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ワークフローや連携アプリ、クリップ、ハドルも利用可能、最新機能の総まとめ

「Slackコネクト」と「ゲスト招待」の正しい使い分けは? Slackが説明

2022年07月29日 14時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 Slack Japanが2022年7月27日に開催した「Slackコネクト」のカスタマーラウンドテーブルでは、すでにお伝えしたとおりGMOインターネットとクラウドネイティブの2社がそれぞれの活用事例やノウハウを紹介した。

 これに加えてSlack Japanの伊藤哲志氏からは、Slackコネクトがもたらすメリットや最新の機能、「チャンネルへのゲスト招待」とどう使い分けるべきかといったことが説明された。この説明をベースに、あらためてSlackコネクトとはどんなものかをまとめておきたい。

Slackコネクトは、社内と同じように社外メンバーとのコミュニケーション、コラボレーションを可能にする仕組み

セールスフォース・ジャパン Slackマーケティング本部 プロダクトマーケティング ディレクターの伊藤哲志氏

「チャンネル」のメリットを社外にも拡張するSlackコネクト

 2020年6月に提供が開始されたSlackコネクトは、取引先やパートナーといった社外の組織(外部ワークスペース、最大250)と特定のSlackチャンネルを安全に接続し、共有できる機能だ。有料プランの組織どうしで利用が可能であり、双方の組織に属するユーザーならば誰でも参加することができる(Enterprise Gridプランの場合は、相手組織が無料プランでもSlackコネクトによる接続が可能)。

 伊藤氏は、Slackが“デジタルHQ(デジタル上の働く場所)”を実現するうえでの最大の特徴は「チャンネルベースのコミュニケーション」にあると強調する。チャンネルとは「メンバーが集まって仕事を進める場所、会議室」のようなものであり、トピックやプロジェクトごとに、自由かつ柔軟に作成できる。

 Slackチャンネルには「パブリックチャンネル(公開)」と「プライベートチャンネル(非公開)」の2種類がある。パブリックチャンネルは「ガラス張りの会議室のようなもの」(伊藤氏)で、すべての社員がそこでのやり取りを参照でき、興味があれば自ら議論に参加することもできる。一方、プライベートチャンネルにすれば、限定されたメンバー以外はのぞくことができない、セキュアな情報共有が実現する。

 「これら2つを使い分けることで、社内におけるオープンコミュニケーションとセキュアな情報共有、これを両立させることができる」(伊藤氏)

Slackがデジタル上の働く場所=“デジタルHQ”を実現するうえで、最大の特徴が「チャンネル」である

 Slackコネクトは、こうしたチャンネルのメリットを、社外の取引先やパートナーとのコラボレーションにおいて実現するものだ。最大250の外部組織と特定のチャンネルを共有して、社内のメンバーとまったく同じようにコミュニケーション、コラボレーションすることが可能だ。

 「安全に情報を取り扱うメリット、スピーディな共同作業ができるメリット、より密な関係を構築できるというメリットを、社内と同様に社外のお客様、パートナーとも享受できる。これがSlackコネクトの大きなメリットだ」(伊藤氏)

Slackチャンネルがもたらすメリットを、社外の取引先やパートナーとも享受できる

ワークフローや連携アプリ、クリップ、ハドルも利用可能

 実は、Slackコネクトで接続できるものには2種類がある。組織(ワークスペース)間でチャンネルを接続する「Slackコネクトチャンネル」(ここまで「Slackコネクト」と表記してきたものはこちら。以下同様)、メールのように組織外の特定個人とDMのやり取りを可能にする「SlackコネクトDM」だ。後者は、組織どうしがチャンネルを接続していなくても使うことができる。

 「Slackコネクトチャンネルで組織どうしをつなげる前に、担当者間でSlackコネクト DMを使ってあらかじめネゴシエーションを行い、ちゃんと調整できたら組織どうしをつなぐ。こうした運用が多く行われている」(伊藤氏)

SlackコネクトチャンネルとSlackコネクトDM

 Slackコネクトで共有したチャンネルでは、メッセージやファイルのやり取りができるのはもちろん、ワークフローや連携アプリも社内のチャンネルと同じように使うことができる。そのため社外の相手との共同作業においても、業務の自動化や効率化といったメリットが享受できる。

Slackコネクトでは、社内のチャンネルと同様にワークフローや連携アプリも使える(自社独自のカスタムアプリ、スラッシュコマンドは除く)

 さらに、動画や音声でコミュニケーションができる「クリップ」や「ハドルミーティング」の機能も、Slackコネクトの共有チャンネル上で使えるようになっている。

 「クリップは“非同期型”で、お互いが同じ時間にインターネット上にいなくてもコミュニケーションができるので、テキストと組み合わせることでより密な関係構築ができる。一方のハドルミーティングは“同期型”で、同じ時間にSlack上にいれば、ちょっとした会話やコミュニケーションができる。『今ちょっとよろしいですか?』という具合に、本来であればお客様訪問をしなきゃいけないようなやりとりも、ずっとスピーディに行える」(伊藤氏)

短い録画/録音をチャンネルで共有する「クリップ」、ワンクリックで音声/ビデオ会議ができる「ハドルミーティング」も利用可能

Slackコネクトとゲスト招待の違い、使い分け

 Slackでは、Slackコネクトの登場以前から「ゲストアカウント」(ゲスト招待)の仕組みを提供している。これはSlackコネクトとどう違い、どう使い分けるのが良いのだろうか。

 ゲストの場合は、社外の特定個人に対して自社の特定チャンネルに参加できるアカウントを発行し、参加してもらうかたちとなる。単一チャンネルに参加できるゲストアカウントであれば一定数(1有料ユーザーあたり5アカウントまで)無料で発行できるが、複数チャンネルに参加するゲストアカウントの発行は、通常の有料ユーザーアカウントと同様となる。また、ゲストアカウントが停止された場合、ゲストからは過去のやり取りを参照できなくなるという課題もある。

 Slackコネクトの場合は、組織単位でつながる仕組みであり、ユーザーを個別に招待する必要はない。チャンネルへのメンバーの追加も簡単だ。また、双方のチャンネルにやり取りの記録が残るので、コネクトを解除しても閲覧できなくなることはない。ちなみに、コネクトを通じて共有できるチャンネル数は無制限だ。

従来からあるゲスト招待とSlackコネクトの違い

 こうした違いをふまえ、伊藤氏はSlackコネクトとゲストアカウントの適切な使い分けについて次のように説明する。

 「個人、もしくはまだ組織としてつながる一歩手前のパートナーなどは、まずゲストとして招待する。ただし複数のチャンネルに参加してもらうには、ゲストの方のぶんもコストが発生する。組織どうしでコラボレーションできるフェーズまでビジネスが進んでいるのであれば、Slackコネクトが追加コストなしで使えるので、Slackコネクトでコミュニケーションやコラボレーションを社外にも広げていただきたい」(伊藤氏)

Slackコネクトチャンネルとゲスト招待の使い分け

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