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脱炭素社会をリードする革新技術のバッテリーが期待のスタートアップ5社

第42回NEDOピッチ「次世代バッテリーTech ver.」レポート

特集
JOIC:オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会

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産業廃棄物から生まれる素材で大容量蓄電池を製造する
LEシステム株式会社

 LEシステムは、廃棄物からのバナジウムの回収からバナジウムレドックスフロー電池(VRFB)の電解液の製造・販売までを一貫して行う専門メーカーだ。製造した電解液の特性評価の技術を合わせ、合計9件の特許を取得済みで、さらに2件が申請中となっている。

 VRFBには、もともと発火による事故の心配がないという安全性や電解液が半永久的に利用可能といった長寿命など、多くの特長を持っている。それらに加えて、昨今の災害対応や再生可能エネルギーの有効活用へのニーズの高まりにマッチする様々な特徴を持っていることが明らかになってきた。

 大容量の蓄電システムに適したVRFBは世界的な需要の高まりに対応してバナジウムの価格が高騰してきており、VRFBのコストの大きな部分を占めていた電解液コストの割合がさらに高くなってきている。LEシステムは発電所から出る石油コークスの燃焼煤などの産業廃棄物からバナジウムを回収し、電解液を製造する技術を持っている。さらに、電解液の性能評価を行う独自システムを開発し、これによってVRFBに最適な電解液の製造を可能にしている。

 既に福島県浪江町に電解液工場を建設し、今後は海外にも展開していきたいとするLEシステムは、もはやスタートアップを超えてグローバル企業になろうとしていると言ってよいだろう。

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