国土交通省、新型コロナウイルスに対応した今後のまちづくりを検討
国土交通省は8月31日、『新型コロナがもたらす「ニュー・ノーマル」に対応したまちづくりに向けて』と題した発表を行なった。
新型コロナ危機(新型コロナウイルス流行)を踏まえて、今後の都市のあり方にどのような変化が起こるのか、今後の都市政策はどうあるべきかについての検討で、さまざま分野の有識者(61名)に個別ヒアリングを実施。そのほか地方公共団体、都市開発・公共交通・情報通信関係の事業者にもヒアリングを実施した結果をまとめたもの。国土交通省都市局では、今回整理した都市政策の方向性に向け、具体的な実現方策を検討するための検討会を設置するという。
新型コロナウイルスの流行を受け、テレワークの普及により都市(オフィスなどの機能や生活圏)には変化が生じて東京などの都市中心部のオフィス需要は変化、東京への一極集中が緩和されることが予想され、その一方、オンラインでは代替できない「リアルで人が交流する場」が求められる。これに対し、職住近接に対応するまちづくりや郊外における居住兼働く場の生活圏の創出が期待される。
また、公共交通機関における通勤者の減少への対応や、近距離交通では自転車へ転換する動きへの対応といった、まちづくりと一体化した戦略の見直しも求められる。また、都市の公共空間(オープンスペース)のあり方も検討するとしている。
さらに、ビデオ会議やオンラインイベントなどによって注目されるIT分野では、さらに都市機能の一部もデジタル空間へと移行される。すでにソーシャルディスタンス維持のための過密対策として、人の動きや密度を把握する動きがなされているが、パーソナルデータの活用や新技術の利用によってさらなる取り組みが重要としている。