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認知症リスクを検出する脳MR画像解析AI。デジタル連携がカギ

脳ドック用プログラムBrainSuiteで脳健康のための正しい生活習慣を知る

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このスタートアップに聞きたい

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AIによる認知症リスクの検出

 BrainSuiteは病院などにおける脳ドックプログラムにアドオンするサービスとして、認知機能低下のリスクや脳の健康状態をチェックするソフトウェアとして提供されている。測定した結果のレポートは脳ドックを受診したその日のうちに受け取れる。

 まず脳ドックで撮影されたMRIデータから脳MR画像解析AIを用いて海馬の体積測定を実施。このAIは2万5000例の脳MR画像データに基づいて東北大学加齢医学研究所にて開発されたもので、従来は半日がかりだった海馬の測定を1分程度で完了することができる。また、その精度についても脳科学研究のデファクトスタンダードとされているシステムと比較しても優位性を持っており、国際論文誌において、海外大学・研究機関からも検証されていると樋口氏。

 現時点でのリスク要因や記憶力・集中力のレベルを測定するオンラインテストでは、エーザイ社が提供する「のうKNOW」を搭載。これらはPCやスマートフォンを用いて20分程度で完了し、院内の待ち時間だけではなく自宅や空き時間などに気楽に終えられる。これらのテストから得られたデータから、東北大学が400名の健常被験者に対して約8年間にわたり継続的に取得した脳MR画像データと生活習慣データと比較評価を行われ、受診者の認知機能低下リスクを測定する。

 結果レポートには、海馬の体積測定によるその時点での脳の健康状態測定と、生活習慣データに基づく将来の海馬体積の推移だけでなく、生活習慣の改善に役立つ様々なアドバイスも含まれている。この生活習慣改善のための行動プログラムは、東北大学加齢医学研究所に所属している臨床心理士や行動療法士などの持つ知見を活用して開発されている。

レポートイメージ

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