性データを蓄積し、BIツールで分析することで、業務効率化やサービス導入企業が保有する他の施設やサービスへのマーケティングにも活かせる。
宿泊施設にとどまらないサービス展開と知財体制
同社は創業当初から知財戦略に力を入れ、国内外の特許を数多く取得している。
例えば、AIスピーカーを多言語チャットボットとして使う「多言語チャットボット」、ロボットが客室の清掃状況を点検する「ロボット自動清掃点検」、AIスピーカーに話しかけることで旅行情報をレコメンドしてくれる基本特許技術「スマート旅行」、音声応答サービスを導入することでコスト削減効果を視覚化する特許「宿泊施設コスト削減視覚化」など、AIスピーカーに限らず、幅広いデバイスやサービスをカバーする知財ポートフォリオを構築しており、3月15日に発表された経済産業省・特許庁の第3回IP BASE AWARDのスタートアップ部門奨励賞にも選ばれている。
AIスピーカーやチャットボットを活用した問い合わせ対応の自動化・省力化は、ホテルなどの宿泊施設に限らず、介護施設や病院のニーズも高い。現在、TradFitには、不動産、民泊、小売り、モビリティーなど、さまざまな産業からの問い合わせが急増しているそうで、今後のサービスの展開に期待したい。
『JAPAN INNOVATION DAY 2022 by ASCII STARTUP』
【会場ブース展示交流会】
2022年3月18日(金)開場 10:00 閉場18:00
■会場
赤坂インターシティコンファレンス
107-0052 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 4F(the AIR)
【オンラインセッション配信】
2022年3月11日(金)〜3月17日(木)(土日を除く各日 18:00から1~2セッションを配信)
2022年3月18日(金)(10:00〜17:00を予定、複数セッションをLIVE配信)
■主催:ASCII STARTUP
■協賛:NTTコミュニケーションズ、TIS、D2Garage、玉川大学先進教育デザイン研究室
■協力:京都リサーチパーク、大阪イノベーションハブ、Fukuoka Growth Next、オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)、イベントレジスト、formrun、Peatix Japan
■同時開催:IPナレッジカンファレンス for Startup(特許庁)
■出展:NTTコミュニケーションズ、TIS、D2Garage、玉川大学先進教育デザイン研究室、TradFit、ABABA、Acculus、AFUR、AnchorZ、ARDe、AsMama、Catalu JAPAN、cotobox、Engineerforce、Hexabase、Hogetic Lab、Insight Tech、KINCHAKU、Medifellow、pickupon、PLEN Robotics、SandBox、Spacial、yuni、ZAICO、アドリブ、エイシング、エクストリームーD、エバーブルーテクノロジーズ、エフィシエント、ケップル、クォンタムオペレーション、コグニティ、テトラ・アビエーション、シェアウィズ、シーエス・ワークス、シナスタジア、バカン、パルケ、ヒュービシステム研究所、ミツカリ、モーションリブ、モノコトデザイン、オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)