■4インチ画面を終わらせた「大画面化」の波
このように、第2世代のiPhone SEが大型化した理由は「iPhone 8がベースになったから」といえます。ただ、小型のiPhoneを待っていたユーザーが本当に聞きたいのは、なぜ4インチのまま中身を最新化しなかったのか、という点でしょう。
これはスマホ市場の現状を考えると、かなり難しい要求です。スマホで動画やゲームを楽しむユーザーが増えたことで「画面は大きければ大きいほどよい」というトレンドが世界的に生まれています。第2世代iPhone SEの4.7インチでさえ、小さすぎるほどです。
そのため、スマホの画面周りの技術競争は「スマホとして許されるサイズにどれだけ大きな画面を搭載できるか」という方向に向かっています。その中で生まれたのが、iPhone X以降で採用されたノッチ付きの全画面デザインや、画面を折りたためるAndroidスマホです。
日本では、通勤電車で片手で使うのに便利という理由などから、小型スマホの需要は大きいとされています。小型モデルを作り続けるシャープは、小型を選ぶ人の割合は約3割との数字を挙げたこともあります。ただ、市場全体では少数派といえるでしょう。
小型スマホには電池持ちの問題もあります。第2世代のiPhone SEは、アップルによればiPhone 8とほぼ同じ駆動時間を実現しているとはいえ、3000mAhクラスの容量があるiPhone 11に比べれば確実に短いものです。電池持ちに対する要求が厳しい現在では、これはほぼ下限といえるでしょう。
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