■機械式の不満を一掃したデジタル式
デジタル式はそうした面倒を解消してくれます。まず設定が簡単。プラスマイナスボタンで数字を見ながら設定できる。特にこの製品は液晶画面が大きく、数字が見やすい。そして測定が終わったら、ただスイッチを切ってしまうだけ。
さらに緩める側のトルクも計測できます。規定トルクで最後まで締まっていたかをチェックできるわけですが、それ以上にトルクゲージを付けたままナットを緩めていいので、作業効率の点でよろしいわけであります。
機械式にない手間は電池交換です。単4電池3本を使いますが、連続使用で110時間は持つそうですから、これは大して気にならないでしょう。
■安くても機能は充実
このトルクゲージの差込角は12.7ミリ、1/2インチ規格のもの。私は長さ40センチくらいのKTCのハンドルと、エーモンのアルミホイール用17ミリソケットで使っています。
計測モードは2つあり、1つは計測中のトルクを連続表示する「Tモード」。もう1つは計測最大トルクを表示する「Pモード」。設定値に達するまでは連続表示しますから、ホイールナットのトルク管理にはPモードで良かろうと思います。
ちなみにPモードでは、測定した値を50件までメモリーする機能があり、ボタンを押すことで遡って表示できます。これは何に使えば良いのか分からない謎機能だったのですが、すぐに使い途を思いつきますのでご安心ください。
トルクの計測範囲は40〜200ニュートンメートルで、ND型ロードスターの指定トルクは108~147ニュートンメートル(N·m)、あるいは12〜14キログラムメートル(kgf·m)ですからレンジもバッチリ。
ただし設定、および計測できるトルクの単位はニュートンメートルのみなのが残念ですねえ。もしキログラムメートルが扱えたら、設定する数字は2ケタで済みますから、設定ボタンを押す回数も少なく楽だったのですが。
ちなみに私は指定値の中間、127ニュートンメートルに設定しています。理由は計測器の精度が1割以上おかしくても、指定範囲には収まるだろうからであります。
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