仕事で使えるビジネス版LINEである「LINE WORKS」(ワークスモバイルジャパン)の連載では、アカウント作成の基本からビジネスシーンでの活用術、便利なTipsなどを紹介していく予定。第37回は、100人以下の会社がLINE WORKSを導入すべき理由について解説する。
近年、IT化が進んでいるようなイメージがあったが、新型コロナウイルスの影響でテレワークが広まるにつれ、日本企業の多くでいかに旧態依然とした仕事の仕方が蔓延しているかが明るみに出た。
連絡はメールか電話。新型コロナウイルス患者の情報をFAXで届け出て個人情報が流出したとニュースになったが、今でも情報共有に紙を使っている企業は多い。Excelを使っているとしても、それぞれのパソコンにコピー、孫コピーされており、情報が分散してしまっている。貴重なノウハウは属人化し、備品管理はできていない。会議室の予約はホワイトボードで管理しているが、ダブルブッキングはざら。
こんな状態では経営の効率化なんて夢のまた夢だ。しかし、中小規模の企業であれば、コストを抑えながらLINE WORKSでこれらの課題を解決できる。今は、変われる企業と変われない企業に分かれる勝負どころだ。デジタルトランスフォーメーションとまで大きく構えないでも、まずはできるところから動いてみるために、今回は100人以下の会社がLINE WORKSを導入すべき8つの理由を紹介しよう。
理由1:100人までの組織ならフリープランで利用できる
LINE WORKSはビジネスチャットサービスを軸とした企業向けプラットフォームサービスだ。社内コミュニケーションから一斉周知の情報共有まで行なえ、ファイルストレージとしての機能も備えている。
利用料金はライトプランが1ユーザーあたり月額300円、ベーシックプランが月額500円、プレミアムプランが月額1000円となっているが(いずれも年額契約の場合)、嬉しいことにフリープランも用意されている。もちろん、機能はある程度制限されているのだが、お試しというわけでもなく、普通の使い方であれば網羅できてしまうレベル。
試用期限もないので、気軽にチャレンジできるのが魅力だ。有償プランはユーザー数の上限がないのだが、フリープランは最大100名までとなっている。(現在は新プランに移行 2022年6月1日追記)
理由2:効率的なコミュニケーションと風通しの良い情報共有にぴったり
これまでの約30年間、電子メールでのコミュニケーションが主流だった。しかし、IT環境が劇的に進化し、仕事の仕方も変化した現在では、メールはもはや時代遅れになっている。
毎回、お世話になっております、のような挨拶を書くといった無駄手間や届いた届いていないというトラブルが発生する。膨大な量のメルマガや迷惑メールも業務効率を落とすし、話の流れを追うのも面倒。過去の情報を検索したくても、データが他の端末にあったり、削除されていることもある。
ビジネスチャットであれば、リアルタイムに1対1でも複数ユーザー間でもスムーズにコミュニケーションできる。LINE WORKSの情報はすべてクラウドにあるので、迷惑メールにまぎれたり、消えてしまったということもない。
社内の全員が同じ情報にアクセスできるので、属人化も置きにくく、風通しの良い情報共有が実現する。
理由3:誰にでも使えるLINEライクなUIで学習コストが不要
ITツールを導入する場合、社員に使い方を教えるために、勉強会のような場を用意する必要がある。講師を手配するコストに加え、社員の仕事の手を止めて勉強してもらうのも大きなコストと言える。ITに詳しくない社員は今の業務フローを変えたくないので、導入に抵抗することも多い。
LINE WORKSはLINEに似た感覚で利用できるので、誰でもすぐに使えるのがメリットだ。LINEの画面に似ているので、抵抗感も小さくて済む。ITに詳しくない人にも「仕事用のLINEみたいなものだから」と説明すれば、ハードルも下がる。学習コストが不要というのは、ITツール選定の大きなアドバンテージと言える。
理由4:ファイル管理ができてデータを分散させずに済む
業務で使うファイルを、適当に社員のパソコンに保存しているとトラブルの元になる。端末を紛失すれば情報漏洩に繋がるし、出社や帰社しないと必要なデータにアクセスできないのでは、無駄な移動のコストや時間が発生してしまう。
