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米国のコネクテッドカー市場、COVID-19後に回復傾向へ。2025年までに5G対応のコネクテッドカーが市場の27%になる見通しに。

PR TIMES

Counterpoint Technology Market Research Limited
2020年、米国のコネクテッドカーの92%は4G LTEを使用。2020年から2025年の間に、8,000万台のコネクテッドカーが新たに増える予測に。

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、米国のコネクテッドカー市場は、COVID-19の猛威をまずまずの前年比6.8%減でかわして2020年を終え、米国におけるコネクテッドカーの累計出荷台数は2020年から2025年の間に8,000万台を超え、CAGRは10%になる見通しであるという調査結果を含むSmart Automotive Serviceによる最新調査を発表致しました。


2020年の上半期は世界中の自動車メーカーにとって辛い時期となりました。その理由は、COVID-19に対処するため、ほとんどのメーカーが生産拠点のシャットダウンを余儀なくされたことにあります。特に米国では、3月以降、Ford、GM、Volvo、トヨタ、ホンダを含むほぼ全社が、二か月近くにわたって生産を停止する事態となり、それに加えて、半導体不足、メキシコ湾沿いの化学プラントを操業停止に追い込んだ2月の嵐、寒波による燃料不足が招いた大規模停電などが、生産の遅延を悪化させました。米国の自動車販売は回復を続けており、2020年下半期は、前年同期比3%減と、2020年上半期の前年同期比21%減より改善しました。

米国のコネクテッドカー市場について、カウンターポイント社リサーチアソシエイトのFahad Siddiqui氏は以下の通りコメントしています。
「コネクテッドカーの販売は2020年下半期に、前年同期比で2%成長した。これは、コネクテッドサービスを求める消費者が増えたことと、後発のトヨタやFCA(Fiat Chrysler Automobiles)が、先行するGM、Fordなどに追いついてきたことによる。GMは引き続き市場のリーダーを維持し、2020年下半期の市場の1/4を占めた。AT&Tとの協業により、GMは2015年からOnStar 4G LTEとよぶコネクティビティを同社の車向けに提供してきた。今や、95%を超える車が純正のコネクティビティを提供し、利用者はホットスポットの表示やナビゲーションから車両の診断に至るまで、様々なサービスを楽しむことができる。使い切れないほどのサービスにワンタッチでアクセスできることに、消費者は魅力を感じている。」

図1: 米国コネクテッドカー販売市場シェア・自動車メーカー別 2020年H2

出典: カウンターポイント社Smart Automotive Service

Fahad Siddiqui氏はさらに次の通り続けています。
「通信キャリアとの協業によって、自動車メーカーが純正コネクティビティを搭載した車を市場に投入するスピードが速くなっている。AT&Tは30社以上の自動車メーカーが利用しており、有名メーカーではBMW、Ford、Chevrolet、Jaguar、ホンダの名前がある。一方でVerizonを利用するコネクテッドカーは、トヨタ、VW、マツダなど数えるほどであるが、近日中に増える見込みである。AT&Tが各社に好まれるのは、料金プランが豊富なこと、特定車種へのカスタマイズ、自動車メーカーのコネクテッドカーのエコシステムに関する研究開発支援体制が理由である。」

また、カウンターポイント社リサーチアナリストのSoumen Mandal氏は次の通り述べています。
「米国のコネクテッドカー市場は成熟しつつある。自動車メーカー各社の電動化の計画や、自動運転技術強化の姿勢も、市場の成長を加速している。GMは、電気自動車と自動運転の予算を、200億米ドル(約2.2兆円)から270億米ドル(約2.9兆円)に積み増し、新型の電気自動車30車種(北米仕向だけでそのうち20車種以上を占める)を今後5年間で市場に投入する計画である。さらに2022年には、GMは5G対応の車種を中国で、次いで米国で発売する予定である。また、Fordは、セルラーのvehicle-to-everything技術(C-V2X; 車車間・路車間通信)を、2022年から米国向けモデルに搭載する予定である。」

図2: 米国コネクテッドカーセールス・テクノロジーシェア別(%)

出典: カウンターポイント社Smart Automotive Service

通信方式の観点において、カウンターポイント社調査担当バイスプレジデントのNeil Shah氏は、次の通り述べています。
「2020年には、4G LTEセルラーによる通信が、92%と圧倒的なシェアだった。これからも4Gの普及は進み、3Gは徐々になくなるだろう。5G対応の車両も2020年から市場に現れたが、これは中国に限定されている。米国では5G対応の車両は2022年以降になるとみられ、BMWとFordが先陣を切って開発を進めている。2025年までには、5G対応車両はコネクテッドカー全体の1/4を超える見通しである。5Gによる通信の採用が増えるにつれ、それを活用したC-V2Xのニーズも高まる。その用途は、安全性の向上・インフォテイメントの充実・大量のリアルタイム車両データの処理である。自動車各社の強気の電動化プランや積極的な5G採用が、TCU(テレマティクス制御ユニット)サプライヤーの5G対応製品の拡充を後押しするだろう。」

※本プレスリリース内のコネクテッドカーは、ネット接続機能を純正で搭載した乗用車を意味します。

本記事の内容の詳細なレポートである Recovering Passenger Car Sales Drive Connected Cars Market は、report.counterpointinsights.comよりお求めいただけます。最新調査、分析、プレスリリースに関しては、お気軽にpress(at)counterpointresearch.comまでお問い合わせください。


【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/