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2020年5月12日 新発売 〜超高齢社会のテレビ音量問題を解消へ〜

高齢者や難聴者にも聞こえやすい音に変換する「ミライスピーカー・ホーム」発売

2020年05月15日 18時10分更新

文● 松下典子 編集●ASCII

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 2020年5月12日、株式会社サウンドファンは、音の距離減衰を抑えて広範囲へクリアに届ける特許技術『曲面サウンド』を搭載した音のバリアフリースピーカー「ミライスピーカー」の家庭向け小型軽量新モデル「ミライスピーカー・ホーム」を発売。価格は2万9700円。

 高齢者の「聴こえ」は昨今の社会問題のひとつとして注目されている。聴力は年齢とともに衰え、74歳以上の日本人の40%以上が聴こえづらさを感じているという。WHOの報告によると、日本の難聴者は約1400万人、世界では4.7億人にも上り、今後さらに増える傾向だ。高齢者の家庭では、テレビの音が大音量になりやすく、同居家族にとっては悩ましい。

 「ミライスピーカー・ホーム」は、同社がこれまで施設や企業向けに販売してきた「ミライスピーカー」を小型・軽量化した初の家庭向けモデル。言葉をはっきりとクリアに表現する技術「曲面サウンド」を搭載し、音量を上げなくても聞き取りやすく、高齢者など音が聴こえづらい人と家族が一緒にテレビを楽しめる。

独自の曲面振動板が聞き取りやすい音に変換

 従来のスピーカーの振動板は、円すい形であるのに対して、「ミライスピーカー」の振動板は、平板を湾曲させた形状をしている。この曲面振動板が難聴者でも聞きやすい音を生む仕組みだ。

 ミライスピーカーは、株式会社サウンドファンの創業者である佐藤 和則氏が難聴の自身の父親のために考案したのが始まり。「蓄音機の音は耳の遠い高齢者にもよく聞こえる」という発見から、蓄音機のラッパの部分の曲面をヒントに、音響メーカーのシニアエンジニアたちとともに曲面の板を振動させるスピーカーの開発に着手し、2015年に初号機「ミライスピーカー・ボクシィ」が完成した。 曲面サウンドは距離による音の劣勢が少なく、広く遠くまではっきりと音が伝わるのが特徴だ。

 曲面サウンドがなぜ聞き取りやすいのかという原理は解明されていないが、早稲田大学 及川靖広教授によるミライスピーカーの空中音波の特徴解析では、従来のコーン型スピーカーとは異なる特徴があることが確認されている。

早稲田大学 波動場・コミュニケーション科学研究所による音波比較解析

 また東京都立大学の大久保 寛准教授による曲面振動版の振動シミュレーション解析では、高音域において、広範囲にしっかりと音を届ける音場が作られることが確認されたという。

東京都立大学 大久保 寛准教授による曲面振動版の振動シミュレーション解析

 オンライン取材では、オルゴールとプラスチックの下敷きを使ったデモを見せてくれた。手巻きオルゴールに下敷きを曲げて当てると、確かに音が明瞭に聞こえる。難聴者によるテストでは、7~8割のユーザーがミライスピーカーによって聞こえが改善したそうだ。

コーン型振動板と曲面振動板を組み合わせて、小型化・低価格を実現

 これまでは、法人向けモデル「ミライスピーカー・モビィ」を音のバリアフリースピーカーとして販売しており、JALの国内線カウンターのアナウンスや金融機関の受付呼び出しシステム、施設の防災用などに導入されている。「ミライスピーカー・モビィ」価格は7万9200円とやや高価で、サイズも大きいことから、個人向けとして開発されたのが「ミライスピーカー・ホーム」だ。

 小型・軽量・省コスト化を実現するため、フルレンジスピーカーと曲面サウンドを融合した新開発の「ハイブリッドスピーカーユニット」(特許取得済)を搭載。ひとつのアクチュエーター(振動板を駆動させるもの)で、フルレンジスピーカーのコーン型振動板と、曲面サウンドの曲面振動板を同時に駆動させる構造になっている。

高齢者が扱いやすい有線接続のシンプルなデザイン

 高齢者がテレビの音を聞き取りやすくするための既存の製品としては、手元スピーカーがあるが、Bluetoothなどを使った無線タイプが多く、高齢者にとっては設定が難しい。「ミライスピーカー・ホーム」は、テレビのライン出力にケーブルをつないで使う。電源はACなので充電がいらず、高齢者家庭でも扱いやすい。テレビの隣に1台設置すれば、数十畳の広さまで十分に音が広がるそうだ。

 個人向けには月額1980円のサブスクリプションモデル「ボクシィ」も用意されている。30日間は無料試用できるので、まずはレンタルして効果を試してみるのもいいだろう。

高齢者になじみやすいデザイン。本体背面に、電源のオンオフスイッチ、音声入力端子、電源端子を配置。ボリュームは、上部のつまみで調整する

 サウンドファンは「曲面サウンド」について、国内で6件の特許を取得している。また国際特許は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国、メキシコ、ベトナムなど8ヵ国で取得済みで、今後は海外展開も視野に入れている。今後は、テレビへのビルドイン、スマートスピーカーへの応用など他社製品とのコラボレーションも検討しているそうだ。

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