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UR団地にロボットが配達。ドコモが進める遠隔監視による運行管理システム

連載
自動走行ロボットを活用した配送サービスの未来

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UR団地の入口から注文者の住棟まで遠隔監視下でロボットが配達

 実証実験は、独立行政法人都市再生機構が管理するUR賃貸住宅の金沢シーサイドタウン 並木一丁目第二団地(神奈川県横浜市。以下、「UR団地」)にて実施された。団地の入口付近に共通の荷積場を設置し、ロボットがUR団地内の通路を走行して、配達先の住棟1階の階段下まで配送する、というものだ。

 階段やエレベーターは使用せず、上階へは居住者本人や団地内の生活支援者が荷物を運ぶイメージだ。実証期間は合計5日間で、1日3~9ルートを走行し、UR団地内における非対面・非接触での配達の実現性、ユーザーの受容性、運送事業者によるロボットオペレーションの実現性、複数台ロボットの遠隔監視操作、通信環境などの検証が行われた。

 自動配送ロボットは株式会社テムザックのモビリティ「RODEM(ロデム)」をベースとして上下2つのスマートロッカーを搭載し、ロッカーは監視ソフトから遠隔で施錠・開錠する。走行中はNTTの通信網を経由して位置情報や障害物の検出状況が遠隔操作者へ伝送され、目的地への到着を確認したら、遠隔操作者が注文者へ電話で連絡する仕組みだ。

 UR団地内の通路は住民とのすれ違いが発生する可能性があるため、安全性に配慮し走行速度は最大時速2キロとかなりゆっくりとしたスピードに設定された。障害物検知にはデプスカメラやLiDARセンサーを搭載し、5メートル先の障害物を検知し、2メートル以内に近づいたら速度を50%減、70センチ以内では停止することで安全を確保した。

 今回の実証実験では、複数ロボットの車両管理はクラウドシステムにて実施しルート生成や効率配車も行った。それぞれのロボットがローカルで地図を作り、自律制御される仕組みであり、クラウド側で地図を持つような通信を活用した協調制御は行われなかった。また1人のオペレーターが遠隔監視しながら、3台のロボットを同時に自律走行したところ、1台が走行中に止まってしまい、オペレーションに迷うことがあったという。関係者は今後、複数のロボットが同時走行する場合の協調制御について検討していく必要があるとしている。

環境やニーズに合わせたサービス内容の検討、複数台の同時オペレーションに課題

 実証実験を実施したUR団地は、実際のサービス導入先になりうる環境ではあったが、個別の団地によって条件は異なる。今回の走行ルートは通路幅が2~5メートルと広く、住民やロボットとのすれ違いには余裕があったが、道幅が狭い通路や障害物がある場合などでの検証や、エレベーターのない団地では、1階からどのように住民が荷物を運ぶのか、といった利用者や事業者のニーズに応じて検討する余地がある。また団地でのロボット活用に向けては、運用コストの観点で複数場所・複数台の同時運用が必要であるため、実運用に向けては1人のオペレーターが何台のロボットを担当するかなども含めて検討が必要だ。

 将来は、他の団地や私有地などでの実証を重ねて安全性などの精度を高め、ナンバーなしでの公道走行が可能になれば、公道走行の実証へと進めていく予定だという。

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