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「YOXO BOX」イベントレポート 第21回

YOXO BOX 横浜ベンチャーマップ完成記念イベントレポート

コードミー、Trimが語る横浜で起業するメリット、デメリット

2020年12月16日 09時00分更新

文● 飯島範久 編集●ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

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 約1年前にYOXO BOXが開設して以来、さまざまなイベントを開催してきた。その中の1つに「横浜ベンチャーマップ」というトークイベントがある。これまで3回行なわれてきた。そして、その目的である横浜を拠点とするスタートアップをマップ上に配置して、より多くの人に知ってもらおうという企画が、ようやく完成した。ただ、これが終点ではなく、今後もさまざまな情報を追加していき、誰もが利用してもらえるマップを目指していく。今回は、2020年10月23日にその完成イベントとしてYOXO BOXで行なわれた模様をお届けする。

横浜市のスタートアップ支援は目標を大きく上回る

横浜市経済局 新産業創造課担当係長の奥住有史氏

 まず、横浜市経済局からYOXO BOXを含めたベンチャー支援の実績について語られた。昨年度の実績は、スタートアップの支援件数は、20件の目標に対して79件。イベントの参加者数は1000人の目標のところ1448名にのぼり、いずれも目標を大きく上回っている。

 また、横浜での起業・立地件数は30件の目標に対して40件、支援企業が受ける資本投資額は30億円の目標に対して、36.4億円と、こちらも目標をクリアしている。

 横浜市経済局 新産業創造課担当係長の奥住有史氏は「with/afterコロナの時代を迎え、スタートアップ企業は非常に注目されています。スタートアップには、このコロナ禍で新しいビジネスを担えるのではという期待があります。引き続き横浜市として支援を行なっていく所存です」と語った。

手前は有限責任監査法人トーマツ横浜事務所の村田茂雄氏

 続いて、YOXO BOXの運営企業でもあるアスキースタートアップのガチ鈴木と有限責任監査法人トーマツ横浜事務所の村田茂雄氏が登壇し、これまでの横浜ベンチャーマップイベントについて振り返った。

 ガチ鈴木は「横浜ベンチャーマップイベントは、昨年YOXO BOXがオープンしたあとに、横浜のスタートアップってどんなところがあるのかという問い合わせがあり、村田氏とスタートアップを紹介できるイベントを作りたいと話をした、というのがきっかけです。昨年度は3回イベントを開催し、スタートアップ経営者にご登壇いただいて、情報を伝えるとともに、横浜での起業についても紹介していきました」とイベントを始めた経緯について語った。

アスキースタートアップのガチ鈴木

 そして、今回ついに横浜ベンチャーマップを公開。現在は、掲載許諾の取れた企業のみを掲載中。今後も、横浜に主たる事業所があり、YOXOBOXで支援した企業等を中心に随時追加していく予定だ。

横浜を拠点とするスタートアップに訊く!

 続いて、横浜を拠点とする2社のベンチャー企業、株式会社CODE Meee 代表取締役 太田賢司氏とTrim株式会社 代表取締役 長谷川裕介氏が登壇。横浜で開業することの意義や課題、期待について話を伺った。まずは、登壇した起業の概要を簡単に紹介しよう。

株式会社CODE Meee 代表取締役 太田賢司氏。香りを軸にした事業を起ち上げ「新しい香りのライフスタイルで世界に彩りを与える」というミッションの元、ソリューション・フレグランスとブランディング・フレグランスを展開。YOXO BOXの起ち上げ時より関わっていて、ガジェットまつりやみなとみらいでのイベントでも登壇している。横浜市在住

 株式会社CODE Meeeは、大手の香料会社で研究職を10年間続けた太田氏が、そのバックグラウンドを生かして2017年に設立。「香り×テクノロジー」の力で、新しいライフスタイルの創造や地方独自素材を使った香料開発で地方創生を目指すなど、香りの新たな可能性を唱えるフレグランスイノベーターとして活動している。すでに大手企業と連携し、人の心を動かす香り事業の共創を行なっており、脳波と香りの相関性を研究中。個人だけでなく企業もターゲットにしており、今年に入ってからは医療施設でも検証を開始している。

