■北海道弁で言うところの「踏まさる」感覚
注いでみると、確かにサラサラ。氷点下二桁台の朝でもセルモーターは軽く回ってくれる上に、放っておけばカチャカチャ鳴り始めるエンジンも、6000キロ以上交換を引っ張ってまだ静かで、それなりに粘性も維持されている。寒冷地でオールラウンドに使えるオイルとして、これは良いものかも知れません。
ただ、良いオイル共通の問題として、燃費は良くなりません。静かに回るということは摩擦も低く、熱効率も高く、燃費も良くてしかるべきですが、それを超えて人間が踏んでしまうんですな。音が喧しければ右足にリミッターもかかるんですが、そうでもなければ踏んでみたくなるのが人情。北海道弁で言うところの「踏まさる」というヤツです。
エンジンとの相性もあるでしょうが、普段からエンジンの回り加減を楽しみたい私には、7000円は安い買い物でした。むしろ、こんなオイルをこの値段で売られたら、趣味性の高い製品で勝負している専業メーカーはどうなるのか、そっちが心配です。
燃費にうるさいこのご時世、純正オイルに求められる性能は上がる一方。トヨタのキャッスルオイルも化学合成油にシフトし、いち早く最新のSP/GF-6A規格に対応して、4リッター3000円台前半というお値段。年間生産300万台、国内販売分だけでも150万台からの新車に使うオイルですから、精油メーカーも色々無理を聞いてくれるのだろうと勝手に想像しております。
やはり巨大企業に歯向かってはいけません。このGRモーターオイルシリーズの「Circuit」はさらに粘度指数が高く、フリクションも低いそうですから試してみたいものです。今年も距離を伸ばせそうもありませんから、寿命の短さは気にならないでしょう。
それではまた。
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