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フィンテック企業の収益力が高まりを見せる一方で、従来型の銀行はデジタル専業のサブブランドで対抗

PR TIMES

キャップジェミ二
キャップジェミニ、ワールド・フィンテック・レポート2021を発表

【2021年5月26日、パリ発】 キャップジェミニとEfmaは本日、ワールド・フィンテック・レポート2021を発表しました。フィンテック部門は、オペレーション/ファイナンス両面で全般的な試練に直面したものの、バーティカル系が2ケタ成長を記録する等、新型コロナウイルス感染症の世界的流行下でも底堅さを見せ、次の発展段階(黒字化)に近づきつつあります。フィンテックが一般ユーザー間で受け入れられ、収益化の手前まで来ている現状に対して、従来型の銀行はデジタルに特化した事業体を立ち上げて、特定の顧客層へのアピールを図っています。



ワールド・フィンテック・レポート2021(英語版) はこちらからダウンロードできます。https://fintechworldreport.com/

フィンテック企業の半数強 (51%) は、パンデミックによるロックダウン期間中、人材採用・新人研修・データ保管の関連コストが急増したため、資本準備金に影響が出るものと予測しています。不安定な状況にも拘わらず、フィンテック部門のディール行為 (M&A、プライベートエクイティ、ベンチャーファイナンス等を含む) は2020年Q4に、前年同期比で11%増となり、4年連続の下落から反転しました。多彩な商品ラインナップを持つフィンテックも、投資家の支持を得つつあります。成長したフィンテックは、有望な競争相手/パートナーとしての価値が認められます。本レポートは、発展後期のフィンテック企業が関わったディール行為が、2019年から2020年にかけて9%増となった動きを伝えています。

感染拡大により、世界規模でデジタルモデルへの移行が進んだことも、フィンテックのシェア獲得にとって追い風となりました。それが業界の競争に火をつけ、既存の銀行はヒートアップを肌で感じています。グローバルで見ると、迅速なニーズ充足・パーソナルなサービス・便利さを希求する一般ユーザーの25%が「新興プレーヤーのバンキング商品を試してみる」と回答しました。

ユーザーがフィンテックの受け入れを進める一方で、従来型の銀行に対する信用も揺らいでおらず、68%が「自分のメインバンクが運営するデジタル専用のサービスを試してみる」と答えています。既存の銀行は、長年パッチを当ててきたオペレーションや、絡まり合ったレガシー系のテクノロジー/ビジネスモデルを抱えており、業務改革(トランスフォーメーション)には相当な試練が伴うでしょう。しかもコロナ禍の余波で「アクションの先送りが選択肢たり得ない」ことは明らかです。

キャップジェミニの金融サービス部門CEO 兼 グループ常務理事会メンバーであるアニルバン・ボーズのコメント:「フィンテックを活用したデジタル化の推進は、あらゆる銀行が喫緊の課題として戦略行程に組み込む必要があります。どのプレーヤーも鋭敏かつ具体的に動くべきです。万人に合うようなフリーサイズのアプローチは存在せず、銀行がオールデジタルのサブバンクを同等に作ることはできません。短期の収益性と、長期の成長を両方とも実現できるプレーヤーは、来るフィンテック時代の勝ち組となれるでしょう」

切れ目のないデジタル エンゲージメントの潜在性らか
既存の銀行は、自らの強み (グローバルな認知度と顧客の信用) を梃子としつつ、弱み (レガシーITやカスタマーエクスペリエンス) に対処することで、今後も時代の要請に応える存在であり続けるべく準備を進めています。ユーザーファーストの姿勢は最優先事項であり、セクターの進展に伴って、銀行はニッチなマーケットにも対応し、ローカルな顧客の需要を充足する必要があります。各銀行とも、切れ目のないデジタル エンゲージメントの潜在性を認識しています。調査に協力した銀行業界エグゼクティブの63%が「デジタル専業のサブブランドでユビキタス・バンキングが可能になる」、50%が「新商品のスピード投入に役立つ」、52%が「プラグ&プレイ機能により、エコシステムとの連携が容易になる」と回答しました。

本レポートは、既存の銀行がデジタル専業のサブバンクを設立する際に採用できる3つのアプローチ (グリーンフィールド、ブルーフィールド、ブラウンフィールド) を紹介した上で、相応しい (ライトフィールド) 手法により、ビジョンを掲げ、基礎を固め、バックアップ体制を整えて長期的な成長を牽引するよう推奨しています。旧態依然とした発想やビジネスモデルは、デジタル専業バンクの発展を阻害することになります。例:親銀行の長期的なサポートがない (47%)、親銀行の顧客基盤を食い合う (カニバライズする) ような短期戦略に乗り気でない (43%) 等。半数以上 (55%) は、デジタル専業バンクの価値提案や訴求力の不足に頭を悩ませています。フィンテックの影響力と市場シェアが伸び続ける中で、従来型の銀行は「顧客の目には触れないオペレーション(ミドルエンドとバックエンドの業務)面の最新化を図りつつ、デジタル専業バンクを幾つか立ち上げ、特徴的な顧客セグメント (複数) にサービスを提供する」というハイブリッド・モデルの進展に努めるべきでしょう。

EfmaのCEOであるジョン・ベリー氏のコメント:「パンデミックに付随して、従来型のリテールバンキング環境に求められる水準は、更に厳しくなりました。既存の銀行がその存在意義を保持したいのなら、プラットフォームを活用したモデルを採り入れ、お客さまのライフスタイルに合うように金融を組み込むべきであり、今こそその時なのです。先延ばしは、もう選択肢に入っていません」

本レポートは、成熟したフィンテック企業が長期的成長と収益性を求める際に採用できる4段階のアプローチも提示しています。具体的には、商品の多様化で幅広い顧客層を引き付ける、エコシステムを組成して新たな強みを作る、各種のサービス・機能・データをマネタイズする (収益源に育てる)、新たな市場セグメントに打って出る、といったものです。

消費者グリーンバンキングに高い関心示す
既存の銀行は、業界の競争激化に加えて、グリーンで持続可能な経営へのシフトを求めて高まる社会や規制当局のプレッシャーにも晒されています。「Global Retail Banking Voice of the Customer survey 2021」によれば、消費者の65%が、ペーパーレス化・再生可能エネルギーの活用・生物分解性カードの採用等を通じて、銀行にCO2排出量の削減を求めています。消費者の3分の1近くが、グリーンな商品やサービスに対して追加料金を支払う、又は環境や社会に配慮した商品を求めて別の銀行に乗り換える、と回答しました。デジタル専業バンクは、その性質上、ペーパーレス化や無支店ネットワーク等、持続可能なファイナンスをサポートする上で有利な立場にあります。

レポート手法
ワールド・フィンテック・レポート2021は「Global Retail Banking Voice of the Customer survey 2021」、「Retail Banking and FinTech Executive surveys and interviews 2021」、「ワールド・フィンテック・レポート2021エグゼクティブ運営委員会 (世界中の銀行・フィンテック・テクノロジーパートナー・VC・ビジネスイネーブラを代表する経営幹部で構成)」という3つの主要データソースからの洞察に基づいています。これらは、下記33のマーケットで得られた知見をカバーしています:オーストラリア、ベルギー、ブータン、ブラジル、カンボジア、カナダ、中国、デンマーク、フランス、ドイツ、香港、アイスランド、インド、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、モンゴル、ミャンマー、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、セルビア、シンガポール、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、UAE、英国、米国。


キャップジェミニについて
キャップジェミニは、テクノロジーの力を活用して企業ビジネスの変革・管理を支援するパートナーシップにおけるグローバルリーダーです。キャップジェミニ・グループは、テクノロジーを通して人々が持つエネルギーを解き放つことで、包摂的で持続可能な未来を目指し、日々まい進しています。私たちは、世界約50ケ国の27万人に及ぶチームメンバーから成る、極めて多様的で責任感の強い組織です。キャップジェミニは、50年にわたって積み上げてきた経験と実績そして豊かな専門知識を活かし、クラウド、データ、AI、コネクティビティ、ソフトウェア、デジタルエンジニアリング、プラットフォームなど、急速に進化するイノベーティブなテクノロジーを原動力として、戦略から設計、オペレーションに至るまで、お客様の幅広いビジネスニーズすべてに対応して、お客様から厚い信頼をいただいています。グループ全体の2020年度の売上は、160億ユーロです。

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Efmaについて
1971年に一部の銀行・保険会社によって設立されたグローバルな非営利団体であるEfmaは、意思決定者間のネットワーキングに貢献しています。銀行や保険会社がイノベーションを育み、自らの業務変革を推進する上で正しい判断を下すのに役立つ、質の高い見識を提供します。133ヵ国の120金融グループがメンバーに加盟。本部:パリ。拠点:ロンドン、ブリュッセル、アンドラ、ミラノ、ストックホルム、ブラチスラバ、ワルシャワ、モスクワ、イスタンブール、ベイルート、ドバイ、東京、シンガポール、シドニー、モントリオール。
詳細:www.efma.com


◆本件に関するお問い合わせ先
キャップジェミニ株式会社
マーケティング・コミュニケーション部
marketingjapan.jp@capgemini.com