 太田氏は「注力しているのはDtoCで、コロナ禍で長時間マスクを着けていると不快な臭いに悩まされるという声が多く、マスクに特化したプレミアムアロマスプレーを4月に発売しました。これは自分たちの脳波分析に基づいて、快適度とストレス軽減度に特化した香り、実際に有意性が認められた独自の香りの調合で展開しています。消臭だけではなくて花粉対策にも使っている方もいまして、非常に好評をいただいています。更には香りを自分用にカスタマイズするサービス「コードミーワン」があります。ウェブ上で簡単に5つの設問に答えて自分好みの香りにカスタマイズしていくのですが、オプションでTwitterと連携すると、最新の投稿データ200件分をAIが解析をして、いまの精神状態に基づいてさらにオリジナルの香りを作るという、ちょっとギークなサービスになっています。香りのパターンは3000以上なのですが、いくら言葉で説明しても香りばかりはオンラインで届けられないので、ぜひ実際に体感していただきたいと思っています」と語った。

Trim株式会社 代表取締役 長谷川裕介氏。お母さんたちが生まれたばかりの赤ちゃんとお出かけしたときにサポートする設置型簡易設置タイプの完全個室ベビーケアルーム「mamaro」を開発し、商業施設や自治体を中心に設置活動をしている。「All for mom. For all mom.」のミッションの元、これからもお母さんたちに何かいいものを届けていきたいと考えている。横浜市生まれ、在住

 続いてTrim株式会社は、長谷川氏の母親が他界したことをきっかけに、母親を助けるサービスを行なう企業として2015年に設立。育児問題だけでなく社会課題も解決できるインフラとして2017年7月から完全個室のベビーケアルーム「mamaro」のサービスを展開している。

 長谷川氏は「小さい赤ちゃんを連れてお出かけしようとしたとき、訪れた施設に授乳室がなかったりおむつ交換台が探せないというケースが多く、あっても大人数で使用することが想定されていて、このコロナ禍では密になるということで開放されていないところもあります。一方施設側とすれば、そうした部屋を新しくつくることに設置するのに時間とコストがかかってしまい、簡単にはできないという事情もあります。そこで開発したのが「mamaro」です。畳1畳ほど程度のスペースに設置ができて工事は不要。さらに、完全個室のプライベート空間なので、夫婦で一緒に入っても構いません。このコロナ禍では密になりにくいので、非常に注目されています。また空き状況をアプリから確認できるので、無駄足になる心配もありません。設置実績は200台(10月23日時点)。大企業さまを中心に、いろいろな取り組み、特にお母さんたちを支援したい、子育て環境を良くしたいと思ってくださる企業さまとご一緒させていただいております」と語った。

 ここからは、アスキースタートアップのガチ鈴木が進行役として話を伺った。

ガチ鈴木(以下鈴木) まず、横浜で事業を始めた理由はなんでしょう。

太田賢司氏(以下太田) 率直に言いますと、家が横浜だったということです。スタートアップを始めるにあたり、最初は、いかに固定費を下げ、いかに筋肉質な会社にいかにするかが問われます。ここなら家は近いし、電車に乗らなくていいので、横浜で創業しました。あとは横浜が好きだということです。

鈴木 (私も地元なので)休日に太田さんとばったり会ったことがありましたね。では続けて長谷川さまはいかがでしょう。

長谷川祐介氏(以下長谷川) 僕は生まれも育ちも横浜ですし、いまも住んでいるので、横浜での起業にまったく違和感はありませんでした。逆にいうと、東京で起業したくないというほうが大きかったです。個人的に満員電車が大嫌いなので。もちろん横浜は大好きですし、このエリアが大好きというのも大きいとは思います。

鈴木 では、横浜で起業して、事業を進めていく上で感じたメリットとデメリットはいかがでしょう。

太田 メリットは、やはり毎日満員電車に乗らずに済むのでストレスがかからないことです。満員電車だけでなく横浜のいいところは、都会でありながら海などの自然もあり、都心よりはストレスを感じさせない場所なんです。

 もう1つは、横浜市からいろいろとスタートアップを盛り上げる手厚いサポートが充実していることですね。具体的に言うと、去年私がニューヨークで行われたイベント「TechDay」に参加しようとしたとき、そのブース出展料や向こうでのツアーを組んでいただいたりと、すごく支援していただきました。

 逆にデメリットは、コロナ前の話になりますが、打ち合わせや勉強会、会食が大体都内ということですね。ただ、いまはコロナ禍によって基本的にオンラインにシフトしてるため、そのデメリットは小さくなってきたと感じています。

