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選ばれた6社がファイナルラウンドでピッチバトル

配達効率を89%アップさせるアプリが受賞「TechCrunch Startup Battle Online 2020」ファイナルラウンド

2020年12月21日 09時00分更新

文● アイデアスケッチ 編集●ASCII STARTUP

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TechCrunch Startup Battle Online 2020

 新型コロナウイルスの影響により開催が見送られていた「TechCrunch Tokyo 2020」の目玉イベント「TechCrunch Startup Battle Online 2020」がオンライン開催し、12月14日から18日の5日間にわたって熱いピッチバトルが繰り広げられた。過去最多となる約130社の応募の中から20社がファーストラウンドに進出。その中からさらに選ばれた6社が18日(金)のファイナルラウンドで競い合った。

 審査員は、グローバル・ブレイン株式会社代表取締役社長の百合本安彦氏、マネックスグループ取締役会長/代表執行役社長/CEOの松本大氏、DRONE FUND 創業者/代表パートナー、千葉道場ファンド ジェネラルパートナー、慶應義塾大学SFC特別招聘教授、航空パイロット(自家用操縦士)の千葉功太郎氏、DNXベンチャーズインダストリーパートナーの山本康正 氏、US TechCrunchのNeesha.A Tambe(ニーシャ・タンべ) 氏、そして、司会進行はJustin Patterson(ジャスティン パターソン)だ。

宿泊業界のDX を推進するクイッキン社の「aiPass」

クイッキン株式会社・COOの山田真由美氏

 トップバッターは唯一の女性の登壇者、クイッキン株式会社COOの山田真由美氏だ。クイッキン株式会社では非効率な宿泊施設の運営を改善するために「aiPass」という独自のオペレーションシステムを2020年2月にβ版、11月に正式リリースした。たとえば、チェックイン・チェックアウトの作業をDX化することで、業務負担の軽減と顧客データの取得という両面でのメリットがあるという。さらに、顧客分析やメール配信などの「マーケティング」、混雑状況やクーポンなどの「ホスピタリティ」、サイトコントローラー連携やスマートキーなどの「業務効率化」といった3つのカテゴリーでプラグインを提供。コストメリットとして、自動生産機やホテル管理システムなどを利用する既存の運用よりも98%削減可能だという。

 すでに、国内最大手のホテル運営会社との業務提携を実現しており、最終的には22兆円もの旅行市場を目指しているということだ。松本氏から「導入のためのハードル」について質問され、「施設側としては、「今まで導入したことがない」ことがハードル。しかし、段階的に導入していけば、施設の負担や不安もなく導入できている。」と答えた。

経営管理に特化したログラス社のUX「Loglass」

株式会社ログラス・代表取締役の布川友也氏

 株式会社ログラスの代表取締役・布川友也氏は企業の経営管理を1クリックで自動化する「Loglass」を紹介。開発のきっかけは経営管理業務においてミスをした実体験によるのだそうだ。工数や多部署とのやりとりが多く、ミスが起こりやすい業務だからこそ、経営管理に最適化したUX「Loglass」を開発した。使い方は直感的でシンプル。必要な情報を簡単に集約させ、数値の可読性・正確性を実現するのだ。年間コストとしては、Excelを使用する場合と比べて、77.5%削減可能だという。

 正式公開わずか4ヵ月で総契約額6000万円を突破したとのことだ。布川氏の思いとしては、「日本の株式時価総額である600兆円を10%引き上げること」。千葉氏による「上場企業が対象になる?」との質問に布川氏は「当初は上場企業が対象だと思っていたが、未上場からの問い合わせも増えている。」と現状を伝えた。

物流のラストワンマイルにフォーカスした「TODOCUサポーター」「スキマ便」

207株式会社・代表の高柳慎也氏

 207株式会社はアナログ作業や人材不足という課題が山積している物流業界における課題を解決するサービスを提供している会社。その中でも特化しているのが、物流のラストワンマイルである「配送」部分にフォーカスした事業だ。まず高柳氏は、変革が進んでいない配達領域として、7割が個人事業主で、配送完了後に報酬が決定される業界の特徴を伝えた。

 そこで配達効率を89%アップさせる配達員向けのアプリ「TODOCUサポーター」を紹介。自動生成による配達マップや受取人のリアルタイムの在宅状況などが一目でわかる配達員にとってうれしい機能が搭載されているのだ。すでに広告費ゼロにも関わらず、口コミのみで3000名を超える配達員が利用しているという。

