最新パーツ性能チェック 第299回
Comet Lake-SのポイントであるPL1設定別の挙動や性能も詳しく解説
Core i9-10900Kを筆頭に第10世代Core超徹底検証!Ryzenよりもゲームで強いって本当?
2020年05月26日 14時00分更新
CPUの特性を総合ベンチマークで比較する
まずは総合ベンチマーク「PCMark10」でどんな処理に強いのか、あるいは弱いのかを確認してみよう。今回はゲーミング以外のテストを実行する「Standard」テストの結果を掲載する。なお、総合スコアーのほかに各テストグループ別のスコアーもチェックしている。
まず総合スコアー(青いバー)を見ると、Core i9-10900Kがコア数で勝るRyzen 9 3900Xを上回っている点に目がいく。Standardテストは軽めの処理が主体で、コア数勝負になるのはDCC(Digital Contents Creation)テストグループであるためだ。各テストグループ別のスコアーを見ると、確かにDCCではCore i9-10900KのスコアーはRyzen 9 3900Xよりも下回っている。
Core i9-10900Kをはじめとする第10世代Coreプロセッサーの総合スコアーを押し上げている要因のひとつがEssentialsテストグループだ。アプリの起動時間を見る「App Start-up」テストでは第10世代Coreプロセッサーが高スコアーを上げている。つまり、アプリの起動が高速ということになる。
Ryzen勢のシステムにPCI Express Gen4接続のSSDを使えばもう少し差が縮まる可能性もあるが、App Start-up程度の読み書き負荷では、Gen3とGen4の違いは(経験上)誤差のようなものなので、これは単純にCPUまわりの差異によるものと言える。「Firefox」を利用する「Web Browsing」テストでも第10世代Coreプロセッサーは優秀である。
第10世代CoreプロセッサーはProductivityテストグループでもスコアーを稼いでいる。「Spreadsheet」も「Writing」も「Libreoffice」を使った実仕様環境に近いテストだが、いずれのテストでもRyzen勢よりも高スコアーをあげている。ちなみに、第10世代Coreプロセッサーよりも第9世代CoreプロセッサーはWritingスコアーが低めに出ているが、これはすべてPL1を95W制限で動かしているためである。PL1を125Wにした第10世代CoreプロセッサーよりもCPUクロックのブーストが途切れがちになったことが原因と考えられる。
ここまでやや精細を欠いていたRyzen勢だが、DCC(Digital Contents Creation)テストグループでは違った立ち回りを見せた。Ryzen勢は「Photo Editing」で大きくスコアーを稼いでいるが、その一方で「Rendering and Visualization」や「Video Editing」では首位をCore i9-10900Kに明け渡している。
Rendering and Visualizationでは「POV-Ray」を利用したレンダリングテストが入っているため、単純にコア数の多いRyzen 9 3900Xが一番になりそうだが、実はこのテストはOpenGLによるワイヤーフレーム表示も含まれており、それがインテル勢と相性が良かったためである。
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