LINE WORKSではチームやグループごとにフォルダを作成し、ファイルを管理できる。業務で使うファイルを1カ所に集約することで、ファイルの紛失やバージョン違いの発生を防止できる。クラウドに保存されているので、異なる端末からでも、出張先からでもアクセスできるのが便利だ。
保存できる容量は、フリープランでは5GBまで。ライトプランは100GB、ベーシックプランは1TB、プレミアムプランは10TBまで利用できる。
理由5:カレンダーで設備や会議室の予約管理が行なえる
会議室やプロジェクター、カメラ、ノートパソコンなどはどのように管理しているだろうか。適当に管理しているといざというときにダブルブッキングで使えずトラブルになることもある。ホワイトボードで管理していると、外出先から確認できず、どうしても必要な場合は会社に電話して見てもらうという無駄手間が発生する。働き方改革では、こういう無駄を省いていくことが重要だ。
LINE WORKSなら個人の予定共有はもちろん、設備管理ができるので、いつでも誰でも会議室や備品の空き状況を確認し、日時を指定して予約できる。ダブルブッキングも起きず、スマートに管理できるようになる。
理由6:ビジネスでの利用が前提なのでセキュリティもしっかりしている
仕事で使うのだから、セキュリティにも気をつけなければならない。情報を紛失したり漏洩させると、取引先にまで迷惑をかけてしまうことになる。
LINE WORKSはISO/IEC27001、27017、27018、SOC2/SOC3といったセキュリティ認証を受けており、すべてのサービスは日本国内にあるデータセンターから提供している。個人向けのLINEと異なり会社が管理する法人向けサービスとして、全ユーザーの操作を記録する監査ログ機能も備えており、万が一トラブルが起きたときにも原因を探ることができる。
理由7:ビジネスチャットで唯一、LINEとつながってコミュニケーションできる
LINE WORKSは、LINEアカウントと直接トークができる、唯一のビジネスチャットサービスだ。多くの人が利用しているLINEと会社で契約しているLINE WORKSでつながり、コミュニケーションできるのだ。顧客への営業活動にも有効だし、メールを使わない主婦や学生ともLINE WORKSを介してやりとりできるようになる。
方法は、LINEユーザーにLINE WORKSメンバーを友だち登録してもらうだけ。あとは、トークルームを開いて会話すればいい。フリープランの場合はLINEユーザーとのトークは1対1のみとなっており、有償プランなら複数人で会話することが可能になる。
理由8:有償プランにすれば高度な管理機能や複数ユーザーの通話が可能に
100人までの組織ならフリープランでも業務利用ができるのだが、有償契約をすれば、さらにいろいろな機能が使えるようになる。前述の通り、ユーザー数の上限がなくなり、共有ストレージの容量も大幅にアップする。複数ユーザーで音声やビデオ通話ができるようになり、専門ツールではないものの簡易的なオンライン会議も開催できる。
管理者にとっては、画面デザインのカスタマイズができたり、遠隔デバイス管理やファイルダウンロード制限など高度なセキュリティ設定が可能だ。監査ログもフリープランでは2週間までしか記録できないが、有償プランなら6ヵ月まで記録する上、データをダウンロードできるので安心だ。カスタマーサポートも受けられる。
最初はフリープランで始め、必要に応じて途中でアップグレードしても問題なし。もちろん、それまでのデータはそのまま利用できる。
今でもメールと紙が中心のコミュニケーションを行なっているなら、まずはLINE WORKSのフリープランを導入し、ビジネスチャットの効果を体感してみることをお勧めする。離れていても情報が共有しやすくなり、会社がアカウント管理できる、というだけでもメリットは十分感じられるはずだ。
LINE WORKSは勤怠管理システムや自動文字起こしサービスとのbot連携など、より発展的な使い方も可能だ。業務効率が大きく変わることが分かれば、LINE WORKS単体での機能スペックを超えた活用がさらに進み、デジタルトランスフォーメーションの実現に寄与してくれることだろう。
次回はLINE WORKSを始める際に気になる、運用ルール例について掘り下げてみたいと思う。
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