●個人情報は取得されない
冒頭、「COCOAアプリにはデメリットがない」と書いた。まだ、インストールしていないユーザーは「COCOAアプリを入れると個人情報が抜き取られるのではないか」と不安を抱いている人も多いのではないか。電話番号や位置情報、電話帳などが共有されるのではないかと思っている人もいるだろう。
確かに海外の接触確認アプリは、それらの個人情報を取得するものも多い。一方で、日本のCOCOAアプリは徹底的に個人のプライバシー保護に配慮した仕様となっている。インストールする際に個人情報などの登録は一切不要。COCOAではアップルとグーグルが提供したAPIを使用し、スマホ間のBluetooth通信をすることで、濃厚接触者を記録し続けるという仕様となっている。
平副大臣は「(個人情報の取り扱いについては)中国が一番マッチョで日本とドイツが最もプライバシーに配慮している。我々のアプリはインストールもオプトインだし、陽性登録もオプトイン。インストールであれこれフォームを入力するものは途中で断念されてしまう。そのあたりのハードルも低くした。(中国のやり方ならビッグデータが蓄積されるかもしれないが)コロナがあったからといって中国のような社会になるのは、国民の一人としてまっぴらごめん。私は政府の一員で事務方の責任者だが、このような仕組みでやりたいと決めた」と語る。
COCOAは相当、日本人の個人情報に対して神経質な面を配慮して設計されたものだ。しかし、それでもまだ「個人情報の扱いが不安」という声もあるのは事実のようだ。
平副大臣は「私のTwitterアカウントにも『監視社会はごめんだ』『何となく怖い』と言った声がたくさん寄せられているが、できるだけ丁寧にお返事するようにしている。なぜ台湾でできること、アメリカでできることが日本でできないかという指摘がある。それは台湾の人はみんなICチップ入りの保険証を持っている。しかし、日本は何となく怖いからマイナンバーカードを持たない。アメリカ政府は銀行口座情報を把握しているが、日本政府はそんな情報を持っていない。新型コロナ影響で世界がどうなっているか、知った方も多いでしょう。これを機会に意識が変わってくるのではないか」(平副大臣)。
この連載の記事
-
第197回
トピックス
なぜソフトバンクやKDDIのネットワークは強いのか 「2.5GHz帯のTD-LTE」最強説 -
第196回
トピックス
F1の裏に“レノボ”あり 500TBのレースデータを高速処理 -
第195回
トピックス
格安スマホ、キャリアより「シンプルで安い」とふたたび注目 -
第194回
トピックス
中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負 -
第193回
トピックス
ドコモが狙う“スマホの次“ iPhoneから「Vision」の時代へ -
第192回
トピックス
KDDI「povo」世界進出へ “黒子に徹する”新ビジネスとは -
第191回
トピックス
スマホ基地局を安くする ドコモとNECが世界展開する「オープンRAN」とは -
第190回
トピックス
KDDI対ソフトバンク “快適な5G”競争に本気出す -
第189回
トピックス
ドコモはユーザーの期待を裏切らないよう、品質改善に資金をつぎ込んでいくべきだ -
第188回
トピックス
楽天・三木谷氏、モバイルの次は“AI” アマゾンとの違い強調 -
第187回
トピックス
能登半島地震、携帯キャリア“異例”の共同会見 ライバル同士が手を取り合い、復旧活動する時代に? - この連載の一覧へ