 「TODOCUサポーター」を使えば使うほど、在宅予測や配送ルート、玄関の待ち時間などのデータが蓄積し、配送効率化が進む。さらに、この「TODOCUサポーター」の技術を応用することで、同じ配送先の荷物をまとめて配送することで効率をあげる「スキマ便」という独自の配送サービスも展開。人手不足や頻発する再配達によって「荷物を運びきれない」という課題を解決するサービスだ。今後、遊休スペースや遊休車両を有効活用し、2024年には全国で1万箇所の配送拠点を持つことを目指しているという。

モノを簡単に資金化できるアプリ「CASHARI」(カシャリ)

ガレージバンク株式会社・Co-Founder/CEOの山本義仁氏

 元銀行員である山本義仁氏と元質屋である磯田岳洋氏が手がける「CASHARI」はモノをスマホアプリで査定し、その“価値”を資金化するサービスだ。その方法はとても簡単。アプリのガイドに沿ってスマホで撮影するだけで、なんと最短30秒で査定が完了し、すぐにコンビニのATMで現金を受け取ることができるのだ。しかも、そのモノの発送は不要だという。その後、利用者は「買い戻す」「期間の延長」「手放す」の3つの選択肢から自由に選べばいい。当然、利用料はかかるが、利用総額のイメージとしては買い戻す場合、買取代金の10~15%程度だそうだ。

 実際に、フリマアプリでモノを販売したことがある20~40代をターゲットとしており、大手フリマアプリが獲得している2065億円もの市場に参入することだ。現在、プロモーションをしてないにも関わらず一日100件もの利用があり、2021年には完全自動化を目指し、トラクションを増加させていく考えだ。

与信サービスの立ち上げをサポートする「X Crezit」

Crezit株式会社・代表取締役の矢部寿明氏

 企業が与信サービスを導入するためには銀口座連携や信用機関接続、反社チェックなど、膨大な要件と資金が必要となる。そういった課題を解決し、早期の与信サービスの立ち上げを可能にするのがCrezit株式会社の「X Crezit」だ。与信サービスを立ち上げることにより、不動産ポータルサイトやクラウドソーシングサービスなど、さまざまなサービスに組み込むことが可能となる。

 Crezitとしては、システム料や貸付金利・レベニューシェア、事業開発・運用支援などを通して、利用企業と成長できるビジネスモデルを展開する。今後、テクノロジー・プラットフォーマーや新興フィンテック企業、既存の金融機関にアプローチするだけでなく、資本市場や投資家への貸付債権のジェネレーターとしての役割も見据えている。これからもテクノロジーと金融に知見のあるバランスの取れたメンバーで推進していくという。

LTVを最大化するカスタマーサクセス支援ツール「Onboarding」(オンボーディング)

株式会社STANDS・代表取締役CEOの露木諒氏

 株式会社STANDSが提供するのは、SaaSプロダクトにJavaScriptを埋めるだけでユーザー体験を今より簡単に、直感的に変え、LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)を最大化させるSaaSのためのSaaS「Onboarding」だ。露木氏によると、ユーザーに負担を強いるソフトウエアの体験により、プロダクトの収入機会の損失が起きており、その課題解決のために「Onboarding」を開発したという。

 サービス事業者の視点からすると、自社プロダクトをプレビューしながらガイドを設定可能で、プログラミングの知識が必要なく、誰でも利用できる。さらに、エンドユーザーの視点としては、目的を達成するためのアクションが整理されており、直感的に行なうことができる。まさに、エンドユーザーと事業者の双方をハッピーにできるサービスなのだ。

 実際に、広告代理店向けのSaasに導入したところ、LTVが1.3倍アップ。動画マーケティング支援ツールを展開する企業においては、ユーザーが自力で解決できるフローを導入することで、問い合わせをゼロまで削減できた。今後、 あらゆる産業がSaas化へシフトすると見込まれ、「Onboarding」がSaasシフトを支えるハブとして活用される見込みだ。

スポンサー各賞を発表。最優秀賞は207株式会社が獲得!

 1時間以上にわたるファイナルラウンド終了後には審査が行なわれ、ファイナリスト20社からスポンサー賞、ファイナルラウンドに進んだ6社から最優秀賞が選出された。スポンサー賞は下記の通り。

PR TIMES賞 株式会社ログラス
AWS賞 株式会社NIMARU TECHNOLOGY
BMW賞 株式会社フツパー

207株式会社が最優秀賞を受賞

 そして、今年の最優秀賞に選ばれたのは、207株式会社だ。代表の高柳氏は「正直思ってなかったので驚いています。物流のラストワンマイルの領域はまだポテンシャルが高く、課題も多いので、スピードアップして取り組んでいきたいと思います」と喜びと抱負を語った。今回、オンラインでの開催となった「TechCrunch Startup Battle」。ファイナルに残った6社以外においても、さらなるスタートアップの活躍が期待されるイベントとなった。

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