鈴木 やはり移動は時間がかかりますよね。コロナ禍によってオンラインにシフトしていますが、また元の状態に戻る可能性もあります。でも、オンラインの便利さを知ってしまうと、戻りたくなくなる気持ちも生まれると思います。そこは、ハイブリッドに対応して、さまざまな形でコミュニケーションが取れるようになればいいかなと思います。長谷川さまはいかがでしょう。

長谷川 地価が、東京の渋谷とか、それこそスタートアップが集積してる五反田などに比べても圧倒的に安いのでメリットが大きいですね。固定費はスタートアップをかなり締め付けるので、初期に起業する場所としてオススメです。

 あとはスケールしていく中で、どうしても増床する必要になったときに、都内で一度スタートしてしまうと、従業員の関係もあってその場所を外せなくなってしまいます。そうすると、どんどん固定費が膨らんでいってしまうため、横浜ならすごく経済的なメリットがあると思います。

 もう1つは、やはり窓から外を見たときに海があり、空が広いというだけでも、気持ちの部分が変わりますね。

 一方、デメリットは、コミュニティーが少ないと感じています。たとえば、都内だと志が高い人が多いので、すごく競争が激しいと感じるのですが、横浜だけで見てしまうと、そこまで激しさを感じないので、「これでいいかな」と思ってしまうことがあります。また、時間に対しても少し緩くなりがちなので、その辺をコントロールするためにも、このエリアにたくさんのスタートアップが出てきて、お互い刺激し合える環境になることを期待しています。

村田茂雄氏(以下村田) 結局、東京のほうが、情報が集まったり人が集まったりするので、成功しやすいと素人考えだと認識してしまうのですが、それでも横浜で起業する魅力って何でしょう。

太田 そう考えてしまう理由は、おそらく情報があるかないかということだと思います。私としては、東京でも横浜でも大して変わらないという認識で、いまどき必要な情報はフェイスブックでも流れてきます。

 横浜で起業してやる気のある人は、大体東京のスタートアップとつながっているはずです。だから基本的に横浜だろうと東京だろうと、必要な情報は自分から取りに行けばいいだけです。なので、東京と横浜との差は、ほとんどないと個人的には思っています。逆に、さっき申し上げたメリットのほうが大きいと思います。

長谷川 東京のほうが成功率が高いというイメージが果たして正しいのかは、僕も太田さんと同じ意見です。逆に東京でないと成功しないのであれば、そのビジネスモデルはもう瓦解(がかい)しているし、マーケットが小さいと思っています。

 そういう意味では、失敗が多いのも東京だと思うので、そこでしか勝負ができないのは、起業家としてどうかなって感じてしまいます。

 あとは逆張りをすることがスタートアップのような気もしていて、みんなそんな同じ方向を見ている時点でどうなんだろうと。うちもすごくニッチな事業をやらせてもらってますが、だからこそ、そこに一点突破できる力みたいなのは出やすいと個人的には思っています。

村田 太田さんのおっしゃるとおり、情報やリソースの格差が出やすいかもしれませんが、横浜は東京に近いので、行けばすぐ取れるし、逆に横浜にいても何とかできるみたいなところがあります。でもこれが、たとえば私が以前いた長野だとまた違って、「東京へ出張」となっておおごとになります。横浜だから程よい距離感で成り立つのかもしれないですね。

太田 それはありますね。たとえばベンチャーキャピタルに会いに行くといったときでも、横浜だと渋谷ならすぐ行けますし。

鈴木 もちろん東京のほうが多様なコミュニティーが数多く存在していますが、横浜からでも参加できますし、地方よりは断然いろんなところにつながる可能性が高いのは、横浜の1つの強みなのかなとは感じています。

公開されている横浜ベンチャーマップ

鈴木 今回完成したベンチャーマップをご覧になっての感想をお聞かせください。

長谷川 意外とこの界隈に集中していると思いましたし、こんなにあるんだというのが率直的な感想ですね。これでもすべてが載っているわけではないそうですので、横浜はスタートアップが少ないと言われていますが、これだけ集積しているなら、もう少しコミュニティーなどが活性化してもよいかなという印象を持ちました。

太田 私も「こんなにあるんだ」と思ったのが正直なところです。自分が知らない会社さんも結構多く、こうしてマップで可視化されるのは、すごく大事だと思いました。もっとこれをコミュニティーで活用できればと感じました。

鈴木 今回は、横浜のどこにどれだけのスタートアップがあるのか可視化することが目的で、今後はYOXO BOXを含めた支援拠点やコワーキングスペース、金融、実証実験や特区などといった情報も掲載していきたいと考えています。このマップの活用法としてはどういうことが考えられるでしょうか。

長谷川 やはりたくさんの人に見てもらいたいし、つくっておしまいではもったいなさすぎます。せっかくマップっていう名前が付いているならば、スタートアップにとっての道標的な意味がどんどん付加されていくのを期待していて。先ほどおっしゃったような、スタートアップに必要な情報であったり、僕らが主体的に情報を取りに行くべきだけど実際にはなかなか難しい部分を、フォローアップいただけるような何かがあったり。それこそ、市の支援活動を分かりやすくまとめるなど、そういうものになれば、活用方法がもっと広がると期待しています。

太田 個人的にはまず、本気で横浜に住んでいる人たちみんなの認知度を上げるなら、このマップの見せ方を考えるべきだと思います。おそらくこのままでは存在すら知られないと思います。そこでたとえば、大型商業施設にある巨大モニターにこれを映して、週替わりで1つのスタートアップにフューチャーして映像を流すぐらいのことが必要だと思うんです。ホントに知ってもらうならテレビを利用するのも必要でしょう。

 あとは、みなとみらいにせっかくビルボードやZeppといった施設ができているので、そこでお披露目会をやってみたり。それぐらい派手に、横浜のいまのリソースを活用して、横浜の企業環境のブランディングも兼ねて、このマップを本気で浸透させるということを考えるべきだと思っています。

鈴木 PR、マーケティングの概念からすれば、つくって終わりではダメで、それをどうやって広く伝えていくかというところをしっかり考えていくべきという点は、すごく痛感してるところです。

 今回、アスキースタートアップ内で公開するマップはイラスト付きで、見やすく注目してくれるような仕上がりになっています。ここから、Googleマップ版の横浜ベンチャーマップへもアクセスが増えていければと思っています。

横浜のスタートアップコミュニティーに求めるものとは

鈴木 横浜のスタートアップコミュニティーはこうなってほしいという希望はありますか?

長谷川 先日、横浜のスタートアップの方々と採用系のイベントをオンラインでやったのですが、視聴者は少なかったものの、実は僕の会社のCTO候補がそこから見つかったんです。そういうイベント通じて出会った起業家のみなさんは、結構ステージも似ていると、結構同じ悩みを抱えていたり、僕らより先行している人たちからすると「こういうこともあるよ」とリスクを教えてもらえたりと、とても勉強になる会でした。

 でも、そういった「勉強会です」みたいのではなくても、お酒を飲みながらフラットに話せて、経営者どうしで悩みを相談できる間柄といった感じのコミュニティーがいいなと個人的には思っています。

太田 起業家のコミュニティーっていう意味でいうと、横浜ってさまざまなアーティストさんがいらっしゃるので、何かそういうクリエイティブに携わっている人たちと横浜のスタートアップの経営者の情報交換会とか、どういうふうに横浜をブランディングしていくと面白いかとか、そういった横浜ならではのダイバーシティーのコミュニティーができて、未来の横浜を議論できると個人的には嬉しいです。

村田 先ほど、起業家とつながりにくいとおっしゃっていましたが、何が原因でそう感じるのでしょう。コミュニティーをつくっていく中で、起業家どうしがつながるというのもポイントだと思うのですが、どうすればもっとつながりやすくなれるかなと思いまして。

太田 自分のケースだと、ベンチャーキャピタルの出資先が一緒だったり、アクセラレータプログラムに参加したときの同期という仲間が多く、そのほとんどが都内の起業家なんです。そのため都内の起業家とのネットワークのほうが圧倒的に多いというのがあります。ただ、最近は横浜でもアクセラレータプログラムがいろいろ出てきているので、今後は増えてくるかと思っています。

長谷川 そもそも、イケてる起業家のノウハウは知りたいですが、特に参考にならない起業家もたくさんいるので、いろいろと勉強になるようなところとつながりたいというのが正直なところですよね。

村田 要は、東京や横浜といった地域ではなく質の問題ということですね。質の高いコミュニティーがまだ横浜にできてないという。

鈴木 でも正直、その「第一歩」みたいなところも少ないと感じています。質のいい方に出会う確率でいくと、東京なら毎晩のようにミートアップをやっていて、そういう方々に出会う確率が高くなるのではと思っています。

 なので、横浜に起業家が集まるような定番の飲み屋みたいなのがあるといいと我々スタッフでも話していたりします。コロナ前ですけど、YOXOのイベントはコミュニティー活動を意識したイベントで、「集まった人たちは関内の街に消えていきましょう」がコンセプトでした。このコロナ禍では難しい状況ですが、続けていければなとは思っています。

YOXO BOXでやってってほしいこととは

鈴木 YOXO BOXでのベンチャー支援に期待するところとは?

太田 やはり、せっかくまとめていただいたベンチャーマップに載っている企業のPR的なところを支援していただけると個人的にはありがたいなと思っています。

長谷川 予算的な面では、PRではないしょうか。あと、支援メニューは、僕も気付いてないだけで、結構あるのではと思っています。ただ、支援しているということをが善しとしていて、結果に対してコミットできているのかという点が、たまに疑問に思ってしまうケースもあります。一緒に伴走していただけるのは、すごくありがたいことなので、どうせなら同じ目標、目線感でやっていただけると非常にありがたいし、力強いなと感じます。

鈴木 YOXO BOXが開設して1年。事業や経営に、具体的に役立ったといったエピソードはありますか?

長谷川 僕は先程のYOXO BOXで知り合った方からのお誘いでイベントができ、人材を確保したことですね。それはば実際の利益になりましたし、このイベントがなかったら、その方の採用もできなかったと思っています。

太田 私もYOXO BOXのイベント経由で知り合った方からのお話が事業的なことにつながった例があります。あとは、ここでのイベントに登壇させていただいたときに海外の知り合いができたりといった、人のつながりができたメリットはありますね。

鈴木 大企業とのやりとりやオープンイノベーションでは、いまどんな動きがありますかという質問がきています。

長谷川 動きがあるかどうかはわからないですが、事業シナジーみたいなところでいうと、多くの企業さまとパートナーシップを結ばせていただいていますので、コロナ禍で一旦は落ちましたが、今は7割程度回復していますのであまり関係ないですね。

太田 オープンイノベーションという文脈にあてはまるかわかりませんが、コロナ禍においても、実は企業向けのサービスは関係なく伸びていますので、基本的にB向けの事業もできています。

 あとは大手の企業さんと連携して新しい事業をつくり出そうという動きは、いまもオンゴーイングで行なっています。それはコロナ禍によってなくなったことはなくて、いまも継続していますし、新しい連携のお話もいまいただいています。

鈴木 おそらく質問の意図は、これまで大企業のミッションとして、スタートアップと一緒に動き、新しい事業を生み出すことになっていたところ、そのあたりの動きが止まってしまっているのではと危惧しているのではないかと思いました。

太田 弊社の場合は、結構いまでもお話をどんどんいただいていて、デベロッパーさんはもちろんですが、旅行・観光業界の方から「こんなふうに共創しませんか」というお話をいただいていますね。

村田 大企業側は、ものすごく意識が変わってきていて、コロナ禍によって価値観も変わりましたし、ライフスタイルも変わってきますから、何かしなければならないという危機感はすごく持っています。

 ただ、その危機感と実際の現場の行動との間で、意識はしているけど実際には社内稟議を通せないとか、いろいろな問題を抱えていると思います。そういう意味で、大企業はすごく苦しんでいるというジレンマはあると思います。

鈴木 あと、コミュニティーという点で、実際このコロナ禍で新しく出会う方法でみなさんやられていることはありますか?

長谷川 僕らって目的をもって人に会おうとすると思います。そういう人にどうリーチするかという手法でいうと、コロナ禍によってオンラインでミーティングするようになり、ハードルがすごく下がりました。遠くてなかなか会いに行けないとか、そういった人にもオンラインでつながるので、いろんな人につながりやすい世の中に逆になったと思います。新しい出会いというよりは、狙って会いに行く、一緒にやっていくということがやりやすくなったと感じています。

太田 そういう意味では、コロナ禍になって出会い方は変わったと感じています。ある共通のテーマを持って、それに関係する、興味ある経営者どうしが話すようなオンライン飲み会に参加すると、オンラインだからこそできるんだろうなとすごく感じました。個人的には、リアルの場で飲みたいと思いますけどね。

鈴木 そうですね。コロナ禍が終息したらリアルへ戻るかと思いますが、オンラインの便利さも圧倒的にあると思っています。展示会も徐々に復活してきましたが、そのあたりはオンラインだと難しかったり、逆に海外イベントではオンラインで参加しやすくなったりしてますので、ハイブリッドなところをどう生かしていくのか、出会いの場をつくるにあたって、どう活用していくべきか考えなければならないと思っています。

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