RTX 3090や3080との差はどの程度か?
今回はRTX 3080 Tiが既存のRTX 3090や3080に対しどの程度の性能を発揮できるのかを検証する。ビデオカードは全てFE版で統一し、Resizable BARを有効化した状態で検証した。ドライバーはRTX 3090 FEおよび3080 FEが466.47、RTX 3080 Tiはレビュー用βドライバーとなっている。
【検証環境】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」 (16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)、 |
CPUクーラー | Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」 (簡易水冷、280mmラジエーター) |
マザーボード | GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」 (AMD X570、BIOS F33i) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」 (DDR4-3200、16GB×2)×2 |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 3090 Founders Edition」、 NVIDIA「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」、 NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」、 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」 (NVMe M.2 SSD、1TB) |
電源ユニット | Super Flower「SF-1000F14HT」 (80PLUS Titanium、1000W) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」 (May 2021 Update) |
ほぼRTX 3090 FEと同等のスコアーを記録した「3DMark」
では「3DMark」のスコアー比べから始めよう。RTX 3080 Ti FEはSM数が絞られているとはいえ、メモリーバス幅がRTX 3080 FEよりも広いので、RTX 3090 FEとRTX 3080 Ti FEは僅差だが、RTX 3080 Ti FEとの間には少々ギャップができると推察される。
予想通り、RTX 3080 Ti FEはRTX 3090 FEに近いが、RTX 3090 FEを超えない地点に着地した。ざっくりと性能比を計算すると、RTX 3080 Ti FEを100とした場合RTX 3090 FEがおよそ102〜104、RTX 3080 FEがおよそ90〜95という感じになる。もっとも、このスコアーは実ゲームでの挙動と違う部分が多少あるため目安にしかすぎないが、上位製品を超える“下剋上”はない。ただ、市販のビデオカードの場合、OCの具合次第ではRTX 3090に並ぶ、あるいは超える可能性も十分にある。
高解像度ほど差がついた「Rainbow Six Siege」
では実ゲームベースの検証に入ろう。まず「Rainbow Six Siege」では、APIはVulkanを選択し、画質は“最高”をベースにレンダースケール100%を追加。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
もともと描画負荷が軽いゲームであるため、RTX 3090 FEと3080 Ti FEの差はないに等しい。ただ、解像度が上がり描画負荷が上昇すると、両者の差は徐々に開く傾向にある。RTX 3080 Ti FEは3080 FEより平均フレームレートで最大9%程度高い結果を出しているが、こちらも解像度が高くなるほど差が開く。
300fpsキャップが厳しい「Apex Legends」
描画の軽いFPSゲームその2として「Apex Legends」でも試してみよう。画質は最高画質設定とし、起動オプションで明示的にフレームレート上限解除「+fps_max unlimited」を追加した。「CapFrameX」を利用し、射撃練習場における一連の行動をとった時のフレームレートを計測した。
+fps_max unlimitedを指定しても300fpsで上限になるうえに、RTX 3080 FEでも場所によっては300fps付近を維持できるため、今回試した3GPUの差は極めて小さい。強いていえば重いシーン(筆者の検証では、バンガロールのスモークを炊いてその中に入った時)では、RTX 3080 FEが落ち込みやすいため、スペックで上回るRTX 3080 Ti FEが有利になる。
RTX 3090 FEの方が微妙に高いフレームレートを示しているが、費用対効果という点ではRTX 3080 Ti FEに軍配が上がる(ただし、Apex LegendsにRTX 3080 Tiはオーバースペックではという議論はこの際無視する)。
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