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使ってみようSlack入門 ~使い倒して業務効率アップ! 第19回

毎日リマインダーメッセージを送り、質問フォームで回答を収集する

毎朝全社員に体温を報告してもらうワークフローをSlackで作る

2021年03月31日 08時00分更新

文● 柳谷智宣 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

提供: Slack

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 Slackのワークフロービルダーを使えば、定型作業を自動化できる。前回記事ではまず、あらかじめ用意されたテンプレートを使って基本を紹介したが、今回は目的に合わせてイチから自分でワークフローを作ってみよう。

 新型コロナウイルスによって、企業では社員の体調を把握するのも大切なリスク管理業務のひとつとなっている。出勤する社員には基本的に毎朝検温してもらい、微熱があれば体調が悪くなくても大事をとって休んでもらう。そんなルールを作った会社も多いだろう。しかし毎日の検温となると、つい“慣れ”で忘れてしまう社員もいる。

 本人は体調が悪いと感じていないのに、実は熱が38度もあったというような話も聞く。毎朝の検温と、その把握は大切な作業だ。毎朝きちんと体温測定をし、報告してもらえるような仕組みを作りたい。

 そこでワークフロービルダーの出番となる。ワークフロービルダーは、さまざまな条件をトリガーとして、メッセージを送信したり、フォームを作成したりすることができる。たとえば毎朝、社員全員に「検温してください」というメッセージを自動送信するのも簡単だ。

 とは言え、単に「検温してください」だけだと味気ないし、積極的に協力しようという気持ちにはならないかもしれない。さらに、体調が悪い場合にどうやって、誰に報告すればいいのかもわかりづらい。社員の協力を得やすいように、もう少しユーザーフレンドリーな仕組みを構築してみよう。

 具体的にはまず、平日の毎朝決まった時間に、体調アンケートに回答するようリマインダーのメッセージを送信する。社員はショートカット(メッセージ欄の左にある稲妻アイコン)からアンケートフォームを開き、体温や咳の有無を選択して回答できるようにする。回答はすべて人事担当者に送信され、同時に回答してくれた社員にはお礼のメッセージを送信する。

 アカウントメニューから「ツール」→「ワークフロービルダー」をクリックし、ワークフロービルダーが開いたら、右上の「作成」をクリックする。

 ワークフローに名前を付けたら、開始方法(トリガー)に「ショートカット」を選び、投稿するチャンネルとショートカット名を入力する。ここでは「体調アンケート」というワークフロー名にした。

「体調アンケート」ワークフローを新規作成する

ワークフローを開始する方法(トリガー)は「ショートカット」を選択する

どのチャンネルで使えるようにするかを選択。ショートカット名も指定して「次へ」をクリックする

 ワークフローの作成画面が開いたら「ステップを追加」をクリックする。追加するステップは「フォームを送信する」を選択しよう。フォームの編集画面が開くので、タイトルに「体調アンケート」、質問のタイプには「一覧から選択」を選ぶ。「○○度です」とテキスト入力してもらうこともできるのだが、会社として知りたいのは発熱があるかどうかなので、選択式にしておくほうがユーザーフレンドリーだろう。この質問は必ず知りたい項目なので、「これを必須に設定」にチェックを入れておく。

「体調アンケート」ワークフローの作成画面。まずは「ステップを追加」をクリックする

ワークフローステップの追加画面。「フォームを送信する」の横の「追加」をクリックする

フォームの内容(質問と回答)を設定する

 ここで咳の有無も確認したいならば、「質問の追加」をクリックして、「咳は出ますか」という質問と「はい」「いいえ」の回答項目を用意すればいい。

 続いて「提出された回答をチャンネルまたはDMで他のメンバーに送信する」にチェックを入れ、報告を受けるチャンネルやDMを指定し、「保存する」をクリックする。

「質問の追加」をクリックし、2問目を作成する

「提出された回答を~」にチェックを入れ、報告を受けるチャンネルやDMを指定し、「保存する」をクリックする

 ここまでの作業で質問フォームの表示と回答の送信(回収)はできるようになった。回答者にお礼のメッセージを送信すると、それ以降の回答率が上がるかもしれない。そこでワークフローにステップを追加して、今度は「メッセージを送信」を選択する。

 メッセージの編集画面が開いたら、まずは送信先を選ぶ。今回の場合は「体調アンケートをクリックしたユーザー」となる。そして、お礼のメッセージを入力し、「保存する」をクリックする。

 これで準備完了だ。右上の「公開する」ボタンをクリックして、ワークフローを有効化しよう。

ワークフロー作成画面に戻ったら「ステップを追加」をクリックする

「メッセージを送信」をクリックする

メッセージを作成し、「保存する」をクリックする

右上の「公開する」をクリックして、作成したワークフローを有効化する

 では実際にショートカットをクリックして、試してみよう。ワークフローを設定したチャンネルへ行き、メッセージ欄の左にある稲妻アイコンをクリックすると「体調アンケート」が表示されるようになっている。これをクリックするとポップアップでフォームが開くので、体温と咳の有無を選択し、「Submit」をクリックする。すると、人事部に入力内容が送信され、同時に社員にはお礼のDMが届く。

ショートカットで「体調アンケート」を起動する

フォームが表示されるのでアンケートに回答する

回答完了後、お礼のメッセージが送られてきた

人事部にはアンケート回答結果が送信される

 続いて、毎朝このアンケート回答を促すメッセージを送信するワークフローを作成する。新規ワークフローを作成し、今後はトリガーとして「スケジュールされた日付と時間」を選ぶ。

 作成画面が開いたら、開始する日付と時間を設定。頻度は「月曜から金曜まで毎日」を選んだ。定休日が週末でない場合は、「カスタム設定」で任意の曜日を指定することも可能だ。

 ステップはもちろんメッセージの送信。送信先を指定して、送信する本文を入力すれば準備完了。右上の「公開」ボタンをクリックしよう。

新しいワークフローを作成。トリガーでは「スケジュールされた日付と時間」の横にある「選択する」をクリックする

開始日付と時間、実行頻度を選択して「次へ」をクリックする

ステップを追加し、「メッセージを送信」を選択する

メッセージの送信先とテキストを入力して「保存する」をクリックする

指定時間に投稿する準備が完了!(画面はテスト投稿)

 以上の作業で、平日の午前9時には体調アンケートに回答してもらえるよう促すメッセージが投稿されるようになった。アンケートの回答はSlack上でまとめて確認することができ、また社員もお礼メッセージをSlackで受け取ることができる。

 昨年のコロナ禍の発生を受け、今回の検温のような新たなルールをあわてて用意した企業も多いだろう。しかし、そうしたルールに合わせて業務システムを短期間で改修するのはなかなか難しい。ワークフロービルダーでサクッと簡単にシステム化、自動化ができれば、緊急事態にも対応しやすいと言える。ぜひ試してみてほしい。

(提供:Slack)

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