このページの本文へ

松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第90回

スマホで「陽性鍵」がやりとりされる時代:

アップルとグーグルの新型コロナ対策が可視化する過酷な現実

2020年04月14日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●iOSのセキュリティを公益のために緩和

 見方を変えると、アップルがiOSのセキュリティを緩和したことによって、この仕組みを実現したと取ることもできます。

 アップルは個人のデータをデバイス内にとどめることをポリシーとしています。たとえ暗号化されたデータであったとしても、端末の外には出さず管理してきました。また通信手段の管理も厳格でした。

 そのアップルがバックグラウンド、つまりアプリを起動していないときもアプリからBluetoothの検出を可能にする「穴」を開けることに同意したのです。こうしてiPhoneでも24時間稼動する接触追跡アプリを実現することができるようになります。

 グーグルは85%以上のスマートフォンシェアを持っており、Androidに対してこうした機能を追加することができます。しかし残りのおよそ15%をカバーできなければ、この追跡プロジェクトは意味がない、というわけです